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主婦がweb ライターを始めてから辞めるまで【前編・後編】

こんにちは、HSPライターの蒼樹唯恭です。

今回、創作大賞2024に応募するにあたり、私が今まで書いた記事の中で一番読まれている2つ(前編・後編)をまとめました。

3年以上前に書いたものなので、拙い部分もありますが、当時のリアルな心情がギュッと詰まっています(一部変更あり)。

Webライターの仕事に興味がある方はもちろん、在宅ワークで働いている方に読んでもらえたら嬉しいです。




無数にいるWebライターの中で、端っこの端っこにいる一人。それが私です。今回は主婦であり母になった私が、Webライターを始めてから辞めるまでについて書いていきたいと思います。

この記事を書こうと思ったきっかけは、2年半以上続けていたこの仕事を辞めようと思ったから。その経緯を書いて残しておきたいと考えたのです。完全に自己満足ですが、誰かがWebライターを始めるときのサンプル例ぐらいになればいいなと思っています。
いつもと書き方を変えているのは、「文章を読むことに慣れた人」に向けているからです。


1:なぜ、Webライターになったの?

私がWebライターを始めたのは2017年の秋頃でした。当時、前職を体調不良で退社し結婚したばかり。仕事を辞める前に「好きなことを仕事にしたい」「書くことでお金をもらえたら幸せ」と考えて、まだ体に不安がある中、ライターの仕事を紹介してくれるサイトに登録しました。

しかし、私が当時登録していたクラウドソージングのサイトでは、ライティングの仕事はコンペティションタイプがほとんど。書くことは好きでも経験がなく自信がなかった私は、なかなか挑戦できずにいたのです。

それに加え、ずっと家にいることが得意でなかった私は「外に出て働きたい。社会と繋がりたい」と思うようになりました。
体調が落ち着いてきたこともあり、前職の有休が開けるのとほぼ同時期に家から通える場所でライターの会社がないか探し始めます。

私は大阪に住んでいますが、そういった都市でもライターの仕事というのは全体的に見て少ないです。ただ、複数の仕事募集サイトをくまなく探せば、いくつかは見つけられます。
私の場合、運よく見つけた美容サイト運営会社に応募し、これまた運よくパートとして雇ってもらえることになりました。
テストや面接を受け、採用してもらえたときはとても嬉しかったことを覚えています。

2:Webライター1年目

パートとしてWebライターを始めた当初、私は「Webライター」という名前があることすら知りませんでした。もちろんSEOも。ただ、純粋に「書くことを仕事にしたい」と思っていただけだったのです。知らないってすごい 笑

ライター未経験で入った私に、会社はWebライターとしての基礎を教えてくれました。キーワードプランナー、サチコ、ワードプレスの使い方はもちろん、ターゲットを意識した文章の書き方、どうやったら収益が上がる文章を作れるかといったところまで。細かいところまで直接教えてもらえたので、本当にラッキーだったと思います(追記:ちなみに時給は1,000円で週3~4日程働いていました)。

一方で、私は自宅で細々と小説の執筆をしていました。前職を辞める前、いえ、実は学生の頃から途切れ途切れに創作をしていたのですが、本格的に書き始めたのは結婚してから。時間が出来たというのもありますが、「書くことを仕事にする=ライターか小説家」といった考えが私の中にあり、どちらも試してみようと考えたからです。

小説に関しても素人だったので、とにかく書くことを習慣づけることから始まり、いくつかの小説サイトに登録して作品を発表し、またコンテストに数度応募しました。箸にも棒にも掛かりませんでしたが 笑

3:Webライター2年目

転機が訪れたのはWebライターの仕事を初めて半年程経った頃。会社の経営状態が厳しくなり、正社員・パートを含め働く時間が徐々に減らされていきました。限られた時間内で記事を作成しローンチまでこぎつけても、なかなか収益にはつながらない。サイト運営で利益を継続的に上げ続けることは、とても難しいのだとこのとき初めて知りました。

レストランでのアルバイトを掛け持ちしてライターの仕事を続けていた私でしたが、数か月後、妊娠が分かります。嬉しい反面、つわりがひどすぎて電車に乗るのも大変でした。精神状態も不安定になったため、仕事が以前にもまして少なくなってきたこともあり、退社を決意します。ライターとして採用されちょうど1年ぐらいの頃でした。

その後は妊娠や出産などでバタバタし、あまりライティングの仕事は出来ませんでした。しかし、新たに登録したクラウドソージングのサイトを利用して仕事を頂き、合間合間に続けていきます。このあたりで完全に在宅ワークに切り替わりました。

4:Webライター3年目

春に無事、出産し半年程経った頃、私はライターの仕事を本格的に再開します。このときにはある程度、仕事の相場がつかめてきたため、「文字単価1円未満の仕事は受けない(執筆のみ)」と決めていました。

