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【塾向け】新型コロナ対応用 映像授業に使えるツール・検討ポイント①

※この記事は、主に学習塾を経営しておられる先生方に向けたものです。
※少しでも多くの塾関係者の皆様へ届けるため、積極的に【シェア】【拡散】をお願いできますと幸いです。

【※2020/02/28 23:00 現在】政府は全国の小中高校に対して、3月2日から春休みまでの臨時休校を要請しました。塾や予備校についても、政府関係者からは自粛を求める意見が出ていると、一部メディアでは報道されています。

全国の塾・予備校関係者がその対応に追われ、判断に頭を悩ませていることと思います。子どもたちの安全を最優先すべきであるのは自明としても、経営の観点から言えば、授業を「全面休講」とすることは、特に私たちと同じような小規模な塾にとって相当無理な決断です。

こうして直面したピンチを、私たち塾関係者は「新しい学びづくり」にチャレンジするための機会として捉え、進んでいく以外に道はありません。

まず検討されるのは「オンライン」を活用した映像授業だと思います。そこで今後の対応について検討のスピードを上げて頂くべく、ネットを活用した指導を実践中の「iBASE」に蓄積されている、映像授業のノウハウついて、まとめておきます。
どうか全国の先生方、個人塾経営者の皆様の一助になれば幸いです!

オンライン(映像)を利用した2種類の授業形態

映像授業と一口に言っても、大きく2つの種類に分けられます。

①リアルタイムで生徒と繋がる「中継」型
②録画した授業を閲覧してもらう「録画」型

①については、主に個別指導の形態を取っている塾の代替手段として考えられます。集団授業とは違い、あらかじめ授業内容を確定することが出来ず、どうしても②のような事前の録画形式では対応できないためです。

②については、教材がある程度固まっていて、カリキュラム通りに進めればよい集団授業の形態を取る塾にフィットします。黒板やホワイトボードをそのまま録画する方法もありますが、PCやタブレット等を活用してより手軽に録画&配信できる手段も紹介します。

★この記事ではまず、①の「中継型」から説明します。(※②については、次の投稿をご覧ください!)

使用するツール

主に「Skype」「Zoom」という2種類のツールが候補にあがると思いますが、圧倒的に「Zoom」がおススメです。理由は以下の3点です。

①生徒に「アカウント」を取得してもらう必要がない
事前のアプリのインストールやアカウント・IDの取得を生徒にお願いする必要がありません。授業の開催者側からメールにてURLを送れば、クリックして頂くだけでアプリのインストールが始まり、そのまま授業に参加できます。

②接続安定性が高く、音声や映像が乱れにくい
動画視聴時のデータ通信量は以下の通り。このデータ量であれば、生徒側の回線環境の格差にそれほど影響を受けずに授業を進めることができます。

Skypeビデオ通話 36MB/min
Zoomウェブ会議 3.3〜5MB/min
Zoom革命HPより)

③Zoomにのみ、録画録音機能がついている
Skypeには無い機能として、会話の内容を録画・録音できる機能がついています。(※管理者=塾側が、有料アカウントである必要アリ。月額2000円~2500円程度。プランにより変動。)授業内容を録画しておいて、後から見返すことが可能になります。

Zoomの公式HPはこちら

オンラインで会話するにあたり、タイムラグや音声の乱れはほぼ無いと言って過言ではありません。導入に躊躇されている先生方も、ぜひ一度上記のリンクより、テストしてみて頂ければと思います。

Zoomを使って出来ること

①Face to Faceでのコミュニケーション
PCのカメラとマイクを使って、かなり鮮明な映像と音声でストレスなく会話をすることが出来ます。子どもの繊細な表情や声色の変化についても、慣れてくれば十分見取ることが出来るはずです。また、普段は顔を合わさない保護者の方ともコミュニケーションが取れるため、貴重な情報交換の場にもなるでしょう。

②講師側のPC画面共有・ホワイトボード機能
講師のPCの中にあるテキストや資料を、そのまま生徒のPCの画面に共有することが出来ます。ポイントや解説を書き込んだ内容をそのまま届けることも出来るので、スピーディーな授業展開が可能です。また生徒の自宅にはない問題集も、事前にスキャンしておけば提示することも出来ます。

操作のイメージや出来ることの詳細については、以下のリンクが分かりやすいと思います。

③チャット機能を使ったコミュニケーション
Zoomには音声だけではなく、文字でコミュニケーションを取るチャット機能も付いています。講師が解説している間、生徒に分からない点をチャット機能にメモしておいてもらえば、抜け漏れなく理解してもらえるでしょう。また宿題の細かい指示などは口頭ではなく、チャット機能で打ち込んであげると、生徒にとっては親切です。

懸念されるポイント

さてZoomによる授業展開のメリットと使用機能を見てきましたが、もちろん実際の装着までにはたくさんの壁が存在すると思います。想定されるプロセスを検討しながら、懸念点を出しておきます。

①保護者様・生徒への説明とトラブル対応
こうしたZoomを導入した授業に移行するにあたり、各家庭への説明と、Zoomの使用についての質問・トラブルに迅速に対応する必要があります。保護者の方への説明用マニュアルやFAQ、またトラブルパターンの把握については、同じ状況にある学習塾が連携して情報を集約していくことが、一番の近道であると思います。(※もし要望が多く集まれば、iBASEで導入マニュアルを整備しPDFデータ等で配布することも検討中です。)

②対象学年について
主に小学生を対象とされている塾のみなさんは、映像授業というツールがうまく低年齢の子どもにフィットするか(=集中力が保てるのか/きちんと会話できるのか)が懸念事項の1つだと思います。
またPCやタブレットの導入設定にあたっても保護者の方のご協力が不可欠。よって共働きのご家庭の場合、子ども1人でPCを立ち上げ環境を整えて…という状況になりますが、これはかなり無理があります。ご家庭の状況や保護者の方の意志・判断によって、【オンラインでの授業実施】or【通常通り通塾しての授業実施】の選択肢を、各ご家庭に委ねる状態を作っておくことが、現実的なラインではないでしょうか。

③授業料について
普段対面で行っている授業をオンラインに切り替えた場合、その授業料をどう扱うかについては大きな課題が残ります。基本的には同じ質の授業展開が可能であるとは思いますが、同価格で実施することに疑問を持たれる保護者の方も多くおられることでしょう。
そこで可能であれば、信頼関係が出来ているご家庭に協力を仰ぎ、Zoomでの授業を「無料扱い」で一度、テストしてみてはいかがでしょうか。その授業を保護者の方にも参観して頂き、生徒と保護者双方に率直な感想を聞いてみましょう。そこで「授業進度」「理解度」「満足度」の3点について、いつもと変わりなく授業を終えられていれば、実施に踏み切る決断もしやすくなるはずです。

おわりに

近日中に、映像授業の②「録画型」については、記事にさせて頂く予定です。私たちが持っているノウハウはすべて公開の上、同じ境遇の塾関係者の皆さま同士で、互助関係が結べればと思っています。

取り急ぎZoomの可能性について検討してきましたが、まだまだ残された課題は多く、来週以降の授業開講について懸念事項は多くあると思います。そこで、もしこの記事を読んでいただいた関係者の皆様のなかで、特にお困りの点や悩みごとなどあれば、ぜひお寄せください。

以下TwitterのDMよりメッセージ頂くか、このnoteの記事にコメントする形でご要望頂ければ幸いです。


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