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スイスアーミーマン 8.13

何も考えずみられると思ったけど、見終わった後にとても残る映画である。

友人が遊びに来てプロジェクターで一緒に映画を鑑賞。

スイスアーミーマンは、2016年公開の映画。
あのハリーポッターのハリー、ダニエルラドクリフがとんでもなく振り切れた、
そして体、いやおしりをはった演技をしている。

無人島に彷徨って途方にくれるハンクのもとに突然現れた海辺に横たわる男。
死体のようだが、謎の音がする。静かな波の音の中に響き渡る音。

その音は・・・

おならだ!

プロジェクターで映画を観ていたので、机上にある
友人と私の間にあるプロジェクターからシュールなおならの音がする。
映画館でも大分シュールだったんだろうなと想像する。
ドルビーシアターなら尚更だ。

ハンクはその死体に話しかけてみるが、死体はやはり動かない。
諦めたハンクが歩き出した瞬間、死体が海に浮かび、
まさかのおならで進み始める。
その男に乗っかり、まるでモーターボートを操縦するかのように進むハンク。
この場面だけで、最高にくだらない。だけど、爽やかすぎる映像。

次の場面からハンクが無人島から脱出したことがわかる。
ハンクが死体やおならをなんなく受け止めるのが早くすぎて、
観ている方としては、おかしいでしょと思いながら、見守る。

死体を見放そうと思ったけど、やっぱり死体を連れ、「故郷」を探す。
雨が降り、穴蔵で雨宿り。死体を押すと、口から大量の水。
死体をポンプのように押し、水を飲める喜びに湧きながら、水を飲むハンク。

そして、死体が言葉を発した。
彼の名はメニーというらしい。

小学生のような下ネタやくだらないネタが何度も繰り返される。
だが、ふりきれすぎていて、くだらない!と呆れながら、
ハンク達と一緒に森をさまよう。
全く展開がみえない。

記憶を失ったメニーに森に落ちているさまざまなゴミを使って、
故郷の世界を再現するハンク。
ハンクの携帯画面に映るハンクの恋する女性に恋をするメニーに、
赤いかつらをかぶって、なりきるハンクに、「私の名前は?」ときかれて

「ローラ・・・ダン。」と答えるメニーに笑った!

最近観た映画にことごとく登場するローラダン。
マリッジストーリーのザ・LA的弁護士、
スターウォーズの紫色の髪が印象的な反乱軍の提督、
そして、ストーリーオブマイライフの母。

ついにここまででてきたか、ローラダン!

そして、地味に女性になりきったハンクが
ローラダンに似ているから笑ってしまう。
(どうやら映画の中に出てくるジュラシックパークに出演していることから、
名前がでたらしい。)

そんなハンクの世界のおかげで、メニーが生きることや
喜びを感じる瞬間を感じ始める。

途中、橋から転落したりもしたが、おならの力でなんとかなり、
2人は故郷の近くにたどり着く。

が、突然熊が現れ、スイスアーミーマンのようなメニーの口から
銃弾がでなくなり、足を噛まれてしまう。
突如、ふたたびおならの力で飛び上がる2人が、
木から転落するハンク。

熊にひきづられ、絶対絶命のハンク。
そこにメニーも木から落ちてくる。

君の排泄物と僕の排泄物が混ざってどこかで会えたら最高という
謎の名、いや迷ゼリフ。

最後は展開が急すぎて、ついていけなくなり、
憧れの女性サラの前に現れるものの、
メニーが死体に戻ってしまったり、
ハンクが逮捕されたりと「え!」と連発せずにはいられない。

でも、仲間ができたり、恋をする瞬間だったり、
人生の中の輝く瞬間が最高の音楽と映像で描かれている場面もあり、
ある意味夏休みには良い映画だと思えた。

MVを撮っていた監督ということだけあり、音楽と映像が美しかった。
それらとは対照的な会話のネタ、ラドクリフのおしり、青白いラドクリフの顔。
シュールだけど、不思議と爽やかさもある。

映画を見て、何をテーマに描かれた作品だとか、
あのシーンはどう意味だったかと考えたりする。
この映画は料理に例えれば、だされた料理はよくわからないけど、
とても味わいのある料理だということはわかる。
でも全てを理解したわけではない。

説明なんていらない。
ただ、映画の中のハンクやメニーのようにこの映画を共有し、
楽しめればそれで良いような気がする。

サントラが最高でシガーロスを思わせる。
この音楽が頭が離れなくなる。

1人ではなく、誰かと一緒に観るのを心からおすすめする映画。

パパパ
パパパ


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