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沢渡あまね「新時代を生き抜く越境思考」

・本書は、ワークスタイル&組織開発専門家で作家である著者が、「価値観の揺らぎ」によっね起こる「越境学習(気づき・発見・学びなど)」の必要性とこれからの働き方について紹介した1冊。

・越境=普段とは違う環境で行動すること。それまての同質性の高い組織と違い、いわゆる阿吽の呼吸は通じないので、大きな心的ストレスがかかることもある。所属組織、立場、雇用形態、カルチャーなど、行動する空間や時間が異なる人たちと、同じゴールに向かって仕事をして成果を出すためには、これらのスキルやマインドが求められる。越境体験は、多様性に触れる体験であるので、これらが培われる部分が大きい。

・越境をすることのメリットとは、
①社員のエンゲージメント維持・向上
②人材育成
③組織のアップデート
④エンプロイアビリティの向上(特殊性、ガラパゴス性の排除)
⑤(中小企業やスタートアップにとって)人材不足の解消
⑥(中小企業やスタートアップにとって)大企業とのコラボ促進、リレーション構築
⑦(大企業にとって)最前線でのビジネス経験、新規ビジネス立ち上げ経験の獲得
⑧(大企業にとって)中小企業やスタートアップとのコラボ促進、リレーション構築
がある。
※詳細については本書をご覧ください。

・越境をすることで身につくのは、経済産業省が提唱している「社会人基礎力」(3つの能力と12の能力要素)であり、これは、
①前に踏み出す力(アクション)
②考え抜く力(シンキング)
③チームで働く力(チームワーク)
というものである。
※12の能力については本書をご覧ください。

・このように、越境は、社会や組織の問題・課題の解決、新たな価値創造、人材の育成など、さまざまなポジティブな成果や変化をもたらすが、越境に向いている人と向いていない人がいるのも事実。越境に向かない人とは、
⒈内と外で明確に線を引く人
⒉上から目線な人
⒊他者(社)を業者扱いする人
⒋一方的な要求をする人
⒌受け身すぎる人、ネガティブ思考すぎる人
であり、逆に、越境に向いている人とは、
①越境を武器にトランスフォーメーションやイノベーションを牽引できる人
②性格的に越境が向いている人
である。

・現代社会は、「過去に答えがない時代」あるいは「組織の中に答えを求めにくい時代」「その組織単独で勝てない時代」であり、過去の成功パターンは通用しにくい。こんな時代には、外とつながって解決できる能力、すなわち越境スキルが求められる。これは、企業組織の事業継続のため、そして新たな価値創造のために必要である。越境できるスキルや経験を持った人材になることは、私たち1人1人のキャリア戦略であり、生き残り戦略にもほかならない。

・本書では、「越境がいま、必要な理由とメリット、アプローチについて」「組織の壁を越える複業、パラレルキャリアのメリット」「性別、年齢、障がい、国籍などの属性など個を尊重し、認め合い、良いところを活かすマネジメントを「ダイバーシティ推進」について」「働く景色を変えて価値観の揺らぎを起こすワーケーション」「地方都市の壁を越える方法」「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるDXについて」「越境を変革の武器にする越境の仕掛け方」などが紹介された内容となっている。

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