物語とは、心の糧

創作してきてプレッシャーが強くて困る、ということを前に書いた。
今は、その逆だ。

体が辛くて、心も折れそうな時、
パートナーがまだ帰ってこない時、
私は、自分が書いていた、昔のボツ作品に救われそうになった。
いつもささやかだった食の楽しみが、
体調不良でなくなってしまった時、
パンという物質的な糧では、
もう何も感じられず、まずくて、
えづくだけの物と成り果てた時。
味覚が封じられてしまって、
歯ブラシでも体が、拒否してしまう。
そんな時。

昔書いていた物語をふと思い出した。
私の心は異世界に飛んだ。
物語とは、心の糧。
そう言われた意味が、ようやくわかった。
辛い自分の体も、疲れた心のことも忘れた。
目も疲れるから、他の作品を新たには読めないけど、
自分の書いたものなら思い出し、
寝ながら、空想に浸れる。

辛さを忘れさせてくれて、自由に動ける夢を見られて、ありがとう。

そういえば、もともと、書いた時も、
苦しくて生きづらい現実から、
逃避して、
せめて物語だけでも、主人公を活躍させたかったからだったなあ。
それから、私は、しばし筆を休み、
自分も、自分の人生を生きてみたいと思った。

空想の中でだけ、
自分らしく生きるんじゃなくて、
自分で舵を握ってみたいと。
障壁を壊しまくり、
がむしゃらに自分で生きてみた。
この5年くらい。

今、また後退してるけど、
また空想の物語に救われて、
また心の力を蓄えようとしてるんだ。