ツクヨミ神

『吾は子を生み生みて  生みの終(はて)に三貴子を得たり』

有名な「三貴子誕生」のくだりである。多くの神々が生み出されたが、その中で最も尊いのはアマテラス、ツクヨミ、スサノオの三神で、「三貴子」と呼ぶ。この事は古事記、日本書紀にも記されている。

画像1

勾玉のみが本物、実物であるとされている。常に天皇と共にあり、天皇と共に移動している。

■月の力

月は古来、命を育む水や不老不死の力とも言われてきた。人の身体のリズムやサイクルは、太陽では無く月に支配されている。最近ひそかなブームになっている「陰暦カレンダー」を壁にかけて1年間付き合ってみると、その事が身体で分かるようになる。自然のサイクルと直結しており、自然と共に生きようとする月が重要な意味を持ってくるのである。

月の引力は強大で、実は海が引っ張られて膨らむだけではなくて、地殻さえも引っ張られて膨らみ歪む。したがって、地震をも引き起こす。月齢と地震の記録を照合すれば明らかだが、かなりの確率で符合する。足元を見るより、頭の上を見る方が良く分かるという皮肉な結果である。陰陽師の安倍晴明も予測を度々天皇に奉上した。

また、月の引力は人間の精神にも影響している。満月の時は高揚させ、生存欲や生殖欲を高め、ひいては闘争性や攻撃性を助長させる。古来、「月は生死を司る」と言われているが、科学的根拠があるという事だ。地球上のあらゆるものが月の支配下にある。山も海も人間も。。。

■ツクヨミ神話

ツクヨミは、太陽神アマテラスと対になって月神として誕生する。この神話は世界的にも共通するもので、『旧約聖書』創世記においては、太陽と月の2つの偉大な光が神を創造し、それぞれが昼と夜を司る。ギリシャ神話では、太陽神アポロンと月の女神アルテミスは双子の兄弟ともされる。中国では、天地開闢の創世神である盤古が、卵の中のような混沌から天地を創造し、死してその残骸から万物が誕生したと言われている。その左目から太陽、右目から月が生まれたという。

日本ではイザナギの右目から月神が生まれ、イザナミの居る「夜を食す国」(=黄泉の国)を統治することを命じられる。古事記ではこの記述のみしか無い。

日本書紀の「第一の書」では、イザナギが、白銅鏡を右手に持った際に生まれたとされる。左手に持った際にアマテラスが生まれた。この白銅鏡とは八咫鏡であるという。

「第五段 11の書」では、アマテラスから保食神を見るよう命じられたツクヨミは地上へ降りる。保食神は口から飯や海産物、鳥獣を出し机の上に並べた。ツクヨミは「汚らわしい。口から吐いたものを我に供するとか何事か」と怒って剣で切り殺してしまった。この報告を受けたアマテラスは大いに怒り「汝は悪い神だ。二度と会わない」として、昼と夜を隔てて住む事になった。後にアマテラスが保食神を天熊人に見に行かせた所、確かに死んではいたが、その頭には牛馬、額には粟、眉にカイコ、眼に稗、お腹に稲、陰部に麦、大豆、小豆が産まれていた。天熊人が持ち帰るとアマテラスは喜び、「これこそは民の食べ物である」と言い、粟稗麦豆を畑の種子とし、稲を水田の種子とした。それらを植えた所、8握りほどにも大きく実り、素晴らしい収穫であった。また口に繭を含んで糸を紡ぐ事を始めた。これが養蚕の始まりである。


■神社

日本国内の神社数の比較&ツクヨミの表記34種↓

画像2

神社は通常、真南か、真東を向いて造られている。その中でも、鹿島神宮は918の分霊社があるが、この総本宮は何故か真北を向いている。御祭神はツクヨミ様では無いけれど、気になる神社である。

http://kashimajingu.jp/about/御由緒・御祭神/


■三種の神器

日と月と海。昼と夜と海原。三貴子はそう表現される。

画像3


画像4

■円方地方(古墳)

「円方地方」とは、陰陽道の宇宙観である。元々は古代道教の思想として初めて形をなし、地理風水にも反映され、陰陽道にいたって宇宙観となった。意味は、天は円形、大地は方形である、という事だ。

「円形の天空」とは、「回転」つまり「動」を表している。これに対して「方形の大地」とは「不動」であり「静」を表す。つまり、「天円地方」とは、「天動説」の事である。大地は動かず、天が動く。

■陰陽×五行

宇宙の成り立ちから大自然の循環、国家の統治法、人体の構造、医学、栄養学、心理学、倫理学に至るまで、「陰陽×五行」に基づいている。

日本の陰陽道はこれを更に発展させた。天の相(天文相)を見れば、その影響により地において起きる事象の予測がつく。地の相(地理相)を見れば、その影響により生活、社会などの変化の予測がつく。地の相の限定されたものが家相である。人相は、地相・家相の影響を受け、従って天の相の影響のもとにある。

陰陽道とは、これら1連の関係を読み解く技術である。

陰陽道とは、天・地・人を直結させてとらえ、連動という相互関係で解釈する。


中でも、陰陽道に正しく基づいた食文化は、日本の伝統食であり、健康を保つ基本原理となっている。第1の基本は陰陽二元論である。摂取すると体を冷やす食材や調理法が「陰」であり、温める食材・調理法が「陽」であるが、このバランスを1度の食事で均衝にする事が基本となる。

夏の暑い盛りには「陰」の食事が心地よく、元気回復の元となり、逆に厳寒の冬には「陽」の食事が活力の源となる。つまり季節によって比率配分を調整し外気と内気の拮抗を図ることが出来る。これが四季を通して健康を保つ為の基本となる。

第2に、五行循環論。色彩を始め森羅万象全ての五行が対応の原理である。とりわけ「5色」は食事バランスの原理となる。蒼・赤・黄・白・黒の全てが揃って初めて「完全食」となる訳で、いわゆる日本食、和食は古来これを基本としている。おせち料理、懐石料理、にぎり寿司、鍋料理など。

ちなみに料理とは、「料」と「理」。材料と調理。素材と技術である。つまり、原理に則った調理法で加工する事が「真の料理」という。

-----------------------------------------------

読んでいただき、大変感謝致します✨✨✨

数少ないツクヨミ様の情報でした!

どうもありがとうございました😊💕✨

https://www.amazon.co.jp/ツクヨミ-秘された神-戸矢-学/dp/4309224636


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?