Webライターの仕事をしてる方はご存知だと思いますが、クラウドソージングのサイトでライティングの仕事を探すと「1文字0.8円」や「構成・画像挿入込みで〇〇円」などの仕事が溢れています。
でも、どれもとても安い。労力や時間に見合う金額ではありません。

悩んだ私はたまたまサイト上で見つけたライティングのテストを受けます。そこに合格し、比較的良質な仕事を紹介してもらえるグループに参加できることになりました。ここでの「良質」とは、クライアントの身元が明らかで、ある程度マニュアルもしっかりしており、料金も過度に安すぎないということです。
ただ、それでも私の場合は時給換算すると500円前後。好きなことだから、半分は勉強という気持ちで割り切っていました。

後半に続く。

前回は私がWebライターになった理由と、1・2・3年目の状況について書きました。今回は「なぜWebライターを辞めるのか?」についてです。
前編はこちらから。

5:育児と家事のはざまで

ライター3年目になって一番辛かったのは、仕事の時間が取れないことでした。慣れない育児に体も心も振り回され、自分の生活リズムを見失い、時間とそして体力には限界があると痛感したのもこの時期です。子どもが起きているあいだは仕事が出来ないため、お昼寝や就寝後に仕事をし、それでも無理なら夫や義理の両親にお願いして預かってもらいました。

子どもが1歳になり歩き出す頃には、仕事に割ける時間がもっと減っていきます。寝ることが多かった赤ちゃんにくらべ、幼児はぐっと活動的になるからです。

子どもを預ける有償のボランティア制度も利用しましたが、利用者が多く定期的に長時間預かってもらうのは難しい状況。一時保育はコロナでいつ再開するのか分からない…。

そんな状況で仕事を続けていくうちに、気付いたことが2つあります。
1つ目は、本当に自分がやりたかったのは何か?それをするためには今どうすればいいのか?ということ。
2つ目は、在宅のWebライターは稼げないということ。
後者についてはあてはまらない方もいらっしゃると思いますが、詳しくは「Webライターを辞める理由2」で書いていきます。

6:Webライターを辞める理由1

Webライターとしての収入はそれほど高くないものの、「書くことでお金をもらう」という当初の希望を実現できていた私は、ある程度満足していました。

しかし、WebライターのようなSEOを意識した文章は、良くも悪くも自分の色を出すのが難しいということに気付き始めます。ターゲットを設定し、ペルソナに合ったキーワードを選定し、構成を決め文章に落とし込んでいく。Webライターとして私が書いていた文章は、語弊を恐れずに言えば、創作物ではなく「収益を得るための道具(商品)」でした。

もちろん創作物であっても商品にはなりえます(本屋さんに並んでいる小説や漫画はすべて創作物であり商品ですよね)。でも、そうした小説や漫画は商品である前に作家の私的なものから生まれた創作物であると思うのです。

Webライターの文章がその始めから収益のための道具(商品)であることに、たまらなく虚しさを感じ始めました。同時に、私はただ「書く」のではなく「文章を通して創作したい、自分の考えを形にしたい」のだと気付きました。

収入は減っても好きなこと(小説の執筆)に時間とエネルギーを使いたい。家事や育児に多くの時間が必要な今、限られた時間を小説に注ごうと思ったのです。

7:Webライターを辞める理由2

前回も書きましたが、在宅Webライターの仕事は単価がとても安いです。私の場合、夫の収入があり生活が出来ているので続けてこられたと思っています。

私はWebライターをやっていて常々、「下請けの切り捨て要員だな」と感じていました(言葉が悪くてごめんなさい)。マニュアルに従って、SEOで必要なKWを出来るだけ多く入れる文章は、ある程度の文章能力があれば書けます。だから代替可能で、価値が低く見られがちです。それにより単価も不当に安くなるのだと思います。

ただ、Webライターとして安定した収入を得ている方も、もちろんいらっしゃるでしょう。ライターとして稼げるか否かは、「代替可能な文章ではなく自分だけの文章を書けるかどうか」なのかもしれません。

8:辞めると決めて見えてきたこと

辞める、辞めると書いていますが、すぐには辞めません。経済的なこともあるので、徐々に仕事を少なくしていこうと思っています。
それと気に入らない仕事はしません 笑

Webライターの仕事を辞める(減らす)と決めて見えてきたのは、仕事を通して書くことが生活の一部になっていたということです。また、他人に読まれる文章を意識するようになった本当にやりたいことが分かったというのも、ライターを始めたからこそだと感じます。

9:最後に

この記事は、今後Webライターを志す方に「ならない方が良いよ」と伝えたくて書いているのでは決してありません。ご縁があってこの文章を読んでくださった方に、「こういう事実もあるよ」と伝えたくて書きました。

私はライターに挑戦したことを後悔していません。でも、(駆け出しのライターであっても)もっとライティング料金は高くてもいい、それが当たり前の世界になって欲しいと思います。

最後になりましたが、この記事があなたにとってほんの1ミリでも参考になれば幸いです。

(終)

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