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図書館や学校図書館に置いてもらえる恋愛小説を目指して。+新刊のこと。


五十嵐美怜(イガラシ ミサト)です。
気づけば2022年……。時間が経つのは早いですね。
去年の今ごろは何をしていただろう……とメールを見返してみたら、ちょうど去年の1月28日に「花とつぼみと、きみのこと。」というタイトルになったというご連絡が来ていました。
そして今年の1月28日は、その第3弾の発売日です!
無事第3弾まで出版してもらえたのは、本を手に取ってくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

記事のタイトルですが、先日とある図書館関係の研修会の資料を見る機会がありました。(実は五十嵐はふだん図書館で働いています)
児童サービスについての資料だったのですが、「子どもたちに人気の本のジャンル」として「ホラー」や「ノベライズ」などの他に「恋愛もの」もありました。
恋愛ものとしてシリーズが3作品ほど紹介されていたのですが、その3作品について「図書館や学校図書館に安心して置けるもの」というような説明があったのです。

それを見て五十嵐は「図書館職員から見て安心して置けない恋愛ものの児童書ってどんなもの? 自分の作品はどう思われているんだろう?」と考えてしまったわけです。

身体の接触の有無?設定?イラストの雰囲気?
判断の基準って色々あるとは思いますが、明確なラインが決まっているわけではないので「人それぞれ」「好み」になってしまいますよね。児童書として出版する以上、子どもに悪影響な表現や過激な描写を入れる書き手もそれを良しとする版元さんもいないと思っています。

「恋愛ものだから」という理由で選書の際に敬遠されることも少なからずあると思うんです。特に児童文庫は漫画のような可愛いイラスト、胸キュンなセリフが書かれた帯……。なんとなく、学校とかには相応しくないようなイメージかもしれません。でも子どもたちはそれを読みたい。絵が可愛いから、読みやすそうだから。
単純かもしれませんが、それだって立派な自発的な読書への芽生えだと思います。
活字に触れること、いろいろな感情の表現を知ること。そのきっかけを「イメージ」で潰してほしくない。でも誰しも本に好き嫌いがあるのもわかる! 難しいですよね。何が安心で何が安心じゃないのか、わたしもよくわかっていません。

ありがたいことに、「恋する図書室」は学校図書館が舞台だったからか、多くの図書館や学校図書館に置いてもらえているようです。
700円って子どもにとっては大金だと思うので、図書館で読めたらいいですよね! だから「花きみ」も、なるべく図書館に置いてもらえるような作品になるといいなと願いながら書いています。あと学校で友達同士で貸し借りするのもアリだと思うので、学校NGにもなってほしくないですね。
恋に胸キュンして、だけどどこか気づきや成長のようなものもあって、難しくなくて、読みやすい。今後出す作品も、そこは変わらずに作っていきたいです。


〜新刊のこと〜
「花とつぼみと、きみのこと。」は、発売日がことごとく感染拡大時期にぶつかってしまうという不遇な作品になってしまいました。
大人向けだったら「外出を避けてよかったらネットで買ってください」と言えますが、児童文庫の読者層は小中学生。小中学生で自由にネットでお買い物できる子は少ないですよね。
「お小遣いを持って書店に行って、出会ってもらう」
1巻からその機会が減ってしまったことはとても悲しいです。それでも花きみに出会って、選んでくれた人、ありがとう。
お子さんに与えてくれたおうちの方、児童文庫の勉強のために読んでくださった方、五十嵐の作品を応援してくれる大人の方も、ありがとうございます!

もともとなんの確約もなく、「1巻がそこそこ売れたら2巻」「2巻がそこそこ売れたら3巻」と綱渡りのようなことをしてここまで来ました。
正直、2巻を出す前は3巻は出ないと思っていました(笑)
よくネガティブだって言われるし、自分でもそうだと思っています(^◇^;)
でも「本を出せる」って当たり前のことじゃないですよね。「恋する図書室」でデビューしたときから、毎回「これが最後の作品になるかもしれない」と思って書くようにしています。本文の1文字目から、あとがきの最後まで。

「後悔しないように生きたいし、生きてほしい」そんな思いを込めて3巻を書きました。言いたいことは言わないと、相手に伝わらないのです。やりたいと思ったら、やったほうがいい。子どもはもちろん、大人だってそうだと思います。

そんな五十嵐の思いを代弁して、芽依ちゃんたちが頑張ってくれました。

やりたいと思った部活が、廃部になってしまいそう。

恋が叶わない状況になってしまった。

壁にぶちあたって、悩んで、迷って、そして選択する。
そんな中学生たちの物語です。

もしかしたら、読み終わって切ない気持ちにさせてしまうかもしれません。
キラキラ、キュンキュン、ハッピー、なだけじゃない恋。
でも最初から「3巻が出たらこういう展開にしよう」と決めていました。
担当さんたちがつけてくださった「せつなキュン」というアオリ、他にない感じがして凄く気に入っています。

芽依ちゃんたちの頑張り、そして交差していくもどかしい想い……。
ぜひチェックしていただけると嬉しいです。
売れたいのは本音ですが、700円って大金なので!
友達から借りるのでも、それこそ図書館や学校図書館で借りるのでもいいです。
少しでも多くの人にお手にとってもらえますように。

五十嵐 美怜






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