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3日目 味の渋滞した茄子キャベツ炒めと、食事の価値観について


本日の献立

【朝】
米、だし巻き玉子、長芋と蓮根の炒め物、キャベツと厚揚げの味噌汁
【夜】
米、茄子とキャベツの味噌炒め、キャベツとベーコンのコンソメスープ、鶏つくねハンバーグ、人参グラッセ、オクラの煮浸し


朝:キャベツが多い(SOS)

また朝が来る。今日は5時起床。
昨夜炊飯予約をし忘れたので、早起きして米を炊く。
うちは夫の希望で白米と玄米を半分半分にして炊くのだが、もうそろそろ玄米のほうが底を突きそうだ。

それにしても5時は眠すぎる。
ほんの1ヶ月前まで私は夜勤族で、朝5時はベッドに入る時刻だったのだ。
ものすごく体に負担がかかっている感じがある。


今朝の味噌汁はキャベツと厚揚げ。
キャベツ半玉を昨日から無理やり消費中だ。
夫は毎食キャベツのオンパレードで飽き飽きしているだろうか。
極力私が昼ご飯に草食動物のごとく貪り食って量を減らそう。

そしておかずは玉子焼き。
溶いた卵2個にめんつゆを入れ、生地を心持ちふんわりさせるためマヨネーズを絞って混ぜる。
早起きしたおかげでいつもより時間に余裕があるので、じっくり弱火でとろとろに焼き上げる。
なかなか固まらない卵液を見下ろし、時々ムカついて「エイヤッ」と強火に切り替えフライパンの底を炙ったりもする。

こうしてできあがった米、味噌汁、卵焼きに、おととい作り置きしておいた蓮根と長芋の炒め物を添え、いかにも「朝から頑張った」感を出す。


夜:キャベツが多い!!!(超SOS)

そして夜。
日中は役所で用事を済ませたり、前職場とのやり取りをしたりと慌ただしかったので、HPはすでに0。仮眠を1時間とって10に回復。
今日の目標は、疲れているので省エネ、かつキャベツ消費、あと冷蔵庫にずっと棲み着いている鮮度のあやっしい野菜たちをどうにかする。これをもとに献立を考える。


  1. 茄子とキャベツの味噌炒め:フィーリングで切り刻んだ茄子とキャベツ、冷凍庫のしめじをテキトウに炒める

  2. キャベツとベーコンのコンソメスープ:瓶に入った顆粒コンソメって、どうしていつも狙った量が出てきてくれないのかね。ドカっと大量投入してしまい、「マルちゃんやきそば弁当」についてくる粉末スープ並みの濃さに仕上がる(道民にはこの濃さ伝わるか)

  3. 鶏つくねハンバーグ:鶏むねミンチとみじん切りしたネギ、卵に味噌、片栗粉をボウルに入れて手でもみくちゃあ〜…にして焼く。タネも手もカオス

  4. 参のグラッセ:バターと砂糖を溶かしたお湯に輪切り人参をぶち込み、煮る。残り汁が発生してしまい、「バターもったいねえ…飲みてえ」と思いながら泣く泣くシンクに流す

  5. オクラの煮浸し:暇な時に作り置きしといたやつ。オクラを茹でて、生姜ペーストを溶かしためんつゆに沈ませておいたもの


茄子とキャベツの炒め物は、料理本を見ながら作った。
失敗するはずがない。のに、しっかり失敗。
さてどうしてでしょう。

敗因はただ一つ。調味料をごちゃごちゃさせすぎた。
レシピには「酒、みりん、味噌」と書いてある。
料理酒を回し入れ、続いてみりん。
そして味噌を入れるとき私が手に取ったのは、普通の味噌汁に使う立方体パックに入ったものではなかった。

元々甘みのついた、市販の料理用味噌だれチューブだ。

スーパーで売っている味噌だれはそれ単体で味が完成している(と思われる)。
私が手に取った味噌だれは最初から甘みもついているので、先にみりんで味付けしていては甘みが渋滞するのだ…

かくして、なんか異様に甘くてメリハリのない味の炒め物が爆誕。
そのほかに作った鶏つくねや人参グラッセも微妙に味が薄く、コンソメスープのキャベツはなんとなく古い味がして、今日の夕飯は頑張った割に残念な結果に終わった。

こんな日もある。毎日うまくいくわけない。練習あるのみ。……

そーーんなポジティブに考えられんのじゃーーー!!!!!


料理をすること=良いこと?

日々料理日記を書いていて「料理楽しんでる人」風になっているが、私は料理がむっっちゃくちゃ嫌いだ。
「なんでこんなことせんといかんのや」とシンクの前で号泣することもある。

「料理をすることは良いことだ」という価値観を押し付けてくる世の中にはうんざりする。
もう時代なんだから、得意な人が職業的に料理をして一般人は日々購入するだけってのが主流になってほしい。

私の母は全く料理をしなかった。毎日米だけ炊いてくれた。
学生の頃の私は白米を食べて学校に行き、帰って白米と冷食をチンして食べて寝た。
会社員時代は手取りが年齢の割に高く、料理なんて全くせず毎日既製品を買ってもお金には不自由しなかった。

こんなふうに料理というものが身近でない環境で生きてきて、料理をしなくても問題ない人生だったのに、「料理をしない女」である私に対する世間の風当たりはいつも厳しかった。
友達にも彼氏にも料理ができないことで馬鹿にされたり嫌味を言われたりしてきた。

「栄養バランスの取れた食事は心身を整える」という考え方の夫を前にするときも、しんどい。
世の中の大多数の価値観を持った人間の無言の圧力は凶器にもなる。
健康的な食事を作ることと引き換えに、日々心が蝕まれ不健康でメン不になる人間もいる。
毎日二食三食「ちゃんとした」ご飯を食べないといけなくなって、体重は増えるしお腹は壊すし、私の胃腸はびっくりしている。


高瀬隼子さん「おいしいごはんが食べられますように」を思い出す。
二谷のように、食事にわざわざ労力をかけるのは無駄だという価値観を持つ人もいる。

「料理がしんどいなら時短テクを使えばいい」
「そんなに難しく考えなくていい、料理はもっと簡単で自由でいい」
「作り置きしてずっと同じおかずをローテーションしてもいいんだから」
これらにも納得がいかない。
私はそもそも「食事に思考のキャパを米1粒分さえ明け渡したくない」人種なのだから。

今の私は、収入を夫に頼り家にいるので、夫のために毎日料理を続けなくてはならないだろう。
いつか、いつの日か、勉強して夢を叶えて自分でフリーとして稼げるようになって、稼ぎが夫を上回ったら政権交代したい。
そんな夢のまた夢のような構想を練りながら、今日もキッチンに向かう。

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