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牛窪恵「恋愛結婚の終焉」

・本書は、マーケティングライターであり、世代・トレンド評論家の牛窪恵氏が、現代の未婚化・少子化の死角について突き、「結婚に恋愛は必要ない」とする新たな「共創結婚」の重要性を多方面から検証し、著者が科学的、行動経済学的に理に適った概念を打ち出した1冊。

・2014年に政府(内閣府)が、若者の「恋愛離れ」に関する調査結果を公表した。
・当時20〜30代未婚で恋人がいない男女の約4割(37.6%)が「恋人が欲しくない」と答え、欲しくない理由の約半数(46.2%)に「恋愛が面倒」が挙がった。また、「恋愛に興味がない」も、このとき既に、約3割(28.0%)にのぼっていた。
・このような社会的に「未婚化」や「少子化」への懸念が高まる中、著者の脳裏には「必ずしも「恋愛離れ=結婚離れ」とは言い切れない。「結婚には恋愛が必要だ」との概念を捨てて、「結婚と恋愛は別だ」と割り切れば、むしろ未婚化の状況を好転させられるのではないか」という思いが浮かんだそう。
・著者がそう思う理由は、「恋愛が面倒」とする半面、結婚については「いつか結婚したい」と希望する若者が、いまも大半を占めるからである。
・2021年のある調査でも、18〜34歳の男女の8割以上が、「いずれ結婚するつもり」だと考えており、たとえ恋愛が「
面倒」であっても、結婚にはまだなんらかの魅力を感じていると言える。
・そうだとすれば、最初から恋愛と結婚を切り離し、「結婚に恋愛は要らない」と割り切れば、「恋愛しなければ、結婚はできない」と焦る若者たちのストレスを、少なからず軽減できるはず。同時に、「恋愛は面倒だけれど、結婚はしたい」とする若い世代の一定のニーズにも、十分応えられると著者は考える。

・本書は、『なぜ「恋愛」「結婚」しないのか』「ロマンティック・ラブ幻想史」「恋愛常識の落とし穴」「恋愛結婚とコスト」「経済格差と社会通年の壁」という章で構成されており、
◇未婚率が上昇した2つの大きな理由
◇恋愛は個人競技
◇増加する「恋人ナシ」
◇パートナー選びに重要なこと
◇自由恋愛のリスク
◇人はなぜ恋に落ちるのか
◇「共創結婚」に向けた著者の24の提言
など、「社会学」「歴史学」「科学(脳科学、進化人類学)」「行動経済学」をテーマに、恋愛と結婚の本質、恋愛結婚の妥当性、あるいは新時代の結婚の概念やその可能性などについて、各方面のインタビューや論文、各種データ、参考文献から見た内容となっている。

本書を読んで感じたことは、「そりゃ昔に比べて今は結婚のハードルも上がるよね」でした。
あとは、結婚するために個人レベルで頑張れるところは自分たちでなんとかするのはもちろんだけど、こういったものは周囲や国がバックアップできることは全面的にやっておいたほうがよいと、著者の最後の著者の提言を読んで思いました。

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