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映画『マスカレード・ナイト』


ライオンみたいだ、と思った。



鋭い目つきで周囲を見渡し、違和感を見逃さない。その眼光はその日の食欲を満たす獲物を探す猛獣のようだった。呑気に水を飲もうものなら、一瞬で狩られる。自分が草食動物なら、未来の死を覚悟するような眼光だった。
ほかに例えるなら、財宝が眠る部屋へと続く、厳重に張り巡らされた赤外線センサーのようとも言えるかもしれない。

新田の目にはそれだけ、かいくぐること、免れることを諦めさせるような、「威力」があった。凄まじかった。

実際の新田は、ライオンのように私欲に任せて獲物を狩るのではなく、むしろ逆だ。刑事として、一般の人々を守るために、凶悪な殺人犯を捕まえるために、携えている視線。絶対に守る、絶対に捕らえる、という尋常ではない決意を感じた。
視線だけでなく、立ち方や歩き方、話し方から感じ取れる刑事としての芯、生きる姿勢に、終始心を打たれた。


私の母も大好きなキムタクですが、もはや「イケメン」とか「カッコいい」とか、そんな単純なものではない。あれは間違いなく「覇気」。覇王色の覇気だと思った。


百獣の王の資質が、キムタクにはあるのかもしれない。


※写真は公式サイトより

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