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ボリュームを少しずつさげて | 500文字のエッセイ
昨日の日記を取りこぼしてしまった。時間の融通はいくらでもきく。寝る前の30分を日記を書くのに与えてあげれば良いだけだから。ただ、心の融通はそうも簡単ではなさそうだ。
日記を書くことは、一日かけてざわざわと揺らめいた心を落ち着かせるようなものだ。少しずつボリュームのつまみをひねっていくような、グラデーションを描く時間だ。
日記を書かずに一日を終えるのは、大音量でかけていた音楽をぷつっと切るような気持ち悪さがある。余韻ではなく未練だけが取り残されたようなきがして、心が落ち着かなくなってしまう。
日記を書き忘れた次の日の朝は、目を覚ますと同時にハッと後悔に苛まれる。二日酔いに近いような感覚で、その後悔の念はじんわりと身体を包み込んでゆく。
でも、日記なんて書く気分ではないときだってある。なにもネガティブなことには限らないけど、もう少しその日のボリュームを下げないでおこうと思ってしまうこともある。
純粋に筆が進まないのは、その日の心がまだ収束に向かっていないからなのかもしれない。
こうして気分の乗らない理由を並べているだけでも、500文字という制約はすぐにやってくる。というようなわけで、また明日。
今日の文字数:496文字
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