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初夏とノスタルジー

 五月になり、暖かい日が増えてきました。と言っても、異常に暑い日があったり、かと思えば、一気に冷え込む日があったりと、なかなか安定しませんが・・・。少なくとも季節は着実に移り変わっていますね。

 新曲を作りました。

 「風立ちぬ」で有名な堀辰雄の小説に「ルウベンスの偽画」という作品があるのですが、その舞台である軽井沢の風景を思い浮かべていたら、ふと流れてきた曲です。

 下記歌詞です。

「ルウベンスの偽歌」
作詞・作曲・歌唱 : 市井ケンジロウ

初夏の林道を
無邪気に歩いていた
鳥のさえずりが
そよ風と遊ぶのを聴いた

ちょっと寂しくなりたいと願う
僕の心を笑ってよ

飛び出していこう
澄み渡る空の下
僕らの世界が
壊れてしまう前に

涙溢れた昨日も
涙が涸れた今日も
心に花を添えるのさ
いつまでも

雨上がりの朝
露光る青葉の薫り
思い出していた
幼き日の冒険譚

ふっと優しくツツジの花揺れる
トンネルの前
立ち尽くす

踏み出してみよう
錆びかけた夢を抱いて
僕らの未来が
逃げ出してしまう前に 

破り裂かれた希望も
効かなくなった魔法も
心に花を添えるのさ
いつまでも

飛び出していこう
澄み渡る空の下
僕らの世界が
壊れてしまう前に

涙溢れた昨日も
涙が涸れた今日も
心の花を咲かすのさ
いつまでも


 堀辰雄の小説を読むと、いつもノスタルジックな気分になって、なんだか寂しくなります。でも心地よい寂しさです。ただ、やっぱり寂しさには違いないという、なんとも言えない感情。決して戻ることのない幼き日々の記憶と、それを慈しむ想いは失くしたくないと時々思います。

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