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私の公務員試験対策【筆記編】

Twitterでお世話になった皆様、偶然この記事を見かけた公務員志望の皆様、読んでいただきありがとうございます。
Twitterでの発信は辞めることにしたので、noteに自分のしてきた&考える対策をまとめていきます。これは筆記に関してです。

一応前提として筆者の成績を載せておきます。

(以下教養/専門/論文/面接)

国家総合職(化学・生物・薬学)→26/12/×/× 1次落ち

国家一般職(化学)→31/23/7/C 最終合格

食品衛生監視員→33/34/×/C 最終合格

【注意】
・スケジュールに関しては国家のものが主になります。地方自治体によっては特殊な場合もありますので、自治体のHPをご覧ください。
・勉強方法に関してはあくまで一意見・経験談です。鵜呑みはNGで。


1.試験のスケジュール・情報(2022・国家)

⚠申込
3月18日(金)〜4月4日(月)
(インターネット)


【国家総合職】
一次 4月24日(日)
一次発表 5月6日(金)
二次筆記 5月22日(日)
面接・政策討議 5月24日(火)〜6月10日(金)
最終合格発表 6月20日(月)

【国家一般職】
一次 6月12日(日)
一次発表 7月6日(水)
二次 7月13日(水)〜7月29日(金)
最終合格発表 8月16日(火)

【国家専門職】
一次 6月5日(日)
以降職種別

試験科目や最新情報など、詳しいことは以下よりご覧ください。

一次試験の合格ラインは以下より見ることができます。


2.タイムテーブル


【国家総合職教養区分】
受付 8:30-9:00
総合論文試験
説明 9:00-9:20 試験 9:20-13:20
基礎能力試験Ⅰ
説明 14:00-14:15 試験 14:15-16:15
基礎能力試験Ⅱ
説明 16:15-16:25 試験 16:25-17:55

【国家総合職】
受付 8:30-9:00
専門試験
説明 9:00-9:20 試験 9:20-12:50
基礎能力試験
説明 13:45-14:00 試験 14:00-17:00

【国家一般職】
受付 8:30-9:00
基礎能力試験
説明 9:00-9:15 試験 9:15-11:45
一般論文試験または専門論文試験・専門試験
12:35-17:00(論文が先)
論文1時間、専門3時間

【食品衛生監視員】
受付 9:05-9:35
基礎能力試験
説明 9:35-9:50 試験 9:50-12:10
専門試験
説明 13:00-13:15 試験 13:15-14:55

【人事院面接(国家一般職・食品衛生監視員)】
集合時間から適性検査と説明(1時間程度)
面接は一人あたり15-20分程度
(受験生1対面接官3)
控室ではスマホ使用不可
(私の場合・国家一般職)
12:30集合、グループの中の7人目で15:20ごろ終了
グループは多いところで12人いたので長いと17時前?

3.筆記試験対策


3-1【文章理解】
文章理解において重要な点は「文章に書かれてある情報を正確に処理する」ということだと考えます。感情や私見は絶対に、ぜっっったいに入れてはいけません。

これに尽きます。ある意味この科目は情報処理という理系科目ではないかとすら思っています。ひたすら「情報処理」をする訓練をすれば速さも正確性も上がり、効率よく得点源にできます。

英文に関しても同様です。ただ単語がわからないと文章自体がわからん、ということになりかねませんのである程度は単語・文法の勉強が必要です。

【おすすめの参考書】

実務教育出版「スピード解説 文章理解」

駿台文庫「現代文読解の基礎知識」

以上二冊で文章理解のコツがつかめると思います。

桐原書店「Nextstage」

鉄緑会「東大英単語熟語 鉄壁」

英文対策に関してはこちらがおすすめです。TOEICある程度持ってる方はそんなに対策いらないです。筆者は11月のTOEIC対策以来単語・文法は何もしていませんでした。

