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#27【いい服探訪】File2. Levi's501

About 501

現行のアメリカ製501

Story

 不朽の名作と言われる服は数あれど、Levi'sの501を超える名作は数少ない。執筆現在(2023年)から150年遡った1873年、世界で初めてのリベットで補強された頑丈なジーンズはリーバイ・ストラウスによって世に送り出された。その頑丈なジーンズは過酷な環境で働く労働者の絶大な支持を受け、次第にファッションアイテムとして世界中の人に愛されるようになり、現在ではハリウッドのセレブから学生に至るまでありとあらゆる人が着用している。Levi'sの501はジーンズというフォーマットを確立し、全てのジーンズの基礎となったと言えるだろう。

Detail

 Levi's501を象徴するいくつかのディティールを紹介したい。まずはなんと言っても金属製のリベットによる補強だ。リーバイ・ストラウス社はこのリベットの特許を獲得したという点でLevi's501の最もアイコニックなディティールと言える。

それまで破れやすかった個所を補強するためのリベット(金属製の鋲)

 次に紹介したいのは腰回りに配された5つのポケットとヒップポケットに施されたステッチだ。前後左右、計4つのポケットと右前に付けられた小さなポケット(懐中時計を入れるため、コインを入れるため、等々諸説あり)はジーンズというフォーマットの完成形となり、さまざまなブランドに取り入れられている。また、ヒップのポケットに施されたアーキュエイト・ステッチと呼ばれる縫い目は唯一無二のLevi's製品であることの証拠だ。右側のポケットに縫い付けられている赤いタブ(通称「レッド・タブ」)もLevi'sのジーンズであることを示すディティールの1つである。

フロントのポケット
ヒップのポケットとアーキュエイト・ステッチ

 ボタンフライもLevi's501を象徴するディティールの1つだ。通常のパンツは全面をジッパーで留めるが、501では伝統的なボタンフライが採用されている。

ボタンフライ

なぜ、Levi's501が愛されるのか

 501についてここまで述べてきたが、どうして501がここまで愛される製品として世界中の人々に着用され続けているのだろうか。
 最初に考えられるのはその完成度の高さだろう。その普遍的なシルエットや無駄のない控えめなデザイン、様々なスタイルにフィットするブルーの発色とデニムの生地感は、生活密着型で汎用性も高く、しかし同時に誰もが着こなすことのできるアイテムとして人々がそれぞれのニーズに合わせて着用することとなったのだ。
 またファッションアイコンであった著名人による着用も見逃せない。ジェームズ・ディーンを筆頭に、様々な著名人が着用したことによって50年代以降アメリカを中心に誰もが憧れ、しかし身近に感じられるアイテムとしてLevi'sのジーンズに注目が集まったのは想像に難くない。
 そして今、世界中で愛されている全てのジーンズのオリジンとして、これからもLevi's501は名品の座を守り続けることだろう。

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