Metaの広告を利用したドッペルゲンガー作戦
2024年3月12日のDFRLab「Doppelganger targets Ukrainian and French audiences via Facebook ads」( https://dfrlab.org/2024/03/12/doppelganger-operation-targets-ukraine/ )によると、ロシアはMetaの広告を利用してウクライナとフランスをターゲットにしたドッペルゲンガー作戦を行っている。
ウクライナに対するドッペルゲンガー作戦は下記でも報告されていた。
ウクライナ国内に対するロシアの情報戦 「In Ukraine, Russia tries to discredit leaders and amplify internal divisions」 #DFRLab_U2nd
https://note.com/ichi_twnovel/n/n689b35630899
●概要
ドッペルゲンガー作戦は2022年9月にMetaとEU DisinfoLab によって初めて暴露された。大手サイト(ニュースメディアなど)に偽装したサイトに偽の情報を掲載する手口だ。今回は、ウクライナの報道機関やフランスの報道機関を偽装したサイトが使われた。また、アクセス元のIPによって表示する内容を変えていた。
今回のドッペルゲンガー作戦はMetaに広告を掲載し、そこからサイトへ誘導するものだった。
広告はウクライナ、EU、アメリカあるいはイスラエルを揶揄する画像を用いており、約500の広告のうち、443がフランス語、75がドイツ語、38がウクライナ語、12が英語だった。
2023年7月の時点で、ウクライナの反攻を誹謗中傷しようとするナラティブで、ヨーロッパをターゲットにした広告があった。広告の数は2023年冬に増加し、11月には188件、12月には96 件、1月には130件となっている。10月には19の広告がイスラエルとガザに言及したように注目を集めやすい話題を選んでいた。
また、ウクライナ支援の発表や、事件とタイミングを合わせて調整されている可能性が高い。たとえば、2023年11月、フランスが32億ドルの新たな軍事援助を発表すると、フランスの政治に関する広告が出現した。2023年11月、ドイツが軍事援助のコミットメントの倍増を発表した後には、ドイツの広告が出稿された。また、ヨーロッパの農民の抗議活動もターゲットとなっていた。「農民」という言葉はという言葉は実際に抗議活動が始まる前から登場していた。
そういえば農民の抗議活動って大騒ぎになった。
ドイツ極右、移民200万人を北アフリカに強制移住させる計画が暴露される
https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2024/02/post-54.php
●感想
ここではメモという性格上、個別に気になる情報をメモしているが、ほとんどの場合、それぞれが独立したものではない。今回取り上げたドッペルゲンガー作戦を理解するためには、ロシアが行っていることの全体像がわかっていないと正しい理解は難しい。単独での目的や成果を考えることはあまり意味がないことが多いのだ(そもそも的外れになりがちだし)。
とりあえず下記を読むと見え方が違ってくるような気がする。
ウクライナ侵攻から2年 ISDによるロシア情報戦の分析
https://note.com/ichi_twnovel/n/n3f437b15d5f1
米国インテリジェンス・コミュニティの評価の変化からわかる新しい認知戦のトレンド
https://note.com/ichi_twnovel/n/n30ab8574915c
DFRLabウクライナ侵攻2年目の総括の感想 #DFRLab_U2nd
https://note.com/ichi_twnovel/n/n4605b841d507
なのでどこかでロシアの対ヨーロッパ作戦の全貌を整理した方がいいのだろう、と思いながら時間がないので、どこかの機関がやってくれるのを待っている。
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