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ひよっこ動画クリエイターが動画2.0を読んでみた

学生フリーランスのカホです。
脱サラフリーランスのカホです。

ついに、会社員を辞めてから、半年が経ちました。
嬉しいことに、ほんの少しのレギュラー案件と、きちんとお金をもらえるじっくり型の案件をちょうどいいバランスで請け負うことで、平均すると会社員時代よりも忙しくなく、会社員時代くらい稼いでいるという状態です。
どんなお仕事をしているのか、動画の仕事に対してどんな考えを持っているのか、まだまとめていなかったので、これを機にまとめてみます!

最近のわたし

こんな感じで...この日、予算3万円でミュージックビデオって言われたんですよね。後輩の勤めている会社も作品辺りの予算が少なくて、大量に案件を回さないと社員を雇えない...みたいな運用だと聞いたりして、悲しくなっていたのです。

本業フリーランス1年目の働きかた 

私は、クラウドソーシングは使わずに仕事をしています。というか...知り合いの会社からしか仕事を請けていません。営業活動はしていないので、きちんとしたデモリールやポートフォリオといったものも用意していません。
本当は用意してちゃんとやったほうがいいとわかっているのですが...大学院生もきちんとやりたいという気持ちがあり、学びにMP振っている部分があります。
(MP=ここでは私のやる気と集中力のこと)

大学時代の恩師たちや、学生時代に出会った制作会社の方が中心ですが、最近は大学の同期からお仕事をもらうことも増えてきました。ほとんどの仕事は広告会社や制作会社さんから頂いているものですが、ストリートダンスを長く続けていたこともあり、ダンススタジオの発表会の演出依頼などもいただくことがあります。
また、投げ銭活動と称したダンサーさんとの作品作り(写真・動画)も引き続きやっています。みなさんいつもありがとうございます。

仕事を請けたあとは、撮影が必要でアシスタントが欲しかったり、数が多く分担したい時には友人や後輩に声をかけ、その場で即席のチームを作って対応したりしています。

動画クリエイターなんていうと、かっこいい作風でかっこいい動画を作ってると思われそうですが、私が作っているのはその場面で必要なクオリティの動画です。インターネット広告ではかっこよさのために斜めに文字を配置すると可読性が落ちるので避けたりします。イベントの動画では、最終的にはタイトルが読めないと意味がありませんし、他のクリエイティブ(ポスターなど)とかけ離れてしまったらイベント全体のイメージを崩しかねません。展示会で流す動画では、立ち止まって見てもらうために動画よりも音に気を使ってみたりします。読んでもらえるように、下線とか光とかで文字にエフェクトをつけて、読ませるような工夫をしたりもします。
もちろん自分の作風も模索中ですが、基本的には適切なスピードで適切にものを配置することで、内容を伝えるとかその場を賑やかすとかそういうものを作っています。
時には画像のスライドショーを作成するだけの仕事もあります。クライアントさんは「何か動画を」と思っている場合が多いので、こういう時にはこれくらいのものをこれくらいの予算で作るのがいいんじゃないかと提案をします。特にイベントでは無茶して超かっこいいCGの映像を流すとかえって安っぽくなる場合もありますので、そのあたりはきちんと対話をしてお仕事を進めています。

動画制作をどう捉えているのか

大学時代、インターネット広告の専業代理店で動画編集者として働いていて、スマホ向けクリエイティブをたくさん作っていました。もともと、自分はミュージックビデオやテレビCMなどの制作会社に就職するんだろうと思っていたのですが、このアルバイトをきっかけに、動画には2種類あると考えるようになりました。

映画・テレビ・YouTubeなどの見に行く動画
TVCM・スマホの広告・街中のサイネージなどの偶然見る動画

私がアルバイトで作っていたのは、偶然見るスマホ用の動画でした。これは見に行く動画の制作を学んできた自分にとっては新しい風でした。すばらしいTVCMはそれを見るためにテレビを見ているわけではないのに印象に残ります。同じように、スマホでふとみた動画で化粧品を買ったりアプリをインストールしてくれる人がいる。インターネット広告では購入やダウンロードがどれくらいあったのかが数字でわかるのでやりがいがありました。仕事として動画を続けていくのであれば、偶然見る動画で人の動きを変えてみたいと考える様になりました。

同時に若者のテレビ離れの話や、自分もテレビを見ながらスマホも見ていることを考えると、これから動画はスマホで見るものになる!と思ったのです。そしてやや飛躍をしますが、同時に、テレビからPCに、PCからスマホにデジタルデバイスが変わってきていて、どんどん小型化して、眼鏡型や時計型、脳に直接などと次のパラダイムシフトが起きた時、スマホじゃないならOOHだろう。とも考えたので、OOHに強い広告代理店に就職をした。というのが2017年の春でした。
(3つ目のツイートの行間を埋めるとするとこんな感じ)

