実践して分かった、顧客へのヒアリング力を高める「SPIN話法」の使い方
はじめまして!新卒3年目の木村です。
現在、アイアンドシー・クルーズ社のインシュアランス事業部で、主に法人営業を担当しています。具体的には、リショップナビやエネピなどのメディア事業でお付き合いのある企業様を中心に、パートナーである保険会社と一緒に、オリジナルな保険商品を設計し、提案まで行っています。
今回のnoteでは自分の営業活動の中で、お客さんへヒアリングする際にとても役立ったと感じたSPIN話法について紹介します。
SPIN話法とは?
端的に言えば、SPIN話法とは、話を「聴く」技術です。
なぜ話を聴くことが重要なのでしょうか?それは、他人からセールスを通じてメリットの説明をされるよりも、顧客自らそのメリットに気づくほうが、理解が深まり、納得感が得られるからです。
その点に注目し、SPIN話法の目的は、「顧客自ら」がこちらの提案価値を理解してもらうことにあります。
SPIN話法では、4つの種類の質問を駆使して、顧客のニーズや課題を深掘りしていきます。
SPINを構成する4つの質問
4つの質問について、簡単に見ていきます。
① 状況質問(Situation)・・・顧客の現状を聞く質問
(例)現状、使っている○○ってどんな感じですか?
② 問題質問(Problem)・・・抱える問題や課題を聞く質問
(例)○○って使いにくくないですか?
③ 示唆質問(Implication)・・・問題が与える影響や結果を考えさせる質問
(例)○○をそのまま使いつづけたら、すごく金額もったいなくないですか?
④ 解決質問(Need payoff)・・・問題を解決する価値を理解してもらうための質問
(例)○○で使っている問題点を解決できたら、貴社の利益につながりませんか?
それぞれの質問の目的は、以下の通りです。
① 状況質問・・・HPやインターネットには載っていない顧客の現状を知る
② 問題質問・・・顧客自身に課題を認識、あるいは注意を向けてもらう
③ 示唆質問・・・先方の課題意識を確認する。ない場合は、その理由を深掘りする
④ 解決質問・・・顧客自身に問題解決する価値を感じてもらう、自社商品の提案をスムーズに聞いてもらう
SPI話法の導入前の課題
SPINを知ったのは、顧客への質問のやり方に悩んでいた時、某センサー企業で営業をしていた友人に相談した事がきっかけでした。
当時の自分を振り返ると、訪問して、ヒアリングが自己流でニーズをうまく把握できないまま、ただ商品を説明する「歩く説明係」でした。
友人からSPIN話法についての話を聞き、「よく考えてみれば、自分の話しかしない人から営業されても、なかなか買いたいとは思わないよね」と感じ、さっそく普段の業務に落とし込んでみようと実践していきました。
SPIN話法の導入後の変化
SPIN話法を導入してから今までで1番変わった事としては、ヒアリングがスムーズになった事です。
これまでは、ある程度我流でやっていたために手探り探り状態でしたが、しっかり型にはめた事で、思考が整理されやすくなり、理解の解像度が上がったためかなと思います。
ただし、今回のSPIN話法もあくまでも理論・フレームワークの一つなので、実践する中で使いづらい点、難しい部分が出てきました。
その中で、僕がよくやりがちだった2点をご紹介します。
① 状況質問の段階で、相手に質問しすぎない
状況質問における質問内容は、顧客自身が良く知っていることであり、その質問だけでは、顧客に対して何かしら価値を提供することは難しいと感じます。
自分は必要以上に質問してしまい、相手も時間を割いているので「早く提案して」と言われ、質問を深掘りできないまま提案フェーズに行ってしまう事が多々ありました。
あくまでもネットには落ちてない一次情報を拾うための質問なので、このパートはできるだけ端的に進めましょう。
② 問題質問や示唆質問をためらってしまう
問題質問や示唆質問は、ある程度踏み込んだ質問になるため、時に顧客にネガティブな事を考えさせる事が多いです。
そのため当時の自分は、お客さんの反応がややネガティブだったため、質問することを躊躇してしまっていました。
心理的な部分が大きかったため、アイスブレイクの時間を多めに取るなどして、まずは自分が顧客に聞きやすい雰囲気づくりをすることに注力しました。少しずつ成功体験を積む事で、心の壁を徐々に改善できるようになりました。
このようにSPIN自体はあくまでも理論であり、万能ではありません。自分で試し必要に応じてマイナーチェンジをして、自分に合った使い方をする、というマインドを持つことが最も重要なのだと思います。
まとめ
今回はSPINというセールス話法についてご紹介させていただきました。月並みではありますが、これに限らず世の中にはいろんなHackがあり、調べればたくさん情報が出てきます。
そういった情報をただ知っているだけで終わりにせずに、自分の業務や生活にどう落とし込めるか、という視点をもって行動する事は、情報が溢れる状況では、今後ますます重要になってくるでしょう。
また、今回のSPIN以外にも営業に関するいろんな話法や理論があるので、興味があればぜひ調べて試してみてください!
最後に、自分の上長である現事業部長から教わった言葉で、締めさせていただければと思います。
「知識は自分で体現して事こそ、初めて価値になる」
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
--
【参考文献】
大型商談を成約に導く「SPIN」営業術 ニール・ラッカム (著), Neil Rackham (著), 岩木貴子 (翻訳)
営業の「聴く技術」 新版―SPIN「4つの質問」「3つの説明」古淵 元龍 (著), 大堀 滋 (著)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?