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谷口忠大「賀茂川コミュニケーション塾 ビブリオバトルから人工知能まで」

・本書は、人工知能とロボティクス、人間のコミュニケーションへとつながる研究者であると同時に、パナソニック客員総括主幹技師としてAI研究に携わる著者が、京都の賀茂川のほとりにある喫茶店エトランゼという架空の舞台で、近くの高校女子高生たちが訪れ、学校での悩みから人工知能の未来など、コミュニケーションについてのあらゆる質問に大学の「教授」が答えるライトノベル形式のコミュニケーションの入門書。

・好奇心旺盛な主人公の高校2年生の小沢マドカ(以下、マドカ)は、親戚の一ノ瀬綾乃(以下、綾乃)が経営する喫茶店エトランゼで綾乃の大学時代のサークルの先輩である「教授」に出会い、ビブリオバトル、人工知能など、コミュニケーションについてのいろいろ語り合うようになる。

コミュニケーションの定義について
・大辞林におけるコミュニケーションの定義は、「人間が互いに意思・感情・思考を
・伝達し合うこと。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などの手段によって行う。」と記載されている。
・ケンブリッジ辞書では、「《The act of communicating with people.》ー人々とコミュニケートするための行動」である。
また、名詞形であるcommunicateは、話したり、書いたり、体を動かしたり、他の信号を使って、他者と情報共有すること」である。
・私たちは日常生活でコミュニケーションを当然、意味ある情報をやり取りするものだと思っている。つまり、情報技術における通信では、信号やデータのやりとりのみを扱い、そこから読み取られる意味や意図などといったものには立ち入らないと、情報理論の生みの親であるシャノンはその学問の原点において宣言したのだ。
・そして、それゆえに、その範囲において、情報通信技術は圧倒的な進化を遂げてきた。しかし同時に、私たちの素朴な疑問である「コミュニケーションとは何か?」という意味や意図の伝達を含めた部分の疑問にそっと蓋をするという副作用をもたらし続けてきたのだ。これが二十世紀半ばから今に至る私たちの情報社会に、そっと潜り込まされた大きなトリックなのである。
※↑に対するマドカのリアクションならびにその後の展開がどうなったかについては、本書をお読みください。

・本書では、「コミュニケーションってなんですか?」「ビブリオバトルっておもしろい?」「コミュニケーション場のメカニズムでかわれます?」「人工知能とコミュニケーションはできますか?」「意味って結局何なんですか?」「言葉がなくてもつながれますか?」「エピローグー賀茂川のほとりで会おうと君は言った」という章で構成されており、コミュニケーションをテーマに、高校生たちと大学教員が対話し合うラノベ形式のコミュニケーション本となっている。
※アタマ痛くなるほど難しいことが満載ですが、何度も咀嚼してゆっくりじっくり読むことをオススメします(汗)

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