3-2【数的処理】
受験生みんな困ってるのはここじゃないでしょうか。たぶん。重要な点は「問題の急所を見抜く力をつける」「自分の実力で解ける問題・解けない問題のあたりをつける」「解法の引き出しを増やし、かつすぐ引き出せるようにする」ことだと考えます。(抽象的でごめんなさい・・・)

どの公式を使うべきか、どの表や図を使って整理するか、どういう補助線を引くか、、、など、引き出しを増やして引き出す力が大事です。最初は根気よく問題を解いてみることをおすすめします。その後で解説を見て、解法を覚えていく、それを繰り返すことで転用もできるようになってくると思います。答えを見ないことにこだわりすぎず、解法を自分の中に入れていくようにするとよいです。
基準は3回かなと考えていて、これでも分からない問題は基本捨て問としていいと思います。
数学が苦手な方はお手元に中学・高校の教科書を置いてやるのもいいと思います。この辺が身についているかいないかはスピードや発想に直結します。

筆者はやらなかったのですが、図形(特に折り紙と立体)に関しては自分で作ってみることをおすすめします。視覚的なイメージを作ることで得られる引き出しは多いと思います。
図形はみんな苦手な分野ですので、ある程度対策しておくと差をつけられます。

勉強時間や内容としては教養で一番重いと思いますが、慣れれば安定して得点をとれるので、暗記科目をやるよりは効率的だと思います。(個人の見解です)

ちなみに2016-2021の傾向は以下の通りです。数字は年度の下2桁、()内が出題回数です。

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【おすすめの参考書】

LEC「畑中敦子の判断推理の新兵器」

LEC「畑中敦子の数的推理の大革命」

3-3【資料解釈】
時間をかければ必ず一択になるので時間を犠牲にしてでも得点したいところです。「計算の正確性」「問題読解の正確性」を上げることを最優先にしつつ、直前(3月以降)に処理速度を上げる練習(過去問)をする程度で十分です。文章理解と数的処理の演習をしていれば上記の能力はおのずと身についてくると思います。どうしても時間が足りないときは概算がおすすめです。

【おすすめの参考書】

LEC「畑中敦子の資料解釈の最前線」

3-4【知識分野(自然科学・人文科学・社会科学)】
筆者はセンター試験で日本史B、物理、化学を選択しており、大学で生物を学んでいたのでその分野に関しては問題を解きながら思い出していました。その他の科目については時事以外は捨てました。

前提として、公務員試験の教養の暗記科目はコスパが圧倒的に悪いです。(専門は配点高いのでまた別)(国家総合職「教養区分」(秋試験)を受ける場合もまた別)範囲が膨大ですし、どのような形で出てくるかもわかりにくいです。そのため得点を安定させるのが非常に難しいです。そこに費やす時間があるなら数的・文章理解・専門の考える問題に時間を割いたほうが効率的だと思います。ただし数的や文章理解が安定しない場合、早い時期の場合は別です。暗記ごり押しという手段もあります。
個人的にはセンター試験で選択した科目は思い出して、安定して正解できるようにする、で十分です。

3-5【知識分野(時事)】
基本的には国家系では3問、地上では5問程度出題されます。昨年ですと新型コロナ、デジタル化、領土問題、科学技術などが出ています。
速攻の時事から著作権に触れなさそうな程度で抜粋すると、大きく分けて【政治・経済・財政・厚生・労働・文部科学・環境・司法警察・社会問題】に分類されます。
対策については「速攻の時事」をはじめとする参考書がおすすめです。都庁に特化したものやエクシア出版さんのものもあるようです。速攻の時事に関しては多くの受験生が使っており、講座の講師曰く「速攻の時事に書いてない問題はみんな解けない(笑)」とのことです。逆に言えば速攻の時事をやっておけば差はほぼつけられないということにもなりますね。

