【短編小説】『春』
あれだけ暑かった夏も過ぎ去り、いつの間にか木々も色づき始める。
新卒で入社してから7年。
仕事は慣れてきたような、慣れていないような感じで曖昧。
入社してからは仕事をこなすのがやっとで、四季を感じるのは街路樹の芽吹きや色づきだけ。
そんな毎日から少しずつ解放されたのは良いが、学生時代みたいにただ公園でぼーっと空を眺めることもなく、お気に入りの小説を繰り返し読むこともなくなり、代わりに休日はひたすら部屋で寝るかゲームをしている。
仕事で頭をフルに使い、疲労が溜まっている状態でま