センター試験って何?

私は大学に行きたいという気持ちはあったけれど、周りに大卒の人は学校の先生以外おらず、まあ高校に進んだら大学に進むんだろうな、というぐらいのイメージでいた。

高校入学直後も、センター試験という言葉は聞いたことがあったのだけど、いったいどんな形式の試験なのか、何科目やるのか、全く知らなかった。マークシートだとも知らず、その後それぞれの大学の試験があるとか、国立なら同じ日だとか知らなかった。

そんなわけで、入学すぐの進路希望調査に詰まる。
志望大学と言われても、そもそも、大学を調べたことがなかった。

とりあえず、宮城県で有名なのは東北大学である。
文学部もいいな、と思っていたが、文学部のある大学はごまんとあった。どうしよ。

多くの人は少なくとも、第一志望くらいはありそうだった。大方東北大学だったが。

私は、東北大学に行きたいというモチベーションもなかった。

聞いたことのある大学名と言ったら、東大京大、東北大、早稲田に慶応と、Qさま!で映ってたかなというものしか知らず。

MARCHとか関関同立は初めて知り、早慶は私立だとも初めて知った。

学歴ギャップ。この一言に尽きる。
文化的資本、という言葉があるのだが、それにも近い。
周りにその環境があるかないか。

大学受験と言ったら人生の一大事。本当は中学から高校の内容を先取りしておいたほうが良かったんだろう。
せめて高校入学前の春休みの課題はしっかりやって、中学の復習をして固めておくとか。

しかし私は、高校入学前も危機感はなく、これ幸い休みだと海外ドラマを見ていた。しかも週に六本くらい。いやあ、楽しかった。

が、そんなことをしていれば当然出遅れる。

それに、ガラの悪い中学から来たもんで、授業中の静けさにビビる。
皆が先生の話を聞いていて、先生の声以外しない。
(普通なら当たり前の光景である。)

しかーし私の中学は、1時間の授業中、私語がおさまるということがなかった。だから常にガヤガヤしている。
基本うるさいし、先生話を聞いていないので、私が咳払いしてもくしゃみをしても、かき消されていたと思う。
たまに先生がキレて一瞬静かになる、しかしその時間のうちにまたガヤガヤしだす。
高校受験前の一時期を除いて、そんな調子だった記憶しかない。

高校は違った。みな真剣だから、咳払いすら響く。
なんだかそれだけで居心地が悪かった。そのうち慣れたが。

浪人についても、高校に入ってからなんのことなのか知った。
なるほど、サザエさんちのお隣の伊佐坂さんちの息子さんは、浪人生だったらしい。
頭にはちまきまいて勉強するのは見ていたが、高校生、つまり現役ではなかったのかと初めて意味を知る。そりゃ夜なべの差し入れもするわけだ。

と、こんな調子で始まった高校生活。
どうにか志望大学には受かることができたが、いやいや、スタートダッシュをもう少しどうにかできなかったのかとも思う。
だか、知らないことは知らないし、私も良い大学に行きたいというモチベーションはなかった。
行きたい大学が見つかったらそこに行きたいとは思っていたが。ネームバリューは求めていなかった。

自分でも、まあまあ世間ずれしていたなと振り返って思う。
将来展望が浅すぎる十代であった。

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