【作文対策】物事を深く考える「切り口」を増やそう
こんにちは!
公立中高一貫校対策のiBASEです。今回は適性検査対策の鬼門である「作文対策」について、皆さんからよくお寄せいただくご質問にお答えします!
受験が近づくにつれ、過去問を使った実践演習が増えてくる時期によく頂くご質問です。未知な問題に対しても柔軟に主張と理由を練り上げ、深みのある作文を作り上げるには、どのような準備が必要なのでしょうか。
どんな課題にも対応するための準備とは?
ズバリ、物事に対する「切り口」を増やしておくことです。
同じ事象に対しても、人それぞれ物事を捉える切り口は異なります。切り口が多ければ多いほど、身近な事象から何かを学び取ったり、多様な解釈を行う可能性を増やすことができ、その分多様な作文課題に対する対応力が高まっていきます。
物事を考える「切り口」を増やそう
では、身の回りの物事に対する「切り口」を増やす(=世界の「切り取り方」のバリエーションを増やす)とは、一体どういうことなのでしょうか。そしてそのためには、どのようなことに取り組めばよいのでしょうか。
今回は、ご家庭で簡単に取り組める手段として、1冊の本をご紹介しようと思います。
『プチ哲学』は著者の佐藤雅彦さんの多様で独自の「世界の切り取り方」に、手軽に触れられる一冊です。日常に対する新しいモノの見方や考え方、捉え方を”絵本を読む感覚で”学び、吸収することが出来ます。少しだけ深く物事を見たり、広い視点で日常を見渡せたり、毎日の世界の見え方(=切り取り方)が変わるきっかけを与えてくれるはずです。(つまり、作文対策にはうってつけなのです!)
『プチ哲学』の中から、入試でも出題実績のある内容を、1つご紹介します。以下のイラストを見てみてください。(佐藤雅彦『プチ哲学』中公文庫、P.54より引用。)
まずは2つの絵をじっくり見て、何が表現されているのかをお考えください。(出来れば、お子さんと一緒に!)
***
さて、いかがでしたでしょうか? 簡単に解説を。
左の絵では、あるキャラクターがもう一方のキャラクターを池に向かって突き落としているように見えます。しかし右の絵を見れば、それが上から落ちてくるリンゴから助けるためだったことが分かります。物事をどう切り取るかによって、出来事の解釈が変わってくる。このことを著者の佐藤雅彦さんは、次のように解説しています。
かわいいイラストで表現された内容ですが、そんな切り口で今の世界を眺めてみると、同じようなことが報道の現場でも起こっています。たとえば新聞ごとに出来事の描写が違ったり、同じ出来事に対しても人それぞれ受け取り方が違ったりします。
こうして書籍を利用して、物事の切り口を知ること。そしてそんな切り口に沿って身の回りの出来事を見渡してみることによって、お子さんの中に多様な物事の見方が広がり、結果として様々な作文課題について対応できる力の習得に繋がっていくはずです。
ご家庭での役立て方
『プチ哲学』では、イラストと短い解説がセットになり、世界を見る「切り口」に関する多くのテーマが掲載されています。ぜひ次の①~④のワークを通して、親子で作文での具体例ストックを増やす取り組みに、チャレンジしてみてください!
① 『プチ哲学』に出てくるイラストを親子で見て、何が表現されているかを考える。
② 考えたことを、親子それぞれ伝え合う。
③ 次ページにある短い解説を読み、②の内容と比べてみる。
④ ③の内容が当てはまる日常の出来事(体験・ニュース等)を考えて、親子で話し合ってみる。
こうした①~④のような親子での対話を通して、お子さんの頭の中には「新しい世界の切り取り方」が生まれ、それに対応した具体例のストックが蓄積されていきます。対話的に生まれた学びや気づきは忘れにくく、かつ体系的に整理された状態で頭に残っていくので、いざ作文としてまとめるときにも非常に有効に活用できるようになるのです。
他にもおすすめしたい書籍
佐藤雅彦さんの著書は全て、頭を柔らかくしたり、新たなモノの見方を与えてくれる内容ばかりで、特に作文がニガテな生徒さんやその保護者さんにおススメしています。『プチ哲学』以外にも、以下の2冊は平易な日本語でありながら深い内容ばかりです。世界の切り取り方の吸収につながる内容ばかりですので、ぜひ親子で読んで、ご家庭でのコミュニケーションにお役立てください!
まとめ
今回は、作文を書く上でとても大切なトレーニングをご紹介しました。たった1冊の文庫本が、家庭のコミュニケーションがぐっと豊かになり、お子さんの発想力や視座の広がりに繋がっていきます。ぜひ実践してみてくださいね。
また、ご家庭で簡単に出来る作文トレーニングについては、以下の記事もご参考になさってください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?