ウィーンのお土産話2(カフェでのいい思い出の作り方)
親友と2人で行った卒業旅行ウィーンの旅。
すでに沖縄や温泉など色んなところに行っていたわたしたちはとにかくお金がありませんでした。(なのになぜウィーンをチョイスしたのは謎。)
とにかくケチケチな旅で、
旅行中の食事は
朝のモーニングで後から来た男性よりも長く居座るくらいの爆食いをする以外は
全部スープでした!!!
ちなみにウィーンのスープはほぼパンが付いてくるんです。(ドイツ語が読めない私たちはそのスープをグーイッシュスープと呼んでいました。本当はなんて読むのか今でも謎です。)
いつものようにランチという名のスープを食べようとカフェへ入りました。
大衆向けという感じのワイワイした、内装がかわいい店内のカフェで、ラケルの制服のようにフリフリでかわいい恰好をしたマダムな店員さんがアテンドしてくれました。
おいしいお水も注いでくれるし、もちろんあのおいしいグーイッシュスープも運んで来てくれました。目があうたびににっこり。
にっこり笑顔でパンもサーブしてくれて、『なんて落ち着くのだろう。素敵なカフェだな。素敵な店員さんだな。なんだか友だちの家で友だちのお母さんがごはんをたくさん作ってくれて、いっぱい食べてねとやさしく言ってくれてるみたい。』とほっとする優しい気持ちになりました。
お腹も心を満たされて、いざお会計をして店を出ようとしました。
マダムにお金を渡し、お釣りをくださいと言いました。すると、マダムはこれでいいのよと言います。(ドイツ語は分からないのですが、友達が英語で話してくれました。)
ウィーンはチップの文化があるのでお釣りをマダムに渡すのは普通のことです。
ですが、本当にお金がない私たちはお釣り下さいと食い下がります。(正しくは友だちだけが英語で訴えました。)他のなんとか友だちの説得でお釣りを返してもらってきました。
ちょっと嫌な顔をされましたが、しぶしぶマダムはその場を立ち去りお会計に行きました。
よかった!お釣りもらえるんだと安心したのも束の間、お釣りを持ってきたマダムはそのコインを机の上には叩きつけたのです。
わたしと友だちは目を見開き、びっくりした表情でマダムを見ると、さっきまでの笑顔はどこへやら。怖い顔をしながら早く出て行けと言わんばかりに物凄い速さでテーブルの片付けをし始めました。
私たちはびっくりして何も出来ずにいました。
しかし、マダムに早く出てと言われたのをドイツ語にも関わらず理解し、
急いでコートを着て、机の上に散らばったお釣りをしっかりと掻き集めて逃げるようにお店を出ました。
お店を追い出されたのは人生ではじめての経験でした。とにかくマダムが怖くて半ば早歩きで狭い店内から外へ出ました。
今はチップの文化を心得ているので、マダムには悪い気がしますが、当時はチップひとつで人間の態度があんなに変わってしまうことに驚きました。
チップさえあれば、あのままマダムのことを優しいウエイトレスさんとして思い出にすることができたのにと思うと、
チップは店や店員側の為だけあるものではなく、渡すこちら側の美しいメモリーにも関わっているのだなと思いました。
次ウィーンへ行ったら、今度はスープではなく名物の大きなカツレツを食べて、
マダムに渡せなかった分もチップをちゃんと置いて出て行きたいです。そしてゆったりとお店を後にして優雅に歩きたいと思います。
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