#2 勉強をゲーム化したい話 ~6D framework その1~
第二回、勉強にゲーミフィケーションを適用してみようの会です。前回は、そもそも勉強にゲーミフィケーションを適用してよいのかどうかを検討しました。
第一回はこちら。
今回は、ゲーミフィケーションのファーストステップとして、有名な「6D framework」を使ってみようと思います。これはペンシルベニア大学のWerbach教授が開発したメソッドで、取り敢えず困ったらこれを使っておけ!という程に有用なフレームワークとなっております [1] 。
前回は解説を多めに書きましたが、今回は実際の勉強への適用に重きを置いて書いていきたいと思います。
6D Framework for Gamification
1. 目的を定義する Define the objectives
何にせよゲームは目的がないと始まりません。マリオでは「ピーチ姫を助ける」、ドラクエでは「世界を救う」「魔王を倒す」、PUBGやApexでは「ドン勝を目指す」など。
僕は受験生なので、最終的な目標は「大学合格」となります。しかしそれは勉強の目標であって、ここで考えたい「目的」とは「勉強をゲーム化する目的」です。そうすると、ゲーミフィケーションの目的としては「勉強の習慣化」「勉強の効率化」でしょう。
2. プレイヤーの行動を規定する Delineate players' behaviors
ゲームの中でプレイヤーに何をしてもらいたいかを考えます。勉強をゲーム化するのを考えるときは、明らかに「勉強をしてもらう」のが最終的な行動目標ですが、もう少し具体的に書き出してみましょう。
Focus Gold I+A, II+B, III を修了する。
「大学への数学」を毎月解く。
化学・物理のワーク(セミナー)を修了する。
漢字・古典・英検準一級の単語帳を修了する。
平日は1日1時間以上勉強する。
休日は1日6時間以上勉強する。
その日の授業の復習をする。
毎日Ankiに新しいカードを入れる。
もちろんこれは暫定的なもので、プレイしていく中で変わっていくこともあり得ます。
次に、これらのタスクの測定基準を軽く決めておきましょう。
思うに、何分勉強したから偉い、という基準だとダラダラやる方がポイントが高くなってしまうので、何問解いたか、でポイントを設定するのが良いのではないかと思います。一律で1問1ポイントにしてしまうと難しい問題のコスパが悪くなってしまうので、難易度による重み付けも重要です。
例えば、参考書の難易度分けでポイントの高低を決めるのが良いと思います。Focus Gold だったら、☆3は1ポイント、☆4は2ポイントという風に。
今のところはこのくらいにしておきましょう。後でPBLやメカニズムに触れるときに詳しく決めようと思います。
3. プレイヤーを描写する Describe your players
どんなプレイヤーがこのゲームをプレイするかを考えます。それによって適切な要素を導入するためですね。例えば、競争が嫌いで協力が好きなプレイヤーを対象とするゲームに対戦要素を入れてしまったら逆効果になってしまいます。
ここで「勉強」というゲームをプレイするのはこれを書いている「僕」なので、僕の特性を挙げていきたいと思います。皆さんが参考にされる際は、皆さん自身の性格を考えてみてください。
年齢:17~18歳(高2~高3)。所謂Z世代。デジタルネイティブ。
暇なときに何をするか:Twitterを開いてTLを眺める。適当にネットサーフィン(よく見るのはこれ)。YouTubeで適当な動画を見る。ピアノを弾く。寝る。昔の思い出に浸る。(学校に居たら)友達と話す。
モチベ源:前進感、解法の気持ちよさ、達成感、優越感、有能感(人に教えたりするとき等)、新しい知識が既知の情報と繋がっていく感覚、ピアプレッシャーetc…
競争は好きか:好き。テストで友達とよく張り合う(でも1位取るために勉強ってことはあまりしない)
報酬でやる気が湧くか:あってもなくても正直変わらんと思う。前にiPhoneを賭けてテストに臨もうとしたけど結局いつもと勉強量変わらなかった(iPhoneの報酬がデカすぎた感はある)。
探求は好きか:好き。Wikipediaとかでいくらでも深く調べて面白いと思える。興味深い事実を見つけたときや、新しい知識が前の知識と関連付いたときは興奮する。
これはほんの一例ですが、このように進めていけばよろしいのではないでしょうか。
質問に対する答えを考えるときは、今までの経験を思い出してみて、同じようなことがなかったかなーと考えるようにしてみて下さい。
何について考えればいいか分からないよーという方は、以下の分類を参考にしてみては如何でしょうか。
Bartleの分類(Achiever, Explorer, Socializer, Killer)
Radoffの分類(Immersion, Cooperation, Competition, Achievement)
Nick Yeeの分類(Achievement, Social, Immersion)
例えばRadoffの分類に沿ってキャラ分析をするならば、
ゲームに没頭した経験はあるか? あるとすれば何に没頭したか?ストーリー?レベル上げ?エンドコンテンツ?
協力して何かを為した経験はあるか? 協力するのとソロプレイはどちらが好きか?
ゲームで何かを達成した瞬間とプレイ中だとどっちが楽しいか? 何かを達成した経験はあるか? その時どんな感情を抱いたか?
競争は好きか? 上に人がいると燃えるタイプか? 下の人を見て燃えるタイプか?
などの質問を自分に投げかけてみて下さい。
次回予告
長くなってしまったので、ここで一旦切りたいと思います。
次回は、後半の3つについて考えていきましょう。
それでは。
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