他には「寺本康之の小論文バイブル」がおすすめです。時事の知識をつけながら論文にも活かすことができます。
ちなみに国総に関しては速攻の時事はほぼ意味を為しません。語句は知ってるけど選択肢絞れない…ということがほとんどです。対策としては【速攻の時事を深掘する(ニュース・日経・白書など)】【時事の得点をあてにしない】あたりかなと思います。
次にいつから始めりゃええんやという話ですが、速攻の時事が発売される2月からで十分間に合います。というかそもそも傾向によって得点はばらつくし差もあまりつかない分野なので、あてにしないことを強くおすすめします。もちろんノー勉でいいよという意味ではなく、論文・面接対策にはかなり有効です。
再度おすすめ参考書をまとめておきます。立ち読みしてから決めてください。
・速攻の時事2種
・寺本康之の小論文バイブル
・東京都・特別区のパーフェクト時事
・みんなの時事テキスト
・日本経済新聞電子版
・白書各種

参考までに2021年に国家で出題された分野が以下になります。

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3-6【専門(化学・生物・薬学)(化学)】
これらに関しておすすめのサイトは、
「薬学、これでOK!」「公務員試験、これでOK!」です。数年分の過去問と解答解説が載っています。



まずは国家総合職について。化学・生物・薬学区分は必答10題、選択が16科目各6題から5科目または6科目を選択し、30題解答になります。
文字通り化学・生物・薬学から専攻分野に近いものを選べば足りると思いますので、大学の参考書などを使って復習していくことをおすすめします。ちなみに私は化学と生物の中間の専攻でどちらもやったら爆死しました。
総合職の問題は難易度が高いので、過去問を中心にやっていくといいと思います。その際、基礎知識だけでなくそれらの転用が問われることが多いので、知識をどう使っているかまで研究するとよいです。

次に国家一般職について。化学区分の科目は「数学・物理」「物理化学」「無機化学」「分析化学」「有機化学」「工業化学」「化学工学/生化学」です。
化学専攻の方なら授業で見た内容ばかりだと思います。総合職に比べひねりも少ないので、基本は授業の復習で事足りると思います。ただ、選択式の問題になれる意味で過去問はやっておくとよいです。

次に食品衛生監視員について。科目は「食品化学/分析化学」「微生物学/毒性学」「食品衛生学/公衆衛生学」です。
「」内の二つのうち一つを選択し、合計三科目です。記述式で、正誤判断、穴埋め、記述に分かれています。
食品系の科目に関しては下記の参考書がおすすめです。

【おすすめの参考書】

実務教育出版「スーパー過去問ゼミ 工学に関する基礎(数学・物理)」
(総合職・一般職)

実務教育出版「スーパー過去問ゼミ 化学」
(総合職・一般職)

実務教育出版「技術系よくでるシリーズ 化学の頻出問題」
(総合職・一般職)

講談社「単位が取れる有機化学ノート」
(どちらかというと一般職向けの基礎内容)

講談社「単位が取れる物理化学ノート」
(同上)

羊土社「栄養科学イラストレイテッド 食品学Ⅰ」
(総合職・食品衛生監視員)

羊土社「栄養科学イラストレイテッド 食品学Ⅱ」
(総合職・食品衛生監視員)

羊土社「栄養科学イラストレイテッド 食品衛生学」
(食品衛生監視員)

河合出版「物理のエッセンス 力学・波動」
(数学・物理分野の復習に)

河合出版「物理のエッセンス 熱・電磁気・原子」 
(同上)

3-7【論文】
行政の方も技術の方も、【時事】に絡んだ論文を書く機会は多かれ少なかれ来ると思います(一部専門職を除く)。時事対策はこういうところで役立ちます。
論文は基本的に【背景→課題→対策→結果どうなるか→まとめ】のようなテンプレに合わせていくことになりますが、時事を知らないとそもそもの背景が薄くなることが多いです。今の日本社会の課題にフォーカスしてニュースや時事を見ていくことで、それらの有効な対策になります。加えて解決策まで見ておくといいですね。何も完全新規のことを書く必要はないので、自治体や国でどのような対策をしているか、他の自治体・省庁に転用できるかなどの視点を持っておくといいです。
技術系の方は【○○(区分)の経験や視点を交えて】と書いてあることもあるので、自分の専門分野に関しては過去問を見ながら知識を広めに蓄えておくといいです。

