今すぐCHECK!受験期に陥りがちな”NG勉強法”
こんにちは!
公立中高一貫校対策のiBASEです。毎回受験生を持つ保護者のみなさんに向けて、役立ててほしい勉強法や心構えについて、お話しています。
今日のテーマは、NG勉強法。つまり「絶対にやってはいけない勉強法」について、お伝えしようと思います。
本題に入る前に…
みなさんは千代田区立麹町中学校の校長を務められた工藤勇一先生をご存じでしょうか?(※現在はご退任され、2020年度より横浜創英中学校・高等学校の校長に就かれました)「宿題は必要ない」「クラス担任も廃止」「定期テストも廃止」という、従来の学校の”当たり前”を覆した教育改革を進められた先生で、その成果はメディアにも大きく取り上げられました。
学校改革の過程と共に、工藤先生が考える「子どもを育てること」についての本質的な提言が豊富に織り込まれていますので、ぜひ小学生のお子さんを持つ保護者の方には読んでいただきたい内容です。
さてこの著書の中で工藤先生が、くり返し何度も強調されることがあります。それは「目的と手段を取り違えてはいけない」ということです。
たとえば、宿題(手段)とは何のため(目的)にあるのでしょうか。
「『分からない』を『分かる』に、そして『出来る』にするため」という一つの考え方が出来るでしょう。授業で学習したことをきちんと定着させ、自分で出来るようにするためのプロセスである、という考え方です。
しかしそうした本来の目的を忘れ、「とりあえずこなす」「答えを写して提出する」ことに意識が向き、本来の目的を見落としてしまうケースがよくあります。(皆さん自身も、一度はご経験があるのではないでしょうか??)
目的と手段を取り違えた活動に、意味はありません。工藤先生の改革の本質は、そうした「取り違え」を一つ一つ丁寧に紐解き、改善し、無駄を本質的な教育活動に置き換えていったことにあると言えます。(詳細はぜひ、上記書籍でご確認ください!)
やってはいけない”NG勉強法”とは?
さて、工藤先生の主張は中学受験における学習にも当てはめることが出来ます。つまり、やってはいけない"NG勉強法"とは、「手段が目的化している」勉強の在り方のことなのです。
日々お子さんが取り組んでいる勉強にはすべて、達成したい目的があるはずです。しかしいつの間にかその勉強をこなすこと自体が目的にすり替わってしまうことが往々にして起きてしまいます。(それを「手段の目的化」と呼びます。)
そして「手段の目的化」が起きてしまうと、いつの間にか達成したかった本来の目的から学びの実態が遠ざかり、何も身にならない無駄な学習時間が生まれてしまうのです。NG勉強法とはこうした状態を指すのですが、もう少し具体的に「NGあるある」を見ていきましょう!
たとえば…こんな状態は要注意!
1つ目の「あるある」は「ノートの取り方」について。もちろんキレイなノートを作ること自体は悪いことではありませんが…そもそもノートとは何のために作るのか?という目的に立ち返ることが大切です。それは例えば「授業内容を効率よく復習するため」、と考えることが出来るでしょう。
しかしそうした目的を忘れ、
・イラストや図表を繊細に作り込み過ぎてしまう
・色ペンの使い方に過度にこだわり過ぎてしまう
といったような状態にお子さんが陥っている場合は、手段が目的化している可能性があると言えるでしょう。
違う具体例も見てみましょう。
これは特に高学年になるに従って起きやすい状態ですが、テストへの考え方についてです。
受験期にはたくさんのテストがお子さんに降りかかってくると思いますが、「テストでいい点を取る」こと自体は目的ではなく、手段であるということに気づかなければいけませんね。
2つのパターンを見てきましたが、他にも下のような事例に当てはまる場合は、少し勉強の仕方を見直すタイミングかも知れません。「手段の目的化」が起こっている可能性が大の現象です。
小学生であるお子さんが、こうした「手段の目的化」に自覚的になり、自ら修正できることはかなり稀なことです。よって受験生活を支える保護者のみなさんが、常に目的と手段を区別して取り違えないよう意識しつつ、お子さんの勉強を観察すること。そして手段の目的化が起こっている場合、少し立ち止まって本来の目的をお子さんと一緒になって考えてあげることが大事でしょう。その際、頭ごなしに否定・注意するのではなく、一緒に目的に立ち返る対等なコミュニケーションを、ぜひ心がけてみてください。
まとめ
さて今回は、受験生が陥りがちなNG勉強法について解説しました。どんなご家庭もどんなお子さんも、一度はハマってしまう落とし穴。ぜひ保護者のみなさんが冷静に目的と手段を捉える視点を持ち、お子さんの補助輪になってあげてくださいね。
ちなみに…工藤先生の著書で、以下の本も教育論としてとても本質的。ぜひ受験勉強の合間に、お読みになってみてはいかがでしょうか。
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