見出し画像

Design thinking in HR(HRの為のデザインシンキング)

1.働きたい会社、働き続けたい会社

Employee Experienceという言葉がHRの中ではとても重要になっています。

この背景には、人々の価値観が多様化し、働き方の多様化も進んでいるため、「働きたいと思う会社」、「働き続けたいと思う会社」を作り上げることがより難しくなっている(競争が激しくなっている)という状況があるように思います。

人材の流動性という点において、日本よりもはるかに高いアメリカでは、HRのKPIも日本からしたら違和感を感じることもあります。例えば、Absenteeism(欠勤率)です。日本人はまじめで勤勉ですので、全体感としてこのKPIが問題になることは多くありません(当然業種によります)。

しかし、組織内のエンゲージメントをきちんと定量化し、KPIとして目標を設定し、様々な人事施策によってその維持改善を行っているという点においてはアメリカの方が進んでいるように感じます。


2.その要素や指標

組織エンゲージメントの指標としては様々ありますが、以下の調査ではEmployee Engagementは4つの要素から構成されていると述べています。

Trust(組織に対する信頼、感情的なつながり)
Commitment(役割に対する責任感)
Loyalty(組織に対する帰属意識、認知)
Motivation(目標に対する達成意欲)

エンゲージメントが高い組織は、組織の生産性または業績も良いとの調査結果が多くあり、どちらが原因で結果なのかは難しい側面があると思いますが、要はHRが負うべき指標であるという事は言えそうです。

では、そのエンゲージメントを高めるためにHRは何をすべきなのか、が「Employee Experience(以下、EX)の充実」であり、EXとは「従業員が自ら働く組織とのかかわりあいをどうとらえているか」を総合的に評価したものと言われています。

EXのポイントとなることは、「従業員の期待に対して合致する体験を提供しポジティブに認知してくれているかどうか」という事です。従って、

例)入社3カ月以内では、この会社での業務全般を理解し、XXのプロジェクトでYYの経験を積める、またマネジメントや同僚とも相互理解を深め、ともに刺激し助け合うような関係性を築いていたい。

というような曖昧な期待に対して何を提供できる(できているか)、が大事なポイントなのです。


3.体験をデザインするDesign thinking(デザインシンキング)

体験をデザインする、というテーマに対して最も効果的であると言われ続けているのがDesign Thinkingであり、価値創造が重要とされるインダストリー4.0の中で今もなお重要視されある意味一般的になりつつあるテーマです。実は1991年頃からこの理論は提唱されていました。

その手法のポイントをまとめると、

・人の感情や認知にフォーカスし、観察する
・Pain(苦痛)となっているものの背景に対して、アイデアを試してみる
・アイデアを試しながら、改善していく

というものなのですが、実際に日本の方同士でやる場合は不慣れで話が進まないことが多い。ざっくりこうかなーと思うその背景は以下のようなものです。


4.なぜ日本人は得意でない?

・人と違ったアイデアや意見は相手をイライラ/傷つけてしまうのではないか、という村意識(この感情が次の心理につながる)
・失敗をしてはいけない(最初から100%で)、という完璧志向
・遊び感覚で物事を進めることは悪ではないか(仕事は、あくまでも仕事である)という社会的通年

シリコンバレーでは、服装の規定も緩いですし、働く時間も場所も柔軟性に長けており、業務時間中にチームでゲームをする、ボーリングをすることも許可されています。それは、パフォーマンス、というものを明確にしているからこそできる事なのですが、「仕事も全力、遊びも全力」みたいなものを体現する上では非常に重要な仕組みだと思います。即ち、「より良い成果を出すためにどんな環境が望ましいのか」を逆算して考えられた仕組みだという事が言えます。


日本は、「より平和に過ごすためにどんな環境が望ましいのか」というような価値観で、衝突を避けたり、他者と同調したり、100点を最初から目指す、みたいなものが生まれているのかもしれないな、と個人的に思ったりします。

話は脱線しましたが、Design thinkingは「人の感情変化(体験提供)」が重要になっているビジネス環境の中で活かされている考え方であり、有名どころで言えばStanford大のD-SchoolやIDEO(StanfordのD-Schoolもその創設にIDEOが深くかかわっています)が中心となり、その考えが様々な企業にも活用されています。

(具体的な考え方はこちらのブログにとてもよくまとまっていますので是非参考にしてください)

従って、社会的通年を度外視して、ある特定の個人をターゲットに新たな体験を作るためのDesign thinking(デザインシンキング)は、日本のHRがより良い組織を作る上でも非常に重要になってくるのではないか?と思う次第です。

5.まとめ

・ Design thinking(デザインシンキング)は、人の感情に焦点を当てた「体験」をデザインするスキル
・ 良いEmployee Experience(従業員体験)を提供するには、①その人の期待を理解し、②期待に対して合致する体験、を提供する必要がある。
・ 良いEmployee Experienceは良いEmployee Engagementに繋がっており、Trust、Commitment、Loyalty、Motivationを高める
・ 完璧でなくても、まずはやってみて改善することをHRでも大事にしてみる事が、今後のHRには重要ではないか

6. おまけ(セミナーのご案内とお薦め図書)

Design Thinkingの手法は、都内を中心として定期的にセミナーが実施されています。また、この後ご紹介するHPや書籍は大いに参考にしていただけると思います。

私も、HR領域に特化した「Design Thinking」をお伝えするセミナーを行っています。 2時間でざっくり内容を抑えて頂ける内容なので、Employee Experienceを考えたい皆様は是非お越し頂ければと思います。(無料です。)
 
http://seminars.triumph98.net/seminar/designthinkinghr/

(参考)Design ThinkingとEmployee Experienceがわかる書籍・HP

◆Employee Experience

◆Design Thinking(HP)

◆Design Thinking(書籍)

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

ありがとうございます。頂戴したサポートでHRプロフェッショナル、またはHRを目指す人々が学び続ける環境・場所を作りたいと考えております。

やった!
11
HRをもっと面白く/㈱トライアンフ執行役員/ UC Berkeley Haas School of Business, BHGAP program修了/MIT Sloan "AI in Business"修了//DiSC認定トレーナー