【おすすめの参考書】

エクシア出版「寺本康之の小論文バイブル」

4.筆者のスケジュール

筆者は12月から本格的に勉強を始めました。

12月・・・数的処理に全振り(問題集4周ほど)

1月・・・引き続き数的。専門の勉強開始(過去問中心)

2月・・・専門の比重を増やす。(数的も過去問にシフト)

3月・・・模試を一気に受ける。文章理解の修正、時事も開始

4月・・・専門中心、数的時事少し

5月・・・専門に全振り

6月・・・3週連続試験。途中でガス欠になる

数的処理を安定させることを最優先にしていました。文章理解は比較的得意でしたので確認程度にしていました。

1月から専門を始めましたが、結果的には間に合っていませんでした。特に総合職は範囲が広く難易度・配点も高いので、早め早めに動いておくことをおすすめします。

技術系の方ですと専門分野は解けてもその他の分野がうろ覚え、という場合もありますので、早めに過去問を確認して、大学のテキストや資料を参考に復習すると良いです。


5.現状分析と目標設定について

「今こんな状況で間に合いますか?」という質問を頂くことがそこそこあったのですが、状況も「間に合う」という言葉も漠然としていることが多い印象です。「間に合う」というのは一次通過のことだとは思うのですが、二次以降のことを考えるとこれも人によって違ってきます。
ボーダーを見た上で、どの程度の余裕を持って1次を通過したいのか、また現状はどのくらいのスコアが取れる見込みなのか、というのはある程度の定量化が可能ですので、やっておくことをおすすめします。
更に言うと、「どの科目・分野に傾斜がかかるのか」「どの科目の出題が多いか・少ないか」「一次・二次の配点はどうなっているか」など、そもそもの「公務員試験に関する情報」を頭に入れた上で勉強計画を立てたほうが圧倒的に効率がいいです。
勉強法・計画・目標設定から考え直すことで効率をかなり上げることができると思います。

①目標設定
⚠配点・ボーダーを考慮すること!!
勉強計画に大きく影響します。例えば民法などが不安定な状態で自然科学に手を付ける、などは国家では配点的にかなり非効率です。

(例)国家一般職(教養)
専門で20点台後半という目標(専門が苦手だったため)
→教養で少し稼ぎたいので30点近くを目標に
・文章理解(現代文)5/5
・文章理解(英語)5/6
・数的処理 10/13
・資料解釈 3/3(時間かけてでも取る)
・人文科学 1/3(日本史だけ取る)
・社会科学 0/3(捨て)
・時事 2/3
・自然科学 3/3
合計 29/40

②現状分析

・模試を使う
・過去問を使う
・問題集からピックアップする
などして現状の正答率と課題を洗い出す
→目標との乖離で勉強計画を洗い直す

公務員試験って「満点を取る、取らなきゃいけない」ようにはできていなくて、「どの専攻であってもある程度の点数が期待できるように科目が満遍なく振り分けられている」だけだと思っています。また「情報処理能力」を見られている側面が大きいので(特に教養)、じっくり考えるより時間測って方針が合っていたか、解答がどうかを見る→数をこなす、という方が効率的だと思います。要するに「試験の特徴や性質を知った上でそれに合った勉強をしましょう」「具体化できることは可能な限りしたほうがやること明確になりますよ」という話です。

