見出し画像

【PR】蔵本貴文「役に立ち、美しい はじめての虚数」

・本書は、微積分や三角関数、複素数などを駆使して、半導体素子の特性を数式で表現するモデリングという業務を専門に行う一方、現役エンジニアのライターとして、サイエンス・テクノロジーを中心とした書籍の執筆(自著)、ビジネス書や実用書のブックライティング(書籍の執筆協力)などの活動をしている著者が、実は秘められた力を持ち、学ぶことで数学全体に対する理解を深めることができる「虚数」について解説した1冊。

・「虚数」は、「数学における塩のようなもの」だと著者は考えている。なぜなら、ほとんどの料理で塩を使うように、数学の多くの分野で虚数が使われているからだ。
・逆に虚数を学ぶことで、数学の多くの分野を学べるメリットがある。
・虚数は自然数→整数→有理数→実数と進んできた数の拡張の先にある。
・ここでいう拡張とは、1、2、3……、といった自然数から、負の数、分数と、どんどん広い概念に広がっていったということである。
・なので、「数って何?」という疑問を持った時、虚数を学ぶことで、数の拡張の感覚を身につけることができるだろうと著者は語る。
・また、虚数は平面とも強く結びついているので、虚数を学ぶことで、図形の性質や図形を数式で表すことについても理解を深めることができる。
・さらに、方程式の解を平面を使って表わすことができるようにもなる。図形の変換など、座標と行列でやっていたことが、虚数を使ってどのように表現されるか、そんなところに注目すると数学の世界が広がって見えると著者は考える。
※虚数は数学だけでなく、物理や工学への理解も深めてくれるが、その理由については、本書をお読みください。

・虚数はさまざまな場面で役に立っている。実は電気は虚数がないと使えないのだ。
・身の回りのあらゆるところで使われている電気だが、実は電気には
①直流(乾電池やバッテリー)
②交流(家のコンセントからの電気)
という2種類のタイプがある。
・直流はプラスとマイナスが一定だが、交流はそれらが波のように変化するものなので、虚数の波を表わせる性質を使ってうまく扱うことができる。
・オームの法則を使った直流の電気回路の解析は、比較的簡単だが、交流になると、電圧が変動するため、話が一気に複雑になってくる。
・交流の回路を考える場合、虚数を使って解析すること。虚数を使わない場合、電圧と電流の関係、位相(1周期の中のどこにいるか?)の関係を2つの式で表さなくてはいけないが、複素数(虚数)を使うとその2つの先に入れ込んで表現できる。
・数式の表記の簡潔さが、交流を表わすのに虚数が使われる意味であり、微分と簡単になるのだ。
※スマホと虚数の関係、量子力学における虚数の役割など、世の中と虚数の関わりの詳細については、本書をお読みください。

・本書は、「なぜ存在しないはずの虚数が役に立つのか?」「虚数は何の役に立っているのか?」「虚数を学ぶための基礎」「虚数で波を表わせる」「虚数は次元違う数」「虚数の美しさとは何だろう」「複素関数の世界」という章で構成されており、
◇虚数を学べば数学や物理の全体像がわかる
◇複素数の基礎
◇車の姿勢を制御する2つの要素
◇複素数は◯◯な数
◇複素関数は◯◯と考える
など、「波・次元・美」という観点から、虚数の構造と意味について語られた内容となっている。

・「虚数」と聞くと、一見難しいイメージがあるが、前半はなるべく数学の知識がなくても読めるようにしている。
後半は数式を含んだ難度が高い項目だが、多少引っかかるところがあっても、一か所に留まらず、どんどん読み進めていった方がよいとのこと。

意外と知られていない「虚数」の魅力について知りたい方はご一読ください。


#瞬読アウトプット #1分書評 #ベレ出版 #虚数 #数学 #波 #次元 #数式  #PR


https://amzn.to/3SJpXWc

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?