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映画レポ|失恋女が観る『花束みたいな恋をした』
こんにちは。
映画大好きまにしです。
同棲していた恋人と別れた。
大事件である。
「ぴったりな映画があるよ」
そう勧められた映画。それこそが『花束みたいな恋をした』だった。
人は不幸せなときほど感受性が高まるものだ。
観れば傷つくことはわかっていたが、なんだかもう今は、自分を最大限に傷つけてやりたいと思った。
◾️あらすじ
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。
◾️失恋女、叫ぶ
これは…フィクションだ絶対!
この世界には自分が泣いてる時に気づいて走ってきてくれる人も、僕の人生の目標はあなたですなんて言ってくれる人も。
いないよ!!!!!いないったら…。
…って思ったら後半は現実だった。
後半だけ完全に身に覚えがある。辛。
特に、就職した麦くんの「もうパズドラしかできないんだよ」というセリフが痛すぎた。
極端だけど、あー…その気持ちは、わかる。
学生の頃と生活が変わる事で得られるものもあれば、失うものもある。
てかむしろ好きだったものを追うのに疲れる。
アレ、なんでなんだろうね。
趣味の時間が単に減っただけだからかな?と思うじゃない。
でもさ、いつの間にかお気に入りのパン屋さんの存在も、太陽がきらきらしてる日の幸福感も、感じ方が鈍くなってて…ハッと、気づいた頃にはもう何も感じなくなってる。
思い出そうとしても思い出せないんだよね。
この切なさは、大人になるために絶対通らねばならないのでしょうか。
◾️就活って、人が狂うのよ
この映画の後半は、自由に大人する楽しさとか責任とかがリアルだ。
就活ってさ、当事者にとっては本当に大問題なんだけど、俯瞰してみたら全然そんなことないと個人的には思うんだ。
生きる選択肢って実はたくさんある。
お金よりももっと大切なこと、山ほどある。
もちろん観てる私は第三者だから俯瞰して観れるし、本人たちが良い方向に進んでるとはいえない状況にもやもやするけど…。
でも、きっとこれが主観なら。私が当事者なら、同じように失敗して回り道ばっかりしてるんだろうな。
恋は生もの。賞味期限のあるもの。
…本当にそうなのかな。
これからもずっとそんなことを考えながら、恋なのか執着なのかわからないものを追い続けていくのかな。
人生の最後に振り返って、自分の恋が“花束のようだった”と思えたら、果たして幸せなんだろうか。
…でもそれは、あくまで未来の話で。じゃあ今の私はどうすればいいんだよ。可哀想じゃんね。
◾️最後に
今を生きる自分にとって、『花束みたいな恋をした』は綺麗すぎた。
まあ花束って綺麗なものだからね。映画としてはそれでいいのかもしれない。
今作みたいな恋が花束なら、私は花束なんていらない。なんて少し皮肉に思った。
思い出のなかで輝く存在よりも、今そばに居てくれる存在の方が必要に決まってる。自分のなかで結論が出て、なんか悲しくなってきた。
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