※補足
以前「目標の配点がピーキーでリスクがあるのではないか?」という質問が来たので、その回答を載せておきます。長いです。

結論から言いますと確かにリスクはあるのですが、私の中では最小限のリスクだと考えています。数的がはちゃめちゃに難しくなるリスクと全分野手を出して点数が浅くなるリスクを天秤にかけて前者を取りました。
そもそも私は病気などの理由で本格的に勉強を始めたのが11月でした。遅れていることは明白だったので先に得点プランを立てることにしました。
まず国総国般の数的・文章理解を初見で解き、教養区分を受けた経験と合わせてこれらは得点源にできると判断しました。逆に知識系に関しては、1点を取りに行くために世界史や地理を学ぶのは明らかに効率が悪く、学んだとしても傾向が変わったときに得点を落とす可能性が高いため捨てる判断をしました。とはいえ全捨てはリスクが高すぎるので、センター試験で取った科目のみ復習することにしました。満点取る代わりに捨てた、というより捨てざるを得なかった、に近いです。
数的・文章理解が難しくなった場合は?という話ですが、私はそもそも数的文章理解の27題が難しくなったときは知識13題でカバーできるレベルにはならない(そもそも差がつかない)と考えていました。こうなった場合は専門勝負になるだろうという話です。
初学の暗記科目の1点にかけるくらいなら専門の暗記科目にかけたほうが単純に2倍以上のコスパがあるわけですから、教養は数的・文章理解で押し、あとは専門に全振りしました。
数的・文章理解が苦手な方に関しては知識分野で補う必要も出てくると思うのですが、だとしても国家では専門に先んじて手を出す科目ではないと思っています。

6.進捗管理について

人それぞれと言ってしまえばそれまでなんですが、おすすめはあるので参考までにどうぞ。

【おすすめ】正答率で管理する
私のおすすめは「正答率」です。前述の「目標設定と現状確認」に準拠できるから、そして公務員試験の目標は「本番で合格点を取ること」に他ならないからです。

具体的にどうするかというと、
①目標点数を分野別に立てる
②現状を分野別に確認する
③進捗は週ごともしくは2週ごとに正答率で確認、それまでは学習or演習(いろいろな方法を試してみて試行錯誤する)
という感じです。

まずは目標設定
私は技術系なので教養を例にとりますが、「文章理解(現代文・英文)」「判断推理」「数的推理」「資料解釈」「時事」「社会科学」「自然科学」「人文科学」のように分野を分けてどこで何点取るかとその正答率を算出します。もちろん自分の得意不得意に合わせながらですが。

次に現状確認
分野別に10問ほど(正答率が計算しやすいので便宜上)抜粋、もしくは過去問を1年分解いてみて正答率を算出します。知識系は分野ごとに1問、などが多いので時たま分野別に細かくやることをおすすめします。捨て科目に関しては0にしてやらなくていいと思います。
目標と照らし合わせて修正すべき点、注力すべき点をピックアップします。

最後に進捗管理
上記の現状確認を2週に一回ほど行うことで進捗管理します。あるいは問題集の中の問題の正答率(もちろん指定時間内に解けたもの、です)で管理するという手もあります。これによって目標に向けた数値が具体的に出てくるので、ネクストアクションや状況が見えやすくなります。
数的などに関しては、時間かけて解くか時間測るか問題があると思いますが、どちらでもいいと思います。ただ進捗に関しては時間測って確認しないと意味ないです。あくまで「本番の」正答率を出したいので。

現状確認・進捗管理については分野別に10問ほど解ければいいですが、そんな時間ないわという場合もあるかもしれませんので、分野ごとに日を分けるか問題集全体で見るかで確認するという手もあります。
最終的に100%にする必要はなくて、目標のところに当日までに達してれば理論上はいけるわけなので目標設定も大事です。進み具合によって目標自体を調整することも必要ですが、合格点より下にはしないように気をつけてください。意味ないので。

補足になりますが修正方法については「どの段階まで解けたか」「誤った選択肢のどこで間違えたか」あたりを考えるといいと思います。特に数的と専門(専門については門外漢なのですが聞いている限りそういう演習系もあるようなので)。そもそも知識がなかったのか、知識の転用ができなかったのか、ケアレスミスをしたのかで対処は変わってきます。

【あまりおすすめしない】時間・周回数で管理
時間は日によって密度が異なること、周回数は理解度が測りにくいことからおすすめはしないです。ただ記録しておいて試験を受ける前に「これだけやったんだから」という自信にする分にはメンタル的にいいと思います。

