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翻訳記事について

今回はWikipediaの翻訳についての話です。

書籍とWikiの情報戦争

ここ最近、Wikipediaの英語版を日本語に翻訳する作業をしています。特に、日本語版の情報量が少ないもので、個人的に興味があり、また重要な意味があると思われるものを翻訳しています。

私自身、フランス革命やロシア革命についての著作を持っていますが、どれも知りたい情報が書かれていません。自らの好奇心が途中でストップしてしまいます。新しい書籍を買っても期待外れである場合も多いです。

これに対してWikipediaの英語版を含めた外国語版は、フランス革命やロシア革命についての新しい情報を検索するツールとしては書籍よりも優れています。

これが一昔前ならばそういうことはなかったかもしれませんが、現在はほぼ逆転しています。また、下手に日本語の書籍に当たるよりも外国語の書籍に当たった方が情報量が多く、こちらも現在は技術の発達によって、翻訳も前よりもずっと簡単にできるようになってきました。あと10年、あと20年経ったならば、日本語の権威ある翻訳書が無意味化してしまう可能性すらあります。

最近知ったDeepLの翻訳性能は、Googleや他の翻訳ツールより優れており、人力での翻訳スピードと比較すると、手間が一気に省けます。多少の修正は必要なのでしょうが、完全な人力に比べれば、遥かに優秀なものとなります。

現在翻訳している銀行戦争は一年くらい前に知った概念ですが、未だに日本語版が登場していません。一般書籍で、銀行戦争について詳しくのっている書籍を探して購入する手間よりも、Wikipediaの英語版を翻訳する手間の方があるかに小さなものといえるでしょう。

知られている事と知られていない事

外国の歴史で日本人が特に詳しいのは三国志などだと思いますが、これは日本人が長い歴史の中で文化として三国志の知識を日本文化の中に組み込んできたためであり、歴史的に見て三国時代が最も興味深い歴史ということを意味しません。私たちは興味深い歴史の多くを知らずにいます。私たちが知らなければならない歴史を未だに知らずにいます。

私も三国志に登場する人物は結構名前を挙げることができますが、そういった名前を覚えるよりも、本来は覚えておかなければならない名前が別の世界にあるに違いありません。これは私個人だけに限った話ではなく、日本人全般に言える話ではないかと思います。

アジアの日本よりも人口が少ない国の人たちが、日本語版に全く出てこない領域について詳しくそれを説明している場合があります。もしかすると、私たちが、テレビでスポーツや音楽、バラエティなどを楽しんでいる間に、他の国では私たちの知らない場所で、淡々と知識の蓄積を図っていると考えることもできるでしょう。

最近あげたミラボーの記事を読まれた方で、ミラボーがどういった人物か知らなった方は結構いらっしゃったと思います。私自身も翻訳しながら新しい発見が山のようにありました。『陰謀の証拠』の中でミラボーがイルミナティと関係していることが言及されていますが、これもほとんど日本では知られていません。恐らくこれについては日本以外でもあまり知られていないかもしれません。今回紹介した『陰謀の証拠』以外にも、ネスタ・ウェブスタの『フランス革命』でもこれに類似する記述があります。

日本では、欧米諸国について知られていない情報が山のようにあります。それは、いわゆる陰謀論についても言えます。陰謀論の中には多くの偏見や嘘、デマが紛れ込んでいることを否定するつもりもありませんし、私自身が多くの誤りを犯している可能性についても否定しません。しかし、同時に陰謀論批判者が知らない情報もまた、おそろしいまでに膨大にあります。

日本人で海外での反ワクチン運動に対して陰謀論者というレッテルを貼って軽蔑的に論じている方々が多くいますが、実は、彼らが自分たち日本人が持っていない情報を元にデモ活動を行っているということについても理解しなければなりません。もちろん間違った情報や分析を元に活動している部分ももしかしたらあるかもしれませんが、それはそういった彼らの行動を批判している側の人間からも同時に見出せるものです。

日本人は何を求めるのか

以前に挙げた記事で、私は日本で論じられている陰謀論は海外で論じられている陰謀論の極々一部であるという話をしました。

フランス革命の背後に、フリーメイソンやイルミナティといった秘密結社が暗躍していたということを知っている日本人はある程度いるかもしれませんが、その詳細まで知っている人となるとその数は急激に少なくなるでしょう。

フランス革命に限らず、ロシアの十月革命を主導したボルシェビキ革命家の多くがユダヤ人だったということを知っている日本人は決して多いとは言えないまでもそれなりに数はいます。しかし、実際にどういった誰がどのような活動をしていたかまでは知らない人も多いと思います。

私たちがこのような情報を知っていなければならないのか、あるいは知る必要がないのかは解りませんが、少なくとも、この日本という国が長い低迷と苦難の歴史を辿っている状況の中で、単に娯楽の中で人生を生きることのみが正解であると考えるのは間違いである可能性はあります。

楽しければいい、あるいはワクワクすることができればいいという考え以外にも、私たちはこの国の将来を見据えて、様々な情報を集積し、分析していく作業というものが一定量求められているのではないかという、少々年寄じみた苦言をもってこの記事を締めたいと思います。

最後に

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世界が一日もはやく呪われた微睡の日常から目が覚めますように。

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