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仕事ができないキッチンツール


私は無駄が嫌いだ。合理的でありたい。
何事においてもそうで、それはキッチンツールに関しても言える。

ハンドルを回すと野菜の水が切れる代物や味噌マドラー、何かを伸ばしたり叩いたりする棒。
それらの物は何かで代用できるはずと思っている。
実際に野菜の水切りにはざるを使っているし、味噌を溶く時はお玉を使っているし、何かを叩く時はコップ、伸ばす時は手か、水筒にラップを巻いてから伸ばしている。

こうやって文字にしてみると、料理をする上で並々ならぬ努力をしているように感じてきた。

そういうキッチンツールはあると便利だとは思う。というより、もはや欲しいとさえ思っている。だけど買わない。この間も味噌マドラーが半額になっていて、手に取って10秒ほど悩み元の場所に戻した。
野菜の水切りができる便利グッズは味噌マドラーよりも欲しいと思っている。
あれをやればサラダがうんとおいしく食べられるだろうなと憧れている。

そんなに高い買い物でもないのに。買えばいいのに。私もそう思う。

なぜ頑なに、欲しいと思っているのに買っていないかというと、その役割「のみ」を全うするため「だけ」に存在する物を、お皿やお鍋、他のキッチン用具で溢れている場所に置くということができないのだ。
費用対効果が悪すぎやしないか?

野菜の水切りをするためだけの物、味噌を溶くだけのマドラー、そして棒。
君たちに、他のことができるのか?
大根おろし器は、スライサーの役割や薬味を刷ることができる機能も備えているというのに。

何だか部下を責め立てているようで胸が苦しくなってきた。


でも我が家には、一役だけしか担ってないキッチンツールがある。夫が買った物で、キャベピーマックスというキャベツを千切りできる大きいピーラーだ。
軽い力でどんどん千切りすることができるとっても便利な物で、料理が時短にできる。

一役しか担っていないそれを私は結構な頻度で使っている。

ということは、買ってみると意外と良かったりして。私は近いうちに一役しか担っていないキッチンツールを買っているかもしれない。

いや、どうかな。

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