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【日本語教師のための】漢字①【試験合格へ】

日本語教育能力検定試験、登録日本語教員試験の対策講座です。
今回は、「漢字」がテーマです。
資格試験に必要な知識を詰め込んだので、サクッと重要単語を覚えちゃいましょう!



文字の分類

まず、漢字だけではない文字全体に関することから。
日本語では、どんな文字を使いますか
もちろん、漢字、平仮名、片仮名ですね。
他に、よく使うものとしてはローマ字も挙げられるかもしれません。

では、それぞれの文字にはどんな特徴がありますか?
日本語を知らない人に、漢字と片仮名の違いは、と聞かれたら何と答えられるのでしょうか。
そんな問いの答えとして、文字の分類があります。

例えば、これ(下の写真)。
漢字、平仮名、片仮名、ローマ字ではどのように表記しますか。

読んだりするものです

読むものです。「本」「ほん」「ホン」「hon」のように表記できますね。そして、この文字の表記が、分類のヒントになります。

漢字と仮名(平仮名と片仮名)を比べてみます。「本」は一文字なのに対して、「ほん」「ホン」は二文字です。「hon」は三文字です。
「本」という漢字を見れば、頭の中で上の写真のような物体が想像できますが、「ほ」と言われても何も意味を成しません(「穂」かもしれませんが笑)。「h」だと、発音すら難しくなります。

つまり、これがそれぞれの文字の特徴なのです。そして、その特徴に沿った分類もできます。

ややこしい用語!でも、難しくないですよ。

上の表を見てください。
漢字は、その文字一つで意味を成します。「本」のように、たった一つの漢字に「形」音」「義(意味)」がそろっているのです。このような漢字などの文字を、表語文字と呼びます。

一方、仮名は一つの文字では意味を持ちません。あるのは、ただ音だけです。ローマ字も同じですね。音を表す、これらの文字は表音文字です。
ただ、この二つの違いは、ローマ字は母音と子音を区別し、仮名はそれらが一体化していることです。「ほ」は、ローマ字でいうと「ho」となり、子音 h と母音 o で構成されていることがわかります。
このような、子音と母音を分ける文字を音素文字、分けない文字を音節文字と言います。

用語の漢字からもわかる通り、「表語」は語を表すという意味です。音素は、音を小さく分けていったときの最小単位であり、音節は音のまとまりを意味します。詳しくは音声分野で解説しますが、なんどなく「〇素」が一番小さいから、子音と母音を細かく分けられるローマ字!とだけ、簡単に覚えていただければと思います。


漢字の成り立ち

では、ここからは漢字に焦点をあててお話しします。
漢字は、中国で生まれた文字ですが、何時代に発明されたと思いますか。答えを聞くと、世界史の授業が思い出されるかもしれません。

篆文とは?隷書とは??

漢字は、という時代の遺跡で発見されました。そこには、甲骨文字という文字が刻まれていて、これが現在の漢字の原型になったのです。テレビとかで、みなさんも一度は目にしたことがあるはずです。今の漢字よりもクネッとした形が特徴的な文字ですよ。

しかし、甲骨文字がいきなり今の漢字(楷書)になったわけではありませんでした。まず、金文になり(合金の一種である青銅器に刻まれました)、篆文になり(篆書とも。ハンコに刻む文字です。ハンコを彫ることを篆刻と言ったりしますよね)、隷書になり(秦の時代によく使われました)、最終的に楷書になったと言われています。ちなみに、隷書はある罪人が考えたもので、これを始皇帝に伝えたことで罪が許されたという伝説があるそうですよ!


今覚えちゃおうのコーナー

今回の内容はここまでです。
さて、ここまでの話や、用語は頭に残っていますか?

物事は、単語を丸覚えするよりもエピソードと絡めたほうが良く(記事でも、単語のみではなく豆知識的要素を加えています)、ただ何度も読むよりも、人に説明するほうが頭に残りやすい(そもそも残っていないと教えられませんが)そうです。人間は忘れる生き物ですが、できるだけみなさまの記憶を後押しするために、「今覚えちゃおうのコーナー」を作りました。

以下の質問に、先生になった気分で説明してみてください。

ありがとうございます。
みなさまの答えで、うさぎも喜んでいると思います。
一度読んだだけで覚えていることは意外と少ないのですが、「あれ、なんだっけ」と振り返ることで記憶が強化されるはずです。


おわりに

今、私たちが使っている漢字にもいろいろな歴史があったわけですね。

次回は、漢字の後半戦です。分類や日本生まれの漢字などについてお話しします。

次の記事からは有料となりますが、今回よりもボリュームが多く、効果的に分野の復習ができるような工夫も行います。
よろしければ、ご購読いただければと思います。
いくつか記事を投稿後、記事がお得になったり、試験の記述分野の添削を行うメンバーシップも開設いたしますので、今後もどうぞ宜しくお願いいたします。

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