「期待」が心を蝕む
なにかが辛かったり、失望したり、絶望したりするとき、そこには必ず「期待」がある。
努力が報われないことが辛いのは、努力した分だけ実力がつくことを期待しているからだし、人生がどうしようもなくつまらなく思えるなら、人生はもっと楽しいものだという期待があるからだ。
もし誰かに腹が立つなら、その人にもっと他の振る舞いを期待しているからだし、仕事が辛いなら、仕事になにか大きなやりがいや、天職のようなものを期待しているからだ。
現代はインターネットを通して、様々なライフスタイルや、仕事の情報が目に飛び込んでくる。
それは、他人から見たらとても輝かしく見える。
なぜなら、インターネットで自分の生活を発信している人は、見てもらうために都合のいい部分だけを切り取っているからだ。
楽しそうに見えるのは、苦悩が見えないから
そういう一見キラキラした生活をしているように見える人でも、実はひとりで孤独感に襲われているかもしれない。
芸能人もYoutuberもTiktokerも敏腕経営者も仕事に追われて疲弊しているかもしれない。
いつまでも満たされない承認欲求に襲われているかもしれない。
知らない人からのリアクションやアンチの存在に追い詰められているかもしれない。
みんなそれぞれ苦悩を抱えて生きているものだ。
あなたがそうであるように。
すべてに期待をしないというポジティブな諦め
自分の中で無意識に膨れ上がってくる期待を抑えるには、意識的に諦めることが重要だ。
キラキラした人生を諦める。仕事を諦める。お金持ちになるのを諦める。人に好かれるのを諦める。
なにもかも諦めるというと、なんの希望もなく、絶望して生きていけと言っているように感じる人もいるかもしれないが、僕はそういうことが言いたいわけではない。
むしろ、自分の人生のすべてを肯定するために、今のままで十分なんだと感じられるように、ポジティブな意味での諦めをすすめているのである。
現状を全肯定しつつ、未来に向けた行動もする。
ただ、その行動が未来につながることを過度に期待しない。
それくらいのバランス感覚が、現代を生き抜いていくうえで必要とされるメンタリティではないだろうか。
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