ニュータイプ@関節痛の話③
とりあえずムスコに坐薬を入れていいか確認しました。羞恥心の芽生えた息子がもし元気なら拒否するはず…
「うん…」
と小さく頷いた息子。
「ごめんね、辛かったね、気づいてあげられなくて本当にごめん」と急いで準備。
「ざやく、いたい?」と聞かれたので
「大丈夫だよ、坐薬って熱ですぐに溶けるのよ。外に出しとくだけで溶けちゃうくらい。だから冷蔵庫で保管するのが常識なんだけどね、それを今お母さんの手で温めて溶かしてるからツルって入るよ。あとは角度さえ間違えなければ痛くないからね、足をダンゴムシみたいに曲げるよ〜そうそう〜体熱いね〜これならよっぽど溶けるの早いよ〜がんばれ〜」
と坐薬を入れつつ、『なんで薬箱探して冷蔵庫探せへんねん、この自称イクメン野郎が!』という心の声が届きますようにとムスコに説明。
父さんは静かに聞いていました。
午前お世話になった病院では明日再度受診するように言われた父さんでしたが、納得できず救急外来のある病院へ架電。
「お願いしたいのですが…何してくれますか?診察内容、そうです、みるだけじゃなくて、血液検査もしてほしいんです、はい、え?1時間?結果待つのにさらに1時間?」
チラリとコチラを見る。
待つのが大嫌いな父さん。
それで躊躇うくらいならもう受診なんて必要ないやろとは思いつつ、「父さんが判断して」と伝える。
「はい、じゃあ、お願いします。30分後に…はい。」
電話が終わると「食事とってから行こうかな」と。
「え?食欲あるん?」
「食欲はある。カツでも普通に食べれる」
食えるんかい!とツッコミを心の中で抑えつつ
「正太郎用に野菜すりおろしてクタクタに煮たうどんを作ろうと思うけど…」
「あ、お願いします」
…自称命に関わる人ですものね。
無碍にしたら非人道的ですよね。
ムカつくから、できるだけ薄味の病人食にしてやる。
作ったうどんを文句を言わずに食べた父さん。
その横で横たわるムスコにも食べさせると
「おいしい…」と口をあけてくれました。
ほぼ24時間まともな食事がとれず、昼には油物を前に嘔吐して、辛かったやろなぁ…
「しんどいとき、いつもコレやったら食べてくれるなぁ。形ないけどにんじんも玉ねぎも入ってるから甘いやろ…え?おかわり?ちょっとだけにしとこう」
昼のカツをレンジで温める父さんの耳に、正しい看病の方法が聞こえますように。
食事が終わった父さん。
「じゃあ、…1時間に1時間も待たされるらしいけど………」と歯切れの悪い言葉。
どうやら、まだ行くか悩んでいる様子の父さん。
「そんなに待つならコンビニで食事買えば早く帰ってこれたのにね」
とズレた回答で、添加物NGの父さんが許容できない言葉をあえて言ってみると
「……」
うわ〜無言の拒否。
だって行かない方がって言ったら、その後ずっとグズグズ言い続けるやろ。こちとら40度の息子だけで手一杯やねんから、大事な判断押し付けて逃げ道つくんなや、ウザいやっちゃ、ほんま。
「はい、じゃあ帰宅は22時過ぎですね。慣れない車ですのでお気をつけて」
と会話を切り上げると、すごすごと出発しました。
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