桃を一緒に食べたい

木曜日
1時間残業をした
21時に終わる予定がもう22時を回っている


明日は休みなのだ
帰る足取りは軽い


急いで家に帰ったら
実家からもらった桃を持って
家を飛び出し
会いたい人に会うために車で向かおう


桃は早く食べないと傷んでしまう
早く一緒に食べたいと
焦る気持ちがはやし立てる


ピンポンも押さずに
鍵を開け
家に入る


「来ちゃった!」


ハッとした顔と嬉しそうな顔と呆れた顔
色んな表情がみえる

でも1番はきっと呆れてる
また来たか
まーた来たのかと


平日、木曜日の夜だ
向こうは明日金曜日も仕事だ
疲れているのはわかってる

でも会いたくて
桃を一緒に食べたかったのだ

仕事の邪魔にはなりたくない
朝は目覚まし時計とともに一緒に起きよう

拗ねたような顔で言われる

「サプライズでそっちに行こうと思ったのに
来ちゃったのー?」


「明日も仕事でしょ?こっちに来れないでしょ?」


「振替休日で明日休みになったよ」


「え!!!」


嬉しい
嬉しい
とてつもなく嬉しい


先週の土曜日、休日出勤をした代わりに
金曜日が休みになったのだ


平日の休み
どこに行こうかと頭の中で考えるが思いつかない
明日は雨が降りそうだし
家の中でのんびり過ごす
それでもいい

次の日の朝に閃く


「叙々苑に行こう」


平日の休みなんてそうそう無い

普段は混んでいる場所や
ちょっと高めの場所で平日ランチをお安くいくのが
最高にいい気がする


車で向かう
ゲリラ豪雨の道中

叙々苑に
デパ地下のスイーツ
最後は観光と
充実した平日デートになった


楽しかった
楽しすぎた

また行きたい
絶対いく

次はカニ、食べ行こう~


道楽、道楽。