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一番星が考える正しい冷凍まぐろの楽しみ方:食べ方編

10年以上セリ人として冷凍まぐろに携わって来てたどり着いた答え

それは冷凍マグロの味を構成する3要素は

素材40%
解凍方法30%
食べ方30%

今日はその最終回、食べ方の話をしたい。

難しい話ではない。

刺身で食べるか?握りで食べるか?手巻きで食べるか?

だけの話である。

大事なことは、まぐろの種類と食べ方の相性の問題。

え?どうやって食べても生で食べるんだから同じことじゃないの?

感じる味わいが全然違うのである。

例えば私は本まぐろは好きだが、まず刺身では食べない。鮨屋は別として、家で食べる時はほぼ手巻き寿司だ。しかも個人的には林屋海苔店さんの海苔で巻くと最高だと思っている。刺身で食べると本まぐろ特有のクセをダイレクトに感じてしまうからだ。1切れか2切れ食べればご馳走さまである。しかしこれを手巻きに変えた途端に無限スイッチが入る。元々、味そのものは濃厚でパンチが効いているが、独特な酸味とケモノ臭も持ち合わせている。それを酢飯や海苔が上手い具合に中和し昇華させ、味の相乗効果で至極の食べ物に仕上げてくれる。素材の良い本まぐろでの手巻き寿司、口に入れた瞬間ノックアウト。人生で忘れられない味になるだろう。

一方きはだまぐろも好きだが私はこちらを酢飯と合わせることはない。刺身で頂く。味が繊細たるがゆえに酢飯や海苔に負けてしまう。クセがなく上品で香り高い。

私の独断と偏見で導き出した魚種ごとの食べ方との相性は素材編でも触れているが、ここでも簡単にまとめておきたい。

一番星の独断と偏見による魚種ごとのオススメ

・本まぐろ

トロは手巻き

赤身は手巻き、丼、刺身も

・みなみまぐろ

トロも赤身も丼、刺身どちらでもOK

・めばちまぐろ

トロも赤身も刺身

・きはだまぐろ

朝から刺身で(昼でも夜でも笑)


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酢飯と海苔で手巻きにされた本まぐろ(八丈島産)

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鉄火丼にされたみなみまぐろ(ケープタウン沖)

画像3

刺身に盛られためばちまぐろ(ニューヨーク産)

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刺身に盛られたきはだまぐろ(ナミビア沖)

以上のように、まぐろは魚種による食べ方の相性で満足感が全然違ってくる。一般的に本まぐろが一番美味しいと思われているため、刺身でも食べてしまいがちだが、食べ方を間違えると無用の長物と化してしまう。分かりやすく言えば、魚種によって得意とするフィールドが違うのである。イチロー選手は野球をして初めて輝くのであってサッカーをさせるべきではない。もしかしたらサッカーも上手かもしれないが笑。握り寿司にして食べ比べた時に本まぐろが確かに美味しい。しかし、みなみまぐろの方が好きな人もいるだろう。そこは好みが分かれるところであり、正解はない。まぐろは1匹1匹特徴があり、厳密に言えば、まぐろ個体によって最適な食べ方も変わってくる。そう言う意味では刺身で食べた方が美味しい本まぐろも存在する。相性はあくまで傾向を示しているに過ぎない。このブログであげている食べ方は正解のない中で導き出した、完全に私の独断と偏見によるものである。よって皆さんも自分なりの正解を探してみるのもまた楽しみ方の1つと言えるだろう。私のお客様には私の考える最適な食べ方を基に、食べ方に合ったまぐろを提案していきたいと思っている。




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