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人文・アカデミズム

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#人文学

書評:吉川浩満『哲学の門前』 「哲学」とは、人生に置いて自分の「脆さ」が露わになったときに必要とされる。

書評:吉川浩満『哲学の門前』 「哲学」とは、人生に置いて自分の「脆さ」が露わになったときに必要とされる。

タイトルに「哲学」という名前が付く本のイメージとは、異なる内容

 『哲学の門前』という不思議なタイトルの本だ。「哲学」とあるので、さぞかし哲学の本なんだろうと思って読んでみると、想定されるイメージとはかなり内容が異なる。
 この本の内実は、著者の半自伝的なエッセイ集だ。鳥取県での少年時代、家族の出自、大学生、社会人、そして文筆家としてデビューしてからのこと…などなど、著者の半生がある種赤裸々に描

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