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映画レポ|キリアンオタクが観た『オッペンハイマー』
こんにちは。
映画大好きまにしです。
先に言っておく。
私、歴史はそんなに得意じゃない。
ただ、クリストファー・ノーラン×キリアン・マーフィに絶大な信頼を置いている。
そして、私の映画が好きになったきっかけは紛れもなく彼らのつくった『ダークナイト』で、その妖しく美しい青い瞳の青年に一瞬で虜になった。
…なので、しっかりとした解説が読みたい方は別の方のnoteをご覧ください。笑
本記事は、キリアンがとてつもなく好きな女が、はじめて映画館でキリアン主演映画を観たレポである。
◾️あらすじ
第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加した J・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―。世界の運命を握ったオッペンハイマーの栄光と没落、その生涯とは。今を生きる私たちに、物語は問いかける。
※本作には、核実験のシーンおよび、原子爆弾投下による被害を想起させる描写がございます。ご鑑賞にあたりましては、予めご了承いただきます様、お願い申し上げます。
◾️ポップコーンなんて買ってられるか
今作は180分に及ぶ超大作であり、その上映時間だけ見れば『RRR』と同じだ。
映画館は、レイトショーにも関わらず7割ほどが埋まっていた。金曜の夜だ。ポップコーンの甘い香が漂う。
しかし私の胸は昂りまくっていた。
キリアンの声を、1秒たりとも聞き逃したくなかった。
『RRR』のときは買いまくっていたポップコーンやらジュースやらを一切買わず、むしろ食欲をなくすほど幕間の時間に緊張していた。
◾️IMAXの音量に感情が吹き飛ぶ
今作では、特に音の使い方にメリハリを感じた。
人は大きな音に恐怖を感じる。
映像にのめり込んだ状態で響き渡る爆発音。
体から、自然に恐ろしいという気持ちを感じた。
また、彼が葛藤するごとに音が響いた。
映画が一人称視点だからだろうか。
人の葛藤とはこんなに辛いのかと浴びて思う。
◾️「原爆の父」だけではない描写
映画を観ていると、オッペンハイマーはひどく女性関係にだらしがないらしい。
また、原子爆弾をつくるという国家レベルの大仕事を抱えながらも、信用できるからと元党員の弟をかばうなど少々脇が甘すぎる。というか人を信用しすぎる。
だが、偉大な人間も、邪悪な人間も、1人の人生として見つめてみればきっとそんなものなのだ。
弱みのない人間はいないし、人の善悪を見極めるのは相当難しい。彼もそんなただの人間だ。
だからこそ思う。
“我は死なり、世界の破壊者なり“___
彼はひとり、この世界の破壊者に選ばれてしまった。
もしその役目が私だったら…ふと考えた。
◾️キーパーソン、アインシュタインとの関係
私はこの映画のキーパーソンは、アインシュタインであると思った。
もう少し正確に言うと、ノーラン監督が最も伝えたい描写、台詞を、オッペンハイマーに言わせた人物だと思っている。
もちろん映画の中ではロバート・ダウニー・Jr演じるストローズや、オッペンハイマーを支えた妻キティなども印象的ではあるが、彼らはオッペンハイマーという人間の周りにいた、実在した登場人物にすぎない。
では、アインシュタインはどうだろうか。
もしかしたら、オッペンハイマーにアドバイスをした、という史実があるのかもしれない。
でも具体的に、どんなアドバイスをしたかなんて、詳細には誰もわからないだろう。
だから彼らのシーンは、ノーラン監督の表現なのだと思った。
あまり言うとネタバレになってしまうが…
私は、あのラストシーンが忘れられない。
「私、オッペンハイマーは何者であるか」
その答えを、アインシュタインはずっと前に解き明かしていたのかもしれない。
◾️最後に
まとまらない文章で申し訳ない。
私もまだ息切れしているのだ。
とにかく早くこの想いを書きたくて、今私はこうしている。
ノーラン監督得意の時間操作による映画自体のおもしろさ、オッペンハイマーという人物への深い解釈、実際に演出する技術、そしてそれをこなす俳優陣。
180分間、全く飽きのこない映画だった。
私は、オッペンハイマーを「原爆の父」ではなく、1人の人間として描ききったことに賞賛を贈りたい。
きっと、ノーラン監督が描きたかったのは政治的な話ではないから。もっと人間的な物語だと思う。
とはいえ、こういう伝記を観るとやはり世界について、自国についても考えさせられる。その機会をくれた映画という存在にも、感謝している。
良い体験だった。
でもやっぱり一番は…
キリアン・マーフィ…
彼は私の中で世界一の俳優だ。
◾️追記(3/31)
当たり前だが、私はノーラン贔屓で日本人とはいえ関東生まれの戦後育ちだ。ただ“映画”としての評価しかできず、善悪に公平な判断も下せない。
だから、内容について口出しする権利こそないと思っているが、未来を考える権利はあると思っている。
あれからずっと考えている。いち人間としての自分が、今後どうすべきか。
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