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ペルー アマゾン一人旅 1        ジャングルで迷子

ペルーのアマゾン地帯 プカルパで ジャングルの先住民族の村を訪れるツアーをいろいろ宣伝していた。
外国人観光客用のツアー料金は高く、
ペルー在住の自分にはとても手が出ない。

決めかねて船着き場をウロウロしていると、
サンフランシスコ村行きの乗り合いボートがあった。
ツアーの目的地の名前もサンフランシスコ村だ。
これで安くで同じ場所にいける。
路線バスならぬ路線ボート。地元のおじさんおばさんたちと
小さな舟に乗り込む。値段もバス並み。

途中、乗客がここで降りる と言ったら着岸し
降りた人たちは黒緑のジャングルに消えて行く。
ボートでしか行き来できない所に住み続けるのは
彼らにとって何があるからなのだろうか。
そんな乗り降りを繰り返した。

サンフランシスコ村で降りると乗船前に船頭さんに言っておいたので、
ここだ と言って降ろしてくれた。
何人も降りるだろうと思っていたのに、降りたのは私だけ。
恐怖のスタート。

そしてついたのが、、、、、こんなとこ。
ここがペルーのサンフランシスコ村。。。
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 (昔のバカチョンカメラ(死語)で レトロな画質)

2、3軒の高床式の家しかない。
観光客どころか人影がまったくない。 村人の姿もない。

とにかく 誰か出てきてほしくて「すみませーん」 という感じで、しばらく声を上げていると
村人が出てきた。
ここは サンフランシスコ村ですよね と村人に聞くと、
そうだけど、この辺にはサンフランシスコという村が三つある と言う。
聞き間違いで サンフランシスコ村には 村が3つあると言ったのかも。
えーー!!まさかー!
そして、このサンフランシスコ村は、ツアーで行くサンフランシスコ村とは別の村だと言う。 そんなことってある?

さて、どうやって船の出発地点に戻るか。
のぞみ薄だが、とりあえずさっき降りた川辺の土手の船着場まで走ってもどる。まだいてくれー。
当然だが、すでにボートも航跡もエンジン音もない。
他のボートの気配もない。

村人に街までどうしたら戻れるかきいた。
川を通るボートを待って叫んでとめて乗せてもらうか、車の通る道まで歩くしかないらしい。
ボートはいつ通るかわからない。
村のおじさんが車道へ行く道の途中まで案内してくれると言う。

ジャングルの中をおじさんと二人で歩くのは、それなりに危ない気がするが、他に選択枝がない。
村に泊まるのはもっとヤバそうだ。行くしかない。

いざという時の武器になりそうなものはカメラぐらいしかない。
小さくて軽いカメラだけど。
そのへんの石を持とうかとも ちょっと考えたが。
人の目の前で石を握りしめるのもためらわれた。
カメラを逆手に持って(戦えるように)、
おじさんのあとを必死でついていく。

村人は裸足で、歩くスピードがものすごく速い。飛ぶように進む。倒木の上を橋のように渡ったり、木の根を跨いだり、とにかく早歩きでひょいひょい進んで行く。裸足の足の裏はでこぼこの地面を的確につかみ、ぬかるみもおかまいなし。ジャングルでは、分厚い素の足の裏が、歩くのに一番適している。素足の優秀さを初めて意識した。しかし、私の素足は軟弱になりすぎていて、数mも歩けないだろう。靴はアマゾンの複雑な形状の道にはまったく不向きだ。ぐらぐらするし、指で地面のデコボコをつかむこともできない。濡れれば気持ち悪い。滑る。自分の足元、靴がとてもマヌケに見えた。
 
乾期のジャングルの中をほぼ駆け足でついて行く。
ユカの畑、と言っても自然に生えているのと見分けのつかない自由な植え方の畑も通った。そして、林を抜けて、小さな沼にでた。絵に描いたような、沼という呼び名がぴったりの沼らしい沼である。ここで道は終わり。
 ここからどうするのか。やはり、この村人は悪い人で、ここで身ぐるみ剥がされるのか。

おじさんは、指笛をならして誰かを呼んでいる。
仲間が来るのか! 

。。つづく。。



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