なぜ「第二言語を」学ぶのか
前回はなぜ「国語を」学ぶのか|かどた (note.com)でしたが、今回は第二言語に焦点を当てていきたいと思います。
「考え方の"軸線"を増やすため」です。
これについては後述します。
それよりも先に、
「第二言語?
英語や第二外国語ではなく、第二言語と表現するのはなんでやねん?」
と疑問に思われる方がおられるかもしれないので、こちらについてサクッと回答します。
理由:日本手話を「外国語」と表現していいのかどうかわからないため。
日本手話。主に聾の方々が使用される視覚言語です。
「オレンジデイズ」や「silent(サイレント)」といったテレビドラマなどで見たことがある方もおられると思います。
健聴者にとっては指先や腕の動きが目立つため、そちらにフォーカスしてしまいがちですが、日本手話では手指のかたちが同じでも表情が異なるだけで意味合いが真逆になるケースもあり、音声言語とは異なる独自の言語構造をしています。
私自身、高校2年生の頃から当時の手話ブームに乗っかるかたちで学習を始めたのですが、手話独自の言語構造は英語や中国語などの音声言語とは明らかに異なる部分があるのだなと痛感しました。
特徴のひとつに、「ある程度、音声の日本語をベースにしているにもかかわらず、日本語に変換できない表現」があります。
文字でこれを表すのが私の技術では難しいためここでは省きますが、この「日本語に変換できない」という部分が今回のテーマでもあります。
「日本語に変換できない」
「変換できない」というよりは「変換しにくい」や「直接対応する言葉がない」が近いかもしれません。英語や中国語などの日本語ではない言語を学んだ経験の長い方ならピンと来るかと思います。
日本語→外国語でいうなら「わびさび」なんか代表例じゃないでしょうか。
あれは日本語でさえ説明が難しい……。
あとは「よろしくお願いします」でしょうか。
初対面の挨拶後でいう「よろしくお願いします」と、ビジネスで商談がまとまった後の「よろしくお願いします」ではニュアンスが全く異なりますよね。
で、この「変換できない」ときに、日本語をベースにして考えると手詰まりになることが多いのです。
たとえばこういうシチュエーション↓
「かどた、ちょっとこの仕事頼めるか?」
「えー今忙しいです」
「そんなこと言わずに。お前の力量を見込んでのことなんだよ。ほら、これがそのタスクだ。朝飯前だろ?」
「たしかに朝飯前ですね。いいですよ、やりましょう」
この「朝飯前」という表現。
これを英語に直すとして、before breakfastではないのは明らかです。
そしてこれを翻訳しようとすると、どうしても朝飯前という表現で手詰まりになる。
理由は、「翻訳」しようとするからです。
翻訳ではなく、「ネイティブはこういうときにどんな表現を使うのか」というマインドに切り替えてネイティブの真似をすると、あっさり突破できます。
It's a peace of cake!ですね。
(※私はネイティブではないので「今はこういう言い方をするよ」という方がいらっしゃいましたらご指摘くださいませ。)
ちなみに日本手話だと、右手をパーの形に開いてあごの下に添えて、フッと軽く息を吹きかけます。「そんなタスク、軽いもんよ!」みたいな表現です。
で。
ここで言いたいのは。
ケーキの欠片がどうだとか、視覚表現やないかーい、とかそういうことではなく。
壁にぶち当たったときに
「別の軸線で考える習慣を身に付けているかどうか」
です。
日本手話にしても英語にしても中国語にしても、複数言語を使い分けていると自然にこの「別の軸線で考える」習慣が身に付きます。
使用している脳の領域が異なっているからなんでしょうか。
理由はともかく、直面した問題に対して複数のアプローチ方法を自然に思いつくというのは、ビジネスにおいてもプライベートにおいてもとても有利に働きます。
野球に例えるなら、ストレートしか投げれないピッチャーよりも、カーブやフォークボールを戦況に合わせて使い分ける投手の方が圧倒的に有利ですよね。攻撃軸線は多ければ多いほど相手を惑わすことができます。
結果、チームを優勝に導きやすくなる。
ビジネスにおいても、今まさに私が直面している「資金調達」というタスクにおいて、「自己資金」という軸線しか持っていない場合はほぼ手詰まりです。
しかしここに、「ベンチャーキャピタルからの出資」や「クラウドファンディング」、「財団の採択」といった複数の軸線を掛け算していくことによって、目標金額に到達できる可能性が高まります。
「わがままを言った時に応じてくれる"信頼と実績ある人脈"」があればさらに達成は容易でしょう。
(私はまだこれをつくりあげている最中なので、達成まではかなりの距離があるのですが)
ちょっと脱線した感がありますが、「第二言語を」学ぶ理由のひとつはこれだと思います。「思考の軸線を増やすため」。
あとはこれに「国語」の能力が掛け算されます。
なぜ「国語を」学ぶのか|かどた (note.com)では書き切れませんでしたが、国語を学ぶことで身に付く「語彙力」もこれに関わってきます。
ビジネスメールでよく見かける「恐縮ですが」という表現にしても、毎回毎回「恐縮ですが」「恐縮ですが」「恐縮ですが」を乱発していたら、これを目にする相手はちょっとげんなりするんじゃないでしょうか。
これを「恐れ入りますが」や「お忙しいところ申し訳ありませんが」という少し変わった言葉を用いることでマンネリ感を打破できます。
あなたが社長なら、アプローチ方法を1つしか持っていない営業マンよりも、10も20も軸線を持っている営業マンの方に仕事を任せたくなりますよね。
自分の未来を少しでも有利な形に変えていくために、必須とまでは言いませんが、身に付けておいた方が良い技術であるのは確かだと思います。
言語に限らず、アプローチ方法、思考の軸線は多く持っていた方が変化する状況に対応しやすい。
トランプゲームの「七並べ」では、最後までカードを出せずに保有していた方が負けですが、人生という名のセーブ&ロードできないゲームでは、戦局に合わせて繰り出せる手札の多い方が勝ちやすいです。ジョーカーのカードなんて100枚ぐらい欲しいところです。
またちょっと脱線しましたが、「第二言語を」学ぶ理由は、私の中ではこんな答えです。
「俺の答えはこれやで」
「わたくしはこう考えますわ」
「おいどんはこっちでごわす」
というご意見もたくさんいただきたく思いますので、コメントなどいただけると非常に嬉しく思います。
今回はこのあたりで!
ご覧いただきありがとうございました!
「今日より素敵な明日を」
合同会社みらいのおと
代表 門田邦弘
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