見出し画像

安田まゆみ「そろそろ親とお金の話をしてください」

・本書は、ファイナンシャルプランナーとして活動しており、「お金の貯め方」から定年後のマナープラン、老後の財産管理など幅広い相談に対応し、これまで7000件以上の相談件数、1000回を超える全国各地での講演を経験している著者が、「親のお金」や親の介護、相続トラブルなどの対策(やり方)について知ってもらうために書いた1冊。

・高齢者の誰もがオレオレ詐欺や点検商法(「無料で点検する」と言いながら、実際にはない高額な商品を買わせる悪徳商法)といった特殊詐欺の被害に遭う可能性がある。一般的には「詐欺の被害に遭うのは認知症の人」というイメージが強いが、警察庁発表のデータでは、認知力があり、なおかつ「どちらかといえば」含め「自分は被害に遭わないと思っていた」という人が95%もいた。

・親に多額の資産があれば、高額の医療費も介護費用と賄えるかというと、そうとも限らない。認知症、あるいは事故や病気で認知機能が失われた場合、「預貯金からの出金」「不動産の売却」「相続手続きへの参加」「遺言を書くこと(書いたとしても無効になる)」などができなくなる。つまり、親がいくらお金を持っていても、判断する能力がなくなってしまったら、本人も子供も自由に使うことができない。なので、子どもは自分の預貯金を崩して親の医療費や介護費用にあてるしかないのだ。

・判断能力がなくなってしまった親の財産を使えるようにするには、「成年後見制度」(認知症などによって、判断能力が不十分な人に代わって、財産管理や身上監護(身の回りの契約行為や諸手続き。行うこと)を目的とした制度)を活用するしかない。親のため、そして自分のためにも、親が元気な今のうちに親子でお金の話をしてほしいのが著者の思いである。

・親が元気なうちにやっておきたいことに、
①親とのコミュニケーションを図る
②親の気持ち(言葉の背景にある気持ち)を知る
③親の健康状態を知る
④親の経済状況を把握する
⑤親が要介護になった時にどうするのかを家族で話し合う
など合計10項目が紹介されている。
※残りの5項目は本書をお読みください。

・本書では、『「親のお金」のまわりは危険がいっぱい!」(シニアマネーを狙う犯罪・認知症になるとお金が自由に使えない理由など)、「聞きづらい「お金の話」の進め方」(親の老いをどう理解するか・親の「気持ち・健康状態・お金」の把握など)、『親子で書く「エンディングノート」』(エンディングノートの役割・書き方など)、『「親のお金」を守る制度の活用法』(親が要介護になる前にやっておきたいことなど)、「絶対避けたい「相続トラブル」の防ぎ方」(「相続放棄」をする時の注意点など)といった章で構成されており、誰もが避けられない親とお金にまつわるお話や、いろいろなケース(事例)が紹介された内容となっている。

老若男女問わず、読んで損はない書籍ですので、ご興味ある方はぜひご一読ください。

#瞬読アウトプット  #1分書評 #ポプラ新書 #家族 #親 #お金

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?