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子供がいたら在宅でも仕事はできない?

新型コロナウィルスの影響で多くの方が在宅ワークをするようになりました。政府の緊急事態宣言による自粛期間中は、子供たちも学校に行かず家にいたため、仕事が手につかない経験をされた方もたくさんいらっしゃったのではないでしょうか?
従業員の9割以上が子育て中のお母さんで構成する当社でも、今回の緊急事態宣言による自粛の時は、大きな影響がありました。
今回のコロナの自粛を通して、少しでも子育てしながら在宅ワークで働く厳しさを多くの方に知って頂き、子育てしながら働く方への理解が進むと良いなと思います。

幼児と一緒に仕事をするお母さん

当社では、コロナ前からほぼ全員が在宅勤務で仕事をしています。
そのため、社内ミーティングは、すべてオンラインで行います。
ある従業員とのオンラインミーティングでは、いつも幼児が一緒にいて、すごい大騒ぎをしています。「ママ!ママ!」と必死に何かを訴えかけているのが聞こえてきます。
その従業員曰く、「いつもは大人しくしているのだが、オンラインミーティングになると急に騒ぎ出す」とのこと。
私はある程度そういう状況には慣れているため、会議中は気にせず話を進めます。

ただ最近は、緊急対応する事柄も増えてしまい、その従業員の仕事のスピードが気になり始めました。
「仕事が遅い」と感じ始め、その原因が幼児と一緒にいることなのではないかと疑うようになりました。
幼児が一緒にいたんじゃ、仕事なんかできないのではないか?

待機児童を抱える従業員

ある時期になると、就業証明書を書いてほしいという依頼が従業員からたくさん届きます。幼児を抱える従業員は、毎年保育園に提出する必要があるからです。
各家庭の状況によって、自治体から点数を付けられ、その点数によって子供が保育園に入れる優先度が変わります
共働き家庭や、シングル家庭は、点数が高くなり、優先度が高くなりますが、専業主婦のような仕事に就いていない親がいる家庭は、点数が低くなるようです。

従業員の9割以上が子育て中のお母さんである当社では、ほとんどの従業員が共働き家庭です。しかし、在宅ワークということを理由に、自治体からは、子供の面倒を見れると思われてしまうそうです。

先ほど書いた幼児と一緒に仕事をする従業員との1対1のオンライン面談をする機会がありました。私はその方に「仕事が遅いこと」を伝えるつもりでいました。しかし、よくよく話を聞いてみると、その幼児が待機児童であることを知りました。預けたくても保育園に落ちてしまったのです。
私は、彼女に仕事が遅いことを注意するのをやめました。
もちろん、仕事の進め方など効率化できることがないかなどを話し合いました。子育てしながら仕事をしているからこそ、知恵を最大限に絞って、改善できるところは徹底してやっていかなければいけないと思います。

自粛期間に子供の様子がおかしくなる?

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コロナの緊急事態宣言の時は、多くの従業員が、仕事の時間を減らしたり、朝5時の早朝に仕事をするなど、とても苦労をされている従業員がたくさんいました。
通常時、在宅ワークといえども、子供がいる時に仕事をしている方は、ほぼいません。やはり子供がいる環境では仕事はできないのです。
在宅ワークは、会社と家の移動時間がないことで、少しでも子供の居ない間に仕事ができるという点でメリットがありますが、在宅ワークだから子供が家に居ても仕事ができるという認識は誤りです。
ある従業員からは、「子供の様子がおかしいので仕事を減らしたい」と言われました。
やはり子供にとって、親が近くにいるのにかまってもらえないことは、何らかの悪影響を子供の精神に与えているのかもしれません

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深夜労働を禁止したら反対される

先ほども書いたとおり、子育てしながら働く方たちは、基本的に子供がいない時間帯に仕事をされます。
どれだけ子供を学校、保育園、学童などに預けることができるかで、その方の働ける時間が変わってきます
小学生以上の子供を抱える方のほうが長く働ける傾向はありますが、1才児であっても、長い時間保育園で預かってもらえている方は長く仕事をされている方もいます。

そんな合間を縫って仕事をされている従業員たちですが、中には子供が寝静まってから仕事をされている方がいます。昼間と夜間を合わせると1日8時間は仕事をされていました。つまり、フルタイムの方と同じだけ仕事をされていました。

ある日、私は22時以降の深夜労働を原則禁止としました。
理由は2つあります。
1つは、22時以降働くと、深夜労働となるため割増賃金を支払う義務がありました。経営上、コストを少しでも抑える必要がありました。
2つ目は、労務士さんから「会社は従業員が健康的に仕事を行えるように管理する義務がある」と言われたからです。
従業員を管理しないことをモットーに経営してきましたが、社員の健康維持や、有給休暇の消化など、会社は法的にも様々な責任があります

従業員からは「賃金の割増はいらないから仕事をさせてほしい」や、「22時以降働けないのであれば働く時間が減ってしまう。シンプルメーカーはママのための会社ではないのか!?」といった声が挙がりました。
在宅ワークが普及したこれからのニューノーマルな社会では、22時以降は深夜労働という概念は古いのかもしれません
しかし、私は従業員には規則正しい生活を送って頂きたいという想いもあり、残業や深夜労働、休日勤務なども原則やらないようにお願いしています。
私は今のところ子供がいません。結局私は子育てしている方の気持ちにはなれないのかもしれないと悩むこともあります。

冒頭でも書きましたが、在宅ワーク、テレワークの広がりにより、少しでも子育てしながら働く方への理解が進んでくれると良いなと思います。
当社では子育てしながら働く方たちを応援するためのWebメディア「はたママ」(https://www.hatarakumama-pj.com/)を運営していますので、ぜひそちらも読んで頂けると嬉しいです。

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