豊かさ。感覚器官としての身体と心に問う。#3

一昨日の続き。

太陽一周365日の旅は、バイオリズムの旋律。
螺旋状に反芻しながら、振り子のように振れながら、前に進んでいく。
前に進んでいるようで、その進みもまた螺旋状になっている。というフラクタル構造。

結局何が書きたかったのか。
まわりくどい内容は、自分にはうまい表現が思い付かないためで、ボキャブラリーの乏しさに反省しきりです。

そこに込めた思いは、

#1 「自由に揺蕩う水のように、流れて何かと出会えば、また流れを変えて揺蕩う」
#2 「太陽一周365日の旅は、バイオリズムの旋律」

に見出されるような自然界における変化や変容、律動といったものが、ダイナミックかつしなやかに一瞬たりとも同じ場所にいることはない。ということ。
それに、それらは、人間が作り出せないほどはるかに大きなエネルギーを、あらゆる生き物に無償で与え続けているという事実。
人間の考える全能感の無量大数倍の価値を、僕らは当たり前のように享受しているということ。

苺を育てながら生きていると、まず太陽エネルギーの圧倒的さに心身の芯から心酔します。
それから水の有り難みにひれ伏すことは、日常茶飯事です。

太陽のめぐみ一つとっても、
日本が日の本という名前であること。
国旗が日の丸であること。
今日は、という挨拶がお天道様軸での思考であること。
お母さんの語源が太陽を意味するカカ様であること。

など、それへの帰依は生活に根差して続いてきたであろうことは容易に想像がつきます。

カンブリア爆発を生み出した、光合成の発明。
光合成によるエネルギー獲得は、人間にとっては無限とも言える程の大きさである太陽エネルギーを用いて化学反応を起こす芸術的な仕組みです。
僕らの営む農業とは、この光合成という芸術的な発明と、それを中心に生産システムを組んだ優秀なエンジニアかつサイエンティストである植物たちの成果物をお裾分けしていただいている、というだけのことです。

カンブリア爆発も凄いのですが、さらに遡れば地球や太陽より大きな概念である宇宙です。
太陽エネルギーを取り出している植物たちが用いている材料、つまり水素や炭素、酸素や窒素をはじめとするあらゆる元素は、星が生まれては爆発し生れては爆発し、という長遠悠久の歴史の過程で、核反応によって誕生し続けているものだし、太陽レベルの星が超新星爆発を起こすまでの過程では鉄(原子数26)以上の重い元素は生まれず、鉄以上に重い元素が出来るとすれば中性子星合体によって起こるとされ、一説によるとその中性子星合体が起こる頻度は銀河系で100万年に10回から20回程度、単純平均すれば5万年か10万年に1回のイベントによってはじめて生まれるものというわけです。
もはや希少性がどれほどなのか、よくわかりませんが、光合成を担う葉緑体の葉緑素の生成にすら、中性子星合体でしか生まれない鉄より重い元素である銅や亜鉛が用いられており、光合成という発明品を生命が獲得したことは、星屑のドラマがあったからなのです。

の冒頭で、朝日が世界を照らすことに触れ、さらに地球が太陽の周りを公転することに触れたのは、自然界の片隅で生きていると「無限の時空の刹那に存在する自己」というフィジカルには、にわかに捉え難い程の豊かさの中にいることが感じられるからなのです。


自分は個として独立した存在ではなく、何か大きな生命の中で生きているのだという感覚で、言うなれば胎児が母体の羊水に浮かび、守られているかのような感覚です。


そんな世界で生きているので、今現在世界が直面する現実で最大の問題である「新型コロナウィルスとの対峙」という状況と向き合う上で、まず自分たちの考える困窮は、かなり近視眼的な意味であることを自ら確認したい気持ちに駆られました。

まず自分たちは根源的に豊かさのなかにいる、という事実は認識しておいて損はないと思ってです。


その上で、このような時だからこそ、ここまでで書いた壮大な価値はそれはそれとして、もっと身近で見えにくくなっていたものである、優しさや癒し、足元にある価値にも気がつけるかもしれないとも思いました。

ちょっとカメラを持って活動してみようかな。

日頃気がつかないものに気が付けるかな。という。

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ここのところずっと考えているのは経済の停滞、特に飲食店や宿泊業などはこれからどうなっていくのか、ということです。

それについては次の記事で書いてみたいと思います。

もちろん経済は大事です。

でも、時間がある今だからこそ、身体や心で感じる豊かさ。
目標設定をするビジネスには無いアートの価値、つまり目標設定ではなく、今感じるものに耳を傾けてみることの豊かさ。
そのことをちょっと考えてみたかったのです。

世界には、優しさと癒しが必要なのかもしれないな、なんて思い。

2020/04/29

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