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掌編小説 | 永い息継ぎ

掌編小説 | 永い息継ぎ

 雨の日のランチタイムは、やはり売上が芳しくない。PC画面に浮かぶ本部への報告シートに並んだ苦い数字は何度見返したところで桁が増えることはなく、溜息を細長く吐き出していると店の奥から冴木先生の賑やかな声が段々と近付いてくるのが聴こえた。

 ・・・おはよざいまぁす、はよざぁっす、あ、上がり?おつーまたねぇ、おはよーす、シフト合うの久々じゃぁん。

 キッチンからホールまで流れるように一通りの挨拶と

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アイオカさん

アイオカさん

何を捨てているんだろう。
何で捨てるふりしてるんだろう。
何で、こっちに気づかないんだろう。

そういう人なのだ。アイオカさんは。
コーヒーマシーンから出来上がりを知らせる音がして、コンビニの外に出た。
信号待ちをしていると、アイオカさんもコンビニから出てきて私の後ろで立ち止まった。コーヒーが熱い。持ち手を替えたいのに、どうしてか我慢する。右手が熱い。熱すぎる。
信号が青に変わる。人々に巻かれるよ

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