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UI/UXデザイン図書:アフォーダンスとシグニファイア、インクルーシブデザインを使いこなす

UI/UXデザインに役立つ本を3冊紹介します。

1.アフォーダンスとシグニファイア

アフォーダンスとは、環境が与える行為の可能性のこと。afford(提供する・余裕がある)に由来する造語で生態学の基本概念。ヒトや生物はアフォーダンスを知覚して行動している。

東大教授・佐々木正人氏の著書「新版 アフォーダンス」にてアフォーダンスの理論が詳述されており、ヒトはどうやって周囲環境を認知して行動するかがわかる。これはUI/UXデザインの基礎として知っておくとよい生態学の知見である。

シグニファイアとは、アフォーダンスをユーザーに知覚させる手掛かりのこと。モノや環境が持つ特性のひとつであり、ヒトや生物はシグニファイアによって行動の可能性を判断する。たとえば腰ほどの高さにある安全で清潔な平面はヒトに'座る'という行為の可能性(アフォーダンス)を知覚させる手掛かり(シグニファイア)であるといった具合だ。

米カリフォルニア大名誉教授・D.A.ノーマンの訳書「誰のためのデザイン? 増補・改訂版」は認知工学の教科書として広く知られており、シグニファイアやUI/UXデザインの考え方が整理された名著である。良いUI/UXデザインとは何かを考えるにはまず本書を読むことをおすすめする。

2.インクルーシブデザイン

UI/UXデザインの手法として注目されているインクルーシブデザインを紹介する。

インクルーシブデザインとは、高齢者や障害のある人など特別なニーズを抱えたユーザーをデザインプロセスの上流工程へと積極的に巻き込む(includeする)手法のこと。多様なユーザーが自らUI/UXデザインを考えることで使いづらさやわかりづらさといった潜在ニーズに気づける。

元Microsoft, 現GoogleのUI/UXデザイナーKat Holmes氏の訳書「ミスマッチ」では、いかにユーザーとの不釣り合い(ミスマッチ)を解消するかを説く。インクルーシブなビジネス/サービスを実現するためのデザイン指針が記されている。

3.まとめ

UI/UXデザイン関連図書のなかからとくに大事なデザインの考え方がわかる3冊の本を紹介しました。アフォーダンスとシグニファイア、インクルーシブデザインを使いこなして、良いデザインがどんどん世に生み出されることで社会はもっと豊かになることでしょう。

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