誰がこの時期何周したとか何時間やったとかは人によるもので、自分に当てはめてもそこまで有効にはならないです。それよりは可処分時間の何割は頑張るとか、正答率が何割になってきたとか、目標点の何割まで近づいてきたとか(これはそのまま進捗率にもなります)、自分の基準・固定された基準で測るほうがいいと思っています。

面接はともかく、筆記試験に関しては定量化できる部分が多いので利用しない手はないです。闇雲に勉強して不安になるぐらいなら進捗管理を徹底することをおすすめします。

7.模試に関して


模試と言ってもなんとなく受けてしまっては普通に初見の問題集を解くのと同じになってしまいます。それなら問題集買ったほうが安いです。決して安くはない金額ですのでしっかり元を取れるようにしたいところです。

まずは主要な模試のURLから。

東京アカデミー

産経

LEC

大原

TAC

実務教育出版


模試の目的としては【現状確認】【本番のシミュレーション】【モチベーションの維持】があると思っています。


【現状確認】
正答率や理解度を把握して目標との乖離を見る。その分析によって目標や勉強計画の修正を測り、次の模試ないし試験で再検証する。

【本番のシミュレーション】

解く順番やかける時間、室内の動線の確認、鉛筆の使い方(?)など、可能な限り本番をイメージして臨む。イメージトレーニングは心情や周りのこと、試合前後の動きも意識しながらするといいと大学の部活の監督が言ってました。これも分析をして、集成・検証するのは同じです。

【モチベーションの維持】

定期的に力を発揮する機会を設けることで中だるみを防ぐ。どうしても長期戦なので試験だけだとモチベーションを保つのが難しいところもあります。そもそも習慣化で防げという話ではありますが…

次に復習に関して。
復習はしろ、判定に一喜一憂するなというのは大学受験のときに散々聞いたのではないでしょうか。まあそれに尽きるんですが。【どの分野が】【どれほどの時間で】【どの段階で】解けなかったのかまで分析できるといいです。それに応じてやるべきことも変わってきます。
文章理解に関しては間違えた択と正解の択だけ検証すればいいと思います。逆に数的はプロセス面の検証を行いたいところです。
判定については母数も違えば進度も違いますのであてにしないほうがいいです。判定に喜んで油断なんてもってのほかですし、逆に判定で落ち込んでモチベーションが下がるのも無意味です。現状が悪くても数ヶ月あればどうにでもなりますし、良くても他の人も伸びてくるのでどうなるかわかりません。

模試は受ければ受けるほどいいというものでもないと思っています。スポーツで言うと記録会に出まくって調整しても身体がスカスカになって試合で結果出せないようなイメージです。要するにインプットと修正の時間も大事にしないと、課題修正の検証のしようがないということです。
模試に関しては月1-2ぐらいが限度かなと感じます。受けたあとは復習と現状確認・修正策の作成を行って、それに基づいて勉強し、次の模試に活かす。これを繰り返していけばかなり精度の高い勉強ができると考えます。

8.勉強法の例

教養に関しては共通して時間を測ることをおすすめします。理由としては公務員試験は「じっくり考えれば誰でも解ける問題を素早く解く」ことが求められているからです(私の考えですが)。じっくり考えて解法を導き出す力よりも、引き出しにある解法を素早く出す練習のほうが重要と考えます。

①文章理解
【語彙の確認・言葉の軽重の確認・主観を入れない練習・選択肢の利用】

A.方法論を参考書で学ぶ→演習で確認
接続詞・強調・主観か客観かなどに注意を払う
あくまで「情報処理能力」を問われていることを意識(文章の中にしか答えはない)
自分の考えは排除!!!

