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マンディアント社のIO(Information Operation)インテリジェンス

近年、デジタル影響工作関係の業務を行っているマンディアント社が、自社のIO(Information Operation)インテリジェンスについての紹介記事をブログに掲載した。

How to Understand and Action Mandiant's Intelligence on Information Operations(2022年10月24日、https://www.mandiant.com/resources/blog/understand-action-intelligence-information-operations)

当社ではこのように行っております、という簡単なサービス紹介だ。
なお、IOと言った場合、Influence Operationを指すこともあるので、このへんの用語は早く整理してほしい。

●IOとはなにか

マンディアント社では、IOインテリジェンスを行っているが、そこに偽情報いわゆるフェイクニュースは含まれない。ロシアなどはさかんに政府自身や政府系メディアあるいは政府外の個人などから偽情報の情報発信を行っているが、それらは対象にしていない。対象にしているのは、ターゲットの情報環境を操作するためのオンライン上の協調的な情報操作だ。MetaのCIBといい、コンテンツではなく行動によって判断するのが現在の主流だ。

IOの目的は下記である。
・⺠間企業あるいは政府機関の評判を落とす
・組織、個人、疎外されたグループに対する危害の助⻑
・⺠主的な選挙に影響を与え、政情不安を悪化させる
・紛争地域における社会力学の不安定化

●マンディアント社の顧客事例

くわしくは紹介しないが、政府機関、民間企業、プラットフォームなどのサービス提供業者の顧客にサービスを行ったことがあるらしい。

●防御のためのサイクル

攻撃者のTTPに進化に合わせて防御を更新するためのサイクルが紹介されている。といってもポンチ絵で、
検知(DETECTION)>分析(ANALYSIS)>公開(EXPOSURE)>影響緩和(MITIGATION)>適応(ADAPTATION)
というサイクルを図解している。詳細までは解説していない。
常にTTPの更新が不可欠である、という説明もあるが、TTPの具体的な内容などは触れていない。くわしくはお問合せください、となっている。

このマンディアント社の営業資料はコンパクトではあるものの、業務範囲の区分や用語の使い方など参考になることがあった。

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