見出し画像

46/* みかんに季節を教えられる

実家に住んでいた頃は、スーパーに行くことなどほとんどなかった。行ったとしても、目的は決まっているからそのコーナーに一直線。そうでなければ大体の用事はコンビニで事足りる。だから知らなかったのだが、スーパーは意外と面白い場所だ。

ここ何ヶ月か、スーパー通いを続けていたら、なんとなく物価感を理解できるようになってきた。正直今までは、「野菜がたかいのよね〜」とか言われても、全くもってピンときていなかったのだが、最近は、確かにな、と無駄に納得する。天候や自然災害などがあると、それに関わる物資がことごとく急騰する。あれ、全然牛乳ないやん、、、みたいなことも勃発する。著しい欠品や急な価格急騰の裏には必ず理由があるから、考えるのが面白い。

さらに言うと、スーパーはイベントごとや季節に敏感だ。近頃、早生みかんがスーパーに出てき始めた。毎週通っているとそんな変化に気づいて、ああ、もうそんな季節かと実感する。スーパーで季節を教えられることになるとは。

コンビニだったり、ファミレスだったり、いつ行ってもいつもと同じ、を作り上げられた環境に慣れてしまうと、いろんな感覚に鈍くなる。昔聞いた話によると、現代人は昔の人に比べて嗅覚が鈍くなっているんだそうだ。呼吸が浅かったり、整えられた環境に慣れすぎたせいだとその時は言っていた。たしかにそうかもなーと今なら思う。

快適すぎる環境は人をダメにする。でも今は、どこへ行っても無味無臭で、どこか味気ない。あれ、早生みかんってもっと酸っぱいかと思っていたけど、案外甘いんだね、なんて小さなことに気付くのに25年もかかってしまったんだから。

サポートいただく度に、声をあげて喜びます。