メンタルマインスイーパー

人とコミュニケーションを取る時に誰かの地雷を踏んでしまう時というのがあります。
人間きっと誰しもコンプレックス等はあるでしょう。
触れられたくない事、言われたくない事、目を背けたくなるような事、色々あると思います。

地雷というのは踏まないに越した事はありません。
踏めば相手を傷つけたり、相手に恨まれたりする可能性が高いからです。
しかしながら地雷が多すぎる人というのは問題ではないかというのが今回の記事の内容になります。

地雷が多い人というのはどんな人でしょうか。
まず第一に言えるのが自尊心が低いという事です。
些細な他人の一言で傷ついてしまうのは自分で自分を低く見ていたり見下していたりする事が原因として大きいです。
自分に対してネガティブな印象を持つ人ほど他人が自分を責めてくるとか攻撃してくるという事に恐怖を感じるあまりに被害妄想的に物事を受け取りやすくなります。
つまり認知が歪んでいるという事です。

また何らかのトラウマ的な体験がある人などもどうしても地雷が多くなりがちです。
分かりやすい例で言うとやはりイジメです。
軽いイジメでも地雷が増える可能性は高いですが、特に酷いイジメを長期的に受けていた人というのは心に傷を負う事になります。
この心の傷が地雷を増やしてしまうのです。

心に傷がある人というのはそれなりに事情があるのだと思うので、それ自体にはもちろん同情する部分もあります。
しかしこのような人が沢山いる世界で生きていくとなると、人を全く傷つけないという事はもはや不可能に近いのではないでしょうか。
傷つけないに越した事はないとは言えども、あまりにも地雷が多い人に合わせていれば個人の発言の自由というのが著しく損なわれます。

今回の記事で1番僕が伝えたいのは人間が生きている限り傷をつけない事は絶対に無理であるという事、また非常に傷つきやすい人の感覚に合わせて傷つけた人は悪であるという発想に行きすぎると危険であるという事です。
極端に言えば傷つくリスクというのを全てなくそうとすればもはや誰も何も発言できなくなるでしょう。

これはもはや難易度の高いマインスイーパーのようなものではないでしょうか。
メンタルマインスイーパーとでも呼びましょうか。
メンタルマインスイーパーにおいては何処を踏んでも地雷を踏まざるを得ないタイミングもあるというのが現実ではないでしょうか。

コンプライアンスという言葉が一人歩きしている今の時代ですが、過剰にコンプライアンスを取り締まりすぎる事も非常に危険です。
傷つくリスクがあるから何も言えない、都合の良い言葉だけが持てはやされて、嘘にまみれていく事が話して本当に良いのでしょうか。
過剰保護社会が進めば多様性というものは間違いなく失われていくでしょう。

メンタルマインスイーパー的な状態になる事によって一個人あるいは世の中にとって非常に有益な指摘や発言が埋もれてしまう事や個人の表現の自由が奪われてしまう事を危惧しています。
組織などにおいて重要な仕事を担っている権力のある人間が精神的に未熟である場合などはそのようなメンタルマインスイーパー現象による忖度が組織を破綻させることも大いにあり得ます。

また本来は誰かの助けが必要な人がいたとして、その人が自分自身を地雷で囲んでしまっているような状態では誰も近づけなくなってしまいます。
もはや真実の全てが地雷になってしまい、都合の良い嘘だけが唯一その人の地雷を踏まないというような状態の人も中にはいるでしょう。

過剰に地雷がたくさんある状態というのは認知が歪んでいる状態と言えるでしょう。
自尊心が低く自分で自分という存在をネガティブに捉えている人は全てネガティブに受け取ってしまいがちです。
攻撃ではないものを攻撃として受け取ってしまう。
このような状態を黙認して傷つく側のメンタリティの問題に目を向けずに、ただただ多くの人が傷つける事を恐れて何も言えないというような状態にならないように願っています。

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