いまさら動画2.0を読んだ理由

独立したし、きちんと動画に対して向き合おう。と思ったんです。今年、2つ下の学年の後輩が就職をしました。大学3年生の頃に1年生だった後輩の就職は私の人生に大きな影響もたらしたのです。
大学3年生の私は、卒業制作を手伝ってくれる後輩を見つけなければいけない、と必死でした。というのも大学の同期は私よりも圧倒的に優秀で、彼らには彼らの作るべきものがあった。だから私の作品のカメラマンは後輩にお願いしないといけない。と考えていたからです。大学の映像系授業で先生のアシスタントをしていたこともあり、後輩たちとの関わりを持つことは簡単で、彼らが映像始めた手の頃から自分のできる範囲ではありましたが、技術や考え方を伝える様にしていました。実際に後輩たちは1年半で力をつけ、私の卒制のすばらしいカメラマンになってくれました。その後も後輩たちはどんどん力をつけ、自分たちで案件を回せる、学生フリーランスになっていきました。
そんな彼らが、就職して、苦労しているのです。
仕事ができないとか忙しいとか、そういうのじゃないんです。できちゃうから、苦労しているのです。

ツイートの方にも書いてありますが、動画の単価が下落してフリーランスに仕事が回ってくるようになってきている感じています。制作会社は本当は一人でできることを複数人でやっているような現状があり、会社という組織を維持するために、薄給でたくさん働かなければならなかったりして、経験者である後輩たちが苦労しているのです。

だけど、動画が好きだから、動画制作が好きだから、動画というものはどんなものなのか、もう1度考えたい。と思い、動画2.0をポチりました。

ちなみに、3つ目のツイートは明石ガクトさんにリツイートされて、超そわそわしちゃいました。笑

動画2.0の読書感想文

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結構分厚いんですよね。

序盤は、大学や大学院で学んだことのそのまんまだった。というか、本全体を通してデジタルハリウッドで学んだことが再構成されていたという印象でした。
それは映像制作という名のついた授業だけでなく、マーケティングの授業などでSNSやインターネット広告について聞いたことや、もちろんアルバイト時代や会社員時代に自分が実感として思っていたことと全く一緒でした。

映像や動画の歴史的な話も出てくるし、モンタージュやイマジナリーラインの話もでてくるし、海外の話も出てくるし、スマホとかの話も出てくるし...もりだくさん。むしろこれからうちの商品も動画使ったほうがいいのかなあ?と思う広報や販促の担当の方とか、これから動画を仕事にしようとしている未経験の人とかが読むべき本だなと思いながら読み進めていきました。図が多いし文字も大きいし読みやすいのでサクサクと...30分くらいで読めちゃいました。

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こんな文字の大きさです。横書きで、若者向けってかんじ!

読み進めていくと、ひとつだけ今まで聞いてなかった表現がありました。
「情報の凝縮」というコトバです。

自分が会社員時代に制作に関わっていた店頭サイネージの動画では、パッケージなどに書ききれないくらいの商品の魅力を1分半で表現していました。アルバイトではアプリや化粧品の魅力を30秒程度でまとめて表現をしていました。確かに、店頭POPやスマホ内のバナー広告などではまとめきれない量の情報がそこにはあります。動画には情報がつまっている。時間軸があるので、うわっ文字多っ!と思ったりもしない...これってすごいことですよね。料理のレシピサイトが動画ばかりになったのも納得です。

そんな話がこの本には書かれていました。

読了後、動画に対して思うこと

クリエイターの友人たちとよく話すことがあります。
ぶっちゃけオリジナリティーだと思ってやってること、昔の人がやってたりするよね。って。でもそんな中でも自分らしさ見失わずにいきたよねって、そんなことを昼間っから語り合っています。

この本は2018年に出版されています。本当に早いスパンで、動画の大波が来ていると、そう感じる2019年の今日です。

動画というツールをつかって何を伝えるのか、これからは技術じゃなくてデザインをしていかないとクリエイターとして生き抜けないなとそう思っています。
もう動画は立派なコミュニケーションツールです。誰でも簡単に作れるから、その分何を伝えるとか、何を表現するとか、内容の部分が大切になるんだろうな。なんてぼんやりと考えました。

動画はすごい。当たり前だけど小説の実写化は情景描写のコトバを動画で表現しますよね。脚本と小説が同じ「文字」を使って表現するのに全く違うものであることは、脚本を書く授業などで講師の方が口すっぱく教えてくれます。
つまりはそういうことなのです。情景を言葉なしに一瞬で表現できてしまうビジュアル化することで情報を凝縮できるということなのだと思います。

明石ガクトさんはそれを、本という文字をつかったツールで教えてくれました。それもまた、面白いですよね。

自分は、冒頭にも書いた通り、OOHが来る!と思っています。
山手線の窓上もモニターになったし、ドラッグストアの店頭モニタももっと増えたらいいなと思ったりします。できれば店頭動画の仕事をもっとしたいな〜(希望)

おまけ

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どーでもいいけど、amazonで買った本、エモかったです。
どうしてもプチっと切る勇気がなくてそのまま読んでしまいました。袋とじを覗くような気持ちでした...

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