B.ひたすら演習して傾向を学ぶ
どこが大事か、どこまで確認したら次に行っていいかを確認
語彙なども確認しながら

②判断推理・数的推理
【ゴールはどこか・数学的知識・解法(図表・計算式など)の転用・素早い情報処理】
A. 講義でやり方を学ぶ→分野ごとに詰める
方法論を学んで演習で転用の練習をする。時間としては1問6-8分(直前期は5分)

B.物量で押す(ひたすら練習)
最初は解けなくても気にしない。振り返りはしっかり行うこと。3周目ぐらいには解法を思いつくまでに至るといいかなと思います。集中期間を作ってもいいと思います。2週間で3周するとか。

数的推理に関しては数学的知識の有無が大きいので、苦手な方は中学受験・中学高校の参考書を手元に置いておくのがおすすめ。
判断推理に関しては慣れが大きいので、物量はある程度必要。どのパターンならどれが使えるかを意識しながら問題を読むと良いです。

③資料解釈
資料解釈に関しては別問題だと思っていて、確実に取りたいです。なぜなら【4択を検討すれば必ず1択に絞れるから】です。もはや概算すらおすすめしないレベルです(人によるけど)。じっくり考えてでも確実に取りたいですが、時間は縮めたい方が多いと思います。重要なのは【計算速度・計算の正確性・文章を読む力】です。これらは数的処理と文章理解をやっていると自然についてくると私は思っています。以上より資料解釈は直前期でいいのでは?と考えます。

④知識分野
特効薬はあまりないので…強いて言うなら【テーマ別のまとめを意識(テーマ系が出やすいので)・忘却曲線を意識(復習のスパンを考える)・五感を使う(声に出す・歩きながらやる・書く・説明する)】あたりかなと思います。ちなみに空腹時のほうが脳活性化してるらしいですよ。朝とか夕食前とか寝る前とかいいんじゃないでしょうか。

9.教養区分について


最後に国総教養区分について、情報が少ないと思うので対策と所感をまとめます。

・教養区分の対策について
筆者はお試し受験に近い状態だったので、数的処理と文章理解だけ講義を見ながら基礎固めをしていました。この時期であれば教養に専念しても問題ないと思います。
知識分野に関しては範囲が広すぎるので、今からであれば科目を絞って勉強することをおすすめします。

論文に関しては対策はしていませんでしたが、できるのであれば総合職の過去問に目を通しておくと書きやすくなると思います。

また、1次に合格した場合は2次試験があります。こちらの配点がかなり高いので、合格後は政策研究やGDの練習をしておくことをおすすめします(公務員試験自体最終的に面接で決まりますので、こういう練習に時間を割いても損はないです)。

・試験の感想について
教養区分は午前が論文(4時間2題)、午後が教養(知能分野→知識分野の順)です。
午前の試験がかなり長いですがおそらく4時間はかからずに書けるので、終わったあとはしっかり休憩を取ることをおすすめします。

知能分野と知識分野の間は休憩がないので、知識分野を詰め込むなら昼休憩中になります。脳が疲れた状態で教養試験になるので、ブドウ糖などを持ち込むことをおすすめします。

筆者の結果としましては知識、知能ともに14点で知能2問、知識1問分ほど足りませんでした。数的処理の時間がかなりタイトです。知能と知識に分かれているため知識分野を早く解いて時間を確保する、という戦略が取れません。そういう意味では春試験よりシビアだと思います。

10.おわりに

長々と書き連ねましたが最後に筆記試験の反省点と持論を羅列して終わります。読んで頂きありがとうございました。

・専門は早め早めに
・国家総合職は捨て問を選ぶ(見抜く)能力が大事
・捨て科目に執着しない(速攻ロト5で時間を稼ぐ)
・技術系はひたすら過去問!模試はあまり効果なし
・「数的やらない奴は落ちる」は必ずしも真ではない
・国家総合職を想定するとそれ以外は自然に解きやすくなってる
・不安になる暇があったら問題集回す!間に合うかじゃなく間に合わせる!

人事を尽くして天命を待つ、これに尽きます。やれることは何でも、やれるだけやるほうが後悔はないです。
ご質問などありましたらコメント欄まで。

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