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宇野重規「知識ゼロからわかる!そもそも民主主義ってなんですか?」

・本書は、日本を代表する政治学者である著者が、「民主主義」の詳細(概要・歴史・実践など)についてイラスト等を通じてわかりやすく解説した1冊。

・民主主義とは、「自分たちの問題を自分たちで解決しようとすること」と著者は答える。つまり、普通の人々が力をもち、その声が政治に反映されること、あるいはそのための具体的な制度や実践を指すものが民主主義である。

・民主主義は今日までさまざまな試行錯誤をしながら発展してきたが、まだまだ現代的なバージョンアップが求められている。
・現代の問題点は、自分たちの声が届かない、無視されていると多くの人が感じていること。いまの仕組みは、さまざまな問題を「自分たちの力」で解決しようとする民主主義の最大のメリットが生かされていないのだ。
・民主主義を進化(バージョンアップ)するためには、一人ひとりが改めて「民主主義とは何か」を考えることが必要なのだ。

・民主主義の根幹は、自分が参加して意見をいって、みんなで決めることにある。
・何かを決めるときに、その決定プロセスは、透明性の高いものでなければならない。
・知らないところで誰かが勝手に決めた結果だけを知らされるのではなく、みんなが見えるところでさまざまな人が声をあげて、ものを決める。それこそが政治といえるのだ。この信念は、いまの時代に改めて問い直す必要があるのではないかと著者は語っている。
・政治において何か決まったかが重要であることはもちろんだが、それに劣らず、決めるプロセスそのものも大切。自分たちの意見が通るとは限らないけれど、少なくともどういう議論をして、どう決めたのか。これが誰の目にも見えるものでなければならないのだ。
※この考え方は、2500年前の古代ギリシアで徹底されたものであるが、そのルーツについては、本書をご覧ください。

・本書では、「いま、いろいろ大変だぞ民主主義」「私たちの暮らしにつながっているぞ、民主主義」「先人たちが作ってきたぞ、民主主義《世界編・日本編》」「いまから、あなたにできること」という章で構成されており、「民主主義は「選挙」だけのことじゃない」「多数決で決めることは、本当に民主主義といえる?」「世界のあちこちで実践された「話し合い」」「民主主義のバージョンアップのために必要な3つのこと」といった、民主主義の歴史、現代の世界の危機、民主主義を知るためのカギ(民主主義のルーツなど)などが紹介されており、今の世の中を変えるために私たちが目指すことは何かについて考える内容となっている。

「民主主義とは何か」を知りたい、「世の中を良い方向に変えていくにはどうしていけばいいか」を考えたい方はぜひ手に取ってみてください。

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