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タコピーの存在・・・

タコピーの原罪ってマンガ知ってますか?
すごい話題になっていたマンガをいまさらながら読みました。

マンガの内容だけでなく、そのテーマについてとても考えさせられました。

タコピーがとても可愛らしく、純粋でありながら、いろいろなトラブルのきっかけを作ってしまう…
自分が良いと思ったことが裏目に出ながらも、自分の過ちを認め、孤立し、最終的には自己犠牲…

主要人物である女の子2人、男の子1人の家庭問題は何一つ解決していないが、タコピーという存在によって少なくともお互いの距離感、受け止め方が変わり、状況は良い方向に動いていった…という点がなんとも言えず…

タコピーの原罪には、いじめや毒親等の複雑かつそれらが絡み合った悲劇がテーマとして存在していますが、タコピーの存在…いわゆる「第三者」もかなり大きなテーマではないかと思っています。

タコピーはハッピー星人であり、宇宙にハッピーを広げていこうとしています。ハッピー道具という不思議?な道具も持っています。
しかし、タコピーは周りをハッピーにするどころが問題を難解化させてしまたり、ハッピー道具はほとんど役に立たないどころか、問題を悪化させてしまうきっかけになってしまいます…
そしてタコピー自身はハッピーな結末になることをあきらめません。
最終的に「おはなし」というきっかけを作るために自分の命を犠牲にしてしまいます。
タコピー自身は後悔や別れの悲しさを残しつつも、女の子1人の幸せに命を投げ出します。

上述しましたが、タコピーがいたおかげで、問題がなんら解決していないのに主要人物の人生の歯車が良い方向に動いているのです。
タコピーが「おはなし」のきっかけになったことで…

この「おはなし」っていったい何なのかというと、これはもう本編を読んでもらいたいのですが、簡単に言ってしまうと「話し合い」であり「共通点」であったりします。
(これはほんとに読んでもらいたいところですね…)

個人的にタコピーという存在は、多くの問題を解決するだけの力を持った存在だと思っています。しかしながら、あの世界ではそのタコピーの相談役がいなかった…(実際には友がいたのですが、タコピーの失敗や苦悩に寄り添って導いてくれる人がいなかった)
だからこそ、タコピーの悩みや考えていることに寄り添ってくれる「第三者」がいたら、タコピーも自己犠牲に至らなかったのかな…と思います。

いじめや家庭問題においてタコピーは「第三者」的存在だったのですが、そのタコピーにも「第三者」的な存在が必要だったと思います。
あれだけ、考え、悩み、そして「待つ」ことができるようになり、なおかつ孤独に耐えしのぶことができ、さらに相手からの暴力を受け止め、自分の非を認め、答えを出すことができたタコピーはとても優秀な支援者の素質を持っていたと思う反面、それが自己犠牲という結果につながったことに関して「悔しい」という感情が残りましたね…(マンガを読み終わって「悔しい」という感情が残るのは初めてでした)

タコピーの相談役になれたらな…って感じですかね。
もしタコピーがもっとひねくれていたり、もっとひ弱な存在であれば、タコピー自身は命を落とさないで済んだのかもしれません…
ですが、きっとそれは無理だったのかなと思います。

物語の最後のほうのタコピーの言葉、すべてに涙しました。10秒くらいで描けそうなタコピーというキャラクターが涙を流している姿がとても切なく、健気であったからこそ、悔しい気持ちになりましたね。
タコピーにももっともっと「ハッピー」でいてほしかったなと…

タコピーという存在は、福祉の支援員としての理想と現実、良いところ悪いところをすべて詰め合わせたようなものと感じています。

タコピーは優しすぎました。性格が良すぎたのです。純粋ゆえに自己犠牲という結果に陥ってしまったと感じています。ですが、支援員としてとても理想的な姿とも言えます。

タコピーの疑問に感じること、葛藤していること、悩んでいることを引き出すことができる存在がいれば、より「ハッピー」な結末になっていたんだろうなと思います。

タコピーのように身を削って社会的課題に取り組んでいる支援員は実際にいると思います。しかし、タコピーほど強い人はいません。追い込まれて、責任を感じて志半ばで命を絶ってしまう人もいます。

「ありがとう」の後に「バイバイ」が来るのはあまりにも悲しすぎます。

タコピーもしっかりみんなと笑える社会を作っていかなければいけませんね。

このタコピーの原罪はとても考察できる要素が多くあります。
福祉にかかわる人間として、タコピーから学ぶ要素も多くあります。
ここでは書ききれないこと、また後日書くかもしれません。

福祉や支援にかかわる人はぜひ一度手に取って、じっくり読んでみてください。
読む人によって見方が変わってくるマンガでもあるでしょう。




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