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本田賢広「1on1ミーティングの極意」

・本書は、2012年にエグゼクティブコーチ、プロ講師として独立後、1on1ミーティング研修で、延べ15,000人以上のマネジャーに実施している国際コーチング連盟マスター認定コーチ(MCC)の著者が、1on1を実践すると、うまくいかない方々のために、著者のもとに寄せられた悩みについて、本質的な要因を紐解き、具体的な解決策をQ&Aで記した1on1ミーティングの指南書。

・1on1ミーティングとは、上司とメンバーが1対1で行う対話である。
・対話をすることで、メンバーとの信頼関係を深め、生き生き活躍することや、ありたい姿へ成長することを支援する。
・1on1ミーティングはやり方が分かればすぐに効果が上がるようなものではなく、上司の考え方(あり方)を含めた「体得スキル」であり、ある程度の継続実施によって少しずつ効果が実感できるようになるものだといえる。
・この「体得スキル」は、自転車に乗れるようになるようなものである。
・練習したりアドバイスを得たりしながら、だんたんコツを掴んで、いつか無意識に乗れるようになるものなのだ。
・1on1ミーティングの体得にも、基本的には同様のプロセスが必要だということになる。
・しかし逆に言えば、やり続ければ遅かれ早かれ誰しもできるようになるのだ。
※1on1ミーティングを実施する目的と効果、極意の詳細は本書をお読みください。

1on1ミーティングのQ&A(一部)
Q:日頃からメンバーとのコミュニケーションは取れています。1on1ミーティングをやる必要があるのですか?
A:真に心理的安全性が醸成されているかなど、1on1ミーティングの本来の「目的」が果たせているかどうかで判断されることをお勧めします。
・日頃からコミュニケーションが取れていることは、とても素晴らしいと思う一方、コミュニケーションをとることは1on1ミーティングの手段であって、目的ではない。したがって、1on1ミーティングをやる必要があるかどうかは、その本来の目的が果たせているか否かによるのではないかと著者は語る。
・例えば、普段からメンバーと雑談しているし、穏やかで波風も立たず仲良くやれているという職場でも、いざストレスチェックをやってみると、必ずしも「良い状態」とは出ないことがある。
・こうなる理由は、多くの場合「心理的安全性」が不十分であることが考えられる。
・一見すると波風が立っていなくても、「当たり障りのない話はできるけれど、上司が不機嫌になりそうで本音は言えない」といった無言の圧があり、メンバーが表面上だけにこやかに応じている環境は、心理的安全性があるとは決して言えない。
・コミュニケーションを取るだけでなく、メンバーが本当はどう感じているのか、また上司自身も相手の人格を尊重しつつ、メンバーに伝えたいことを率直に言えているかどうかについて、関心を持つことが大切。
・メンバーが異論と含めて本音を話せ、自身の意欲・能力を存分に発揮しやすいと感じているかどうかで、1on1を導入する必要があるかを判断されてみてはどうかと著者は語っている。

・本書では、「1on1ミーティングの3つのフェーズ」という序章から始まり、「1on1ミーティングの必要性や運営についての疑問」「メンバーが本音で話せるために〜第1フェーズ」「メンバーが内発的に動機づけられるた」に〜第2フェーズ」「メンバーが「ありたい」姿に気づくために〜第3フェーズ」「1on1ミーティングと上司の成長」という章で構成されており、「1on1ミーティングを受け入れてくれないメンバーがいて、困っています。」「1on1ミーティングの始め方、進め方、終わらせ方がわかりません。」「メンバーがなかなか本音を話してくれません。どうすればよいでしょうか?」など、22の質問の回答(実践例を踏まえた具体的な解決策)を通じて、1on1ミーティングの極意が紹介された内容となっている。

・本書で書かれているものは、即効性というより漢方薬のようにじわじわ根本から快方に向かうものであることをご理解の上、ご一読いただけたら幸いです。

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