見出し画像

小説のタイトル付けって難しいよね、という話。

 先日、書店でライトノベルのコーナーを見ていたときの話。
 棚に収められた本で、やけに黒い背表紙があるなと思って見てみると、そういうデザインではなくタイトルの文字列だった。
 ちっちゃい文字が80文字ほどギュッと並んでいた。
 ……覚えられなかった(著者の方ごめんなさい)

 昨今では定着しつつある、長文タイトルというものについて考えてみる。

『しがないド底辺社畜サラリーマンの俺が異世界に転生して料理スキルで無双した件について ~チートもハーレムも縁がないと思っていたけど令嬢に惚れられて毎日が幸せです~』

記・明治依吹

 たとえば、こういうやつ。
 あ、このタイトルはいま5秒くらいで私が適当に思いついたものなので、深掘りは不要である(こんな作品は存在しない)。

 要するに、圧縮されたあらすじである。
 上記のタイトルは、これだけで80文字。
 あのとき書店で見かけたライトノベルとちょうど同じくらいだ。

 ライトノベルとは異なり、純文学や一般文芸の作品だと長文タイトルはほとんど見かけないような気がする。
 ライト文芸となるとグレーゾーンかもしれない。
 ひとまず、長文タイトルを比較的多く見かける、ライトノベル寄りのWeb小説を想定して読み手と書き手のお気持ちを考えてみる。

 まずは読み手の視点から。

ここから先は

2,546字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

いただいたサポートは著作活動に